これ本当の話なんですけど、十年くらい前の話です。上司が癌で入退院を繰り返していて、最後手を施し用のない状態になり、ホスピスに入院してました。この頃は、もうお見舞いもいけない状況で、ここ数日でと言われて、最後だとお見舞いに行ったら、もう痛みでモルヒネを打っていて意識がない状況だった。帰る時に、娘が「お父さん帰るよ」と言ったらうめき声をあげた。たぶん薬で寝ているんだろうけど、意識はあったんだろうなと思う。
その数日後、夜中に今までにないくらい強い金縛りになった。けど、なぜかたまにかかる金縛りとは違い何か怖い感じがしなかった。そのときに、家の玄関に置いてある自転車のベルが鳴った。この時期だったので、暑くて親が玄関のドアを少し開けて寝ていて、風かなにかで鳴ったと思って金縛りが解けてからドアを閉めに行ったら閉まっていた。その次の日、その上司が亡くなった。きっと、お見舞いに行ったお礼にきたんだろうと思う。
ちょっと霊ではないけど十年くらい前の8月の話でした。
