野田弘志 真理のリアリズム | 駄目人間のブログ

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札幌芸術の森美術館

 

野田弘志展を見てきた。札幌市文化芸術鑑賞促進事業で通常1400円が700円で見ることができた。東京で見る展覧会なんか1800円とか2000円が当たり前なのですごくお得な気分。

ここ数年、抽象絵画より具象絵画の方が人気がある。ホキ美術館ができるのもわかるし、今の若い人はたぶん抽象より具象のほうがわかりやすいというのもあるだろう。その第一人者が野田弘志と上田薫ではないかと思う。先日テレビを見ていて上田薫も存命で今でも書き続けていることをしってすごいなと感じた。

 

この展覧会、野田弘志の初期の作品から代表作、そして有名な湿原の挿絵・・・そして今取り組んでいる人物画まで彼の画業を見ることができる。中でも代表作のカワセミの絵があった。これだけでも見にいく価値はあると思う。

野田弘志ですが、子供の頃、彼のデッサン力の凄さに東京に行って画集まで買ってきたくらい。イラストではなく野田弘志の世界があるデッサンだった。そして写真のような絵なんだけど、彼の絵になっている。同じように描いても彼のようなシャープな絵は描けないと思う。1枚描くのに一年かかるらしいが、映像でもわかるけど薄く薄く何層も塗ることにより人間の皮膚の透明感などを出そうとしている。ものすごく時間のかかる作業だと思う。

 

これだけの絵、子供から大人、そして美術のことが全くわからない人でも楽しめると思う。札幌市文化芸術鑑賞促進事業っと札幌市として、もっと芸術に親しんでもらおうと思って開催しているのだろうけど通り一辺倒の宣伝だけではなくもう少しこの展覧会に興味をもてるようにしてほしい。たとえば、一部の作品でも写真をOKにしてインスタやSNSにアップしていいですよとか色々あると思う。先日東京で見て国宝展だって写真OKの作品があった。

 

せっかく野田弘志が壮瞥町にアトリエがあり伊達には絵画教室みたいのがあるのだから、企画の段階でもう少し何かやってほしかった。例えば、子供用に野田氏の描いたデッセンの輪郭だけ抜き出したものを鉛筆で陰影をつけるスペースをつくるとか、誰もが思うどうやってこんな絵が描けるのかというのを簡単に説明するとか。

とっても残念。