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この映画、劇場公開時に見たかった映画。なんで、日本の水俣をアメリカの監督が撮影することに興味があった。
政治的な映画や社会ドラマなどがなく商業ベースに乗りやすい娯楽作品ばかりのアメリカ映画で、このような映画を製作してくれたことは、ただただ頭が下がる。昔は、シドニールメットやアランJパクラのつくった重厚な映画もあったが、ここ数十年このような題材の映画は見たことなかった。
正直、最初から最後まで涙が止まらない映画だった。最初に、浅野忠信がユージンに会うシーンが非常に素晴らしかった。あの寝癖のような頭で、田舎の父親をすごくうまく演じていたと思う。それと國村隼は難しい役を引き受け、微妙な感情をうまく演じていたと思う。
ユージンスミスの描き方はなかなか素晴らしかったと思う。真田広之も、一歩間違えると主役より目立ってしまう可能性もありながら、存在感をありつつもうまく見せてくれた。一部、脚色されてるだろうなという部分はあるにしても、水俣というよりはユージンスミスを描きかったように思う。わたし、正直、ユージンスミスのドキュメンタリーとか見ていると、このジョニーデップはアカデミー男優賞を受賞してもよかったように思う。ユージンスミスの沖縄戦での辛い過去を引きづりながらの水俣での取材。すごくうまく演じていたと思う。
それとやはりアイリーンとの関係をもっと深く見せてほしかったかな。それとドキュメンタリーを見てしまったせいもあると思うが、カメラをあげた少年よりあの女の子との交流をもう少し深く描いて欲しかったかなと思う。あんな写真は、あの家族とどれだけ深く入りこまめないと撮れないと思う。あの入浴しているときの母親の優しい顔と娘の気持ちよさそうな顔。身内でもないしかも外人の異性に、あの表情を見せることができたというのは、ほんとに涙がでてくる。
