黄色い風土
松本清張
父が「この本読んでみろと」というのでこの「黄色い風土」を読んでみた。戦後のグレーな時代を舞台に書かれているので、GHQや日本軍の細かい話はあまりピンとこない。
松本清張の本は数冊しか読んだことがないが、この「黄色い風土」は松本清張には珍しく最後まで犯人がわからない。松本清張は犯人の心理を深く描いて読み始めてすぐに犯人がわかる推理小説が多い中、珍しい作品だと思う。とにかく、長い本だが、とても丁寧に書かれているので、とても読みやすく、1つ1つ整理して犯人探しができるが、あるところから急にいろんな話が輻輳していき、整理するのが大変になってくる。
最後は、ほんとあれだけ断片的に積み上げていたものを、一瞬で終わってしまうのは衝撃的だった。数カ所納得できないところもあるが、面白かった。