最後の伊賀者 司馬遼太郎 | 駄目人間のブログ

駄目人間のブログ

申し訳ございません。無駄なことばかり書いて無駄に容量を使わせてもらってます。ネットの害です。

胡蝶の夢が2巻で止まっているけど、出張時にこの本を持っていたので、読みきってしまった。

この本、伊賀者と書いているけど、短編集で6話あるうちの忍者の話は最初の3話。1話は坊主の話で、残りの2話は呉春と蘆雪で、最後は道頓堀を作った、道頓の話だった。忍者の話はどこまでが史実なのかは別にしても、私たちの思っている忍者とは違う現実に近い世界を見せてくれるし1話、1話、ちゃんとオチがある。

美術が好きなので、どうしても最後の2話は読んでいて楽しかった。司馬遼太郎が、あまり円山応挙が好きではないのは、ちょっと意外な感じがした。たしかに蘆雪の変幻自裁の絵を見ていると、天才とは違う何か得体の知れないバケモノにしか思えない。ちなみに応挙は天才だと思う。呉春って、そんなにすごい絵描きだったかな?と思う。考えてみると、あまり都内では呉春の作品を見る機会が少ないからだと思う。ウィキペディアで呉春を調べてみると、木芙蓉鵁鶄図は写真を見るだけでもすごい作品に感じる。その点、なぜか師匠の蕪村は、結構作品を見ている気がする。ただ、そんなに記憶に残るようなものは思い出すことができない。

この本を読むと、やはり梟の城を読みたくなる。映画では見たことあるんだけど、全然面白くなったけど。司馬遼太郎の本って、どうして小説ではあんなに面白いに映画にするとどれもこれもダメなんだろう。