C型肝炎治療では「ウイルス検出せず」はもちろん重要です。
しかしそれで安心してはいけない。
ウイルス性肝炎のもとであるHCVは肝臓を宿主
として、増殖していきます。つまり臓器はウイルスによって蝕まれ

遺伝子にエラーをおこさせます。
感染歴が短い場合10年未満なら、痛んだ肝臓もすぐ回復するでしょう。
では20年30年感染の場合は?ウイルスは寄生虫ではないので
いくらインターフェロン治療をおこなおうと経口剤で排除しようと
ウイルスによってもたらされる遺伝子エラーが多いほど
繊維化が進み、肝臓癌リスク要素となります。
つまりウイルスが消えてほとんど安心の人もいれば、まだまだ
油断できないひともいるわけです。
ウイルス駆除後,F1の状態の人もいればF3の人もいる。
まあF4の人だっているわけです。
それぞれ肝臓の臨床状態が大きくことなるわけです。
年齢も違えば回復スピードも体力も異なり個人差あります。
これをみな同じようにすべて回復していけば問題ないのですが
そうでもないのです。

「酒はいつになったら飲めるのですか?」
そういう質問がよくあるようです。
「食べ物に制限はないのですか?」
困ったことに、繊維化の程度が進んだひとからの
こういう質問が多いらしいのです。
F3で肝臓がボコボコになって元の状態に回復するのに
どれくらいかかりますか?

最低5年10年?いえ答えは不明。いえすぐに元の状態には戻りません。
肝臓が変形すると丸くなります、

これがF3くらいになると、回復はしても元には戻りません

まあ肝臓は再生していきますから、少量の酒は影響ないかもしれません。
ただし痛んだままで再生していきますから、元には戻らない。
やけどをしたら傷はのこりますね。あんな感じ。

そんな状態で酒を飲んだらどうなる・・・・
あるいは脂の多い食事をしたらどうなるか・・・

当然脂肪肝にまっしぐら。しかしこれを治す薬はなし!

そんな都合のいい薬などありません。

ここで食事療法、運動療法が生きてきます。

ものすごく体力があって解毒力の強い人は別
もしくは代謝スピードの速い人はなんともないでしょう。
そうでない場合はどうなるか見当がつきません。
肝臓がどれくらい回復力があるかを示すのは予備能力といいますが
その能力が高いか低いか。肝硬変の進行を遅らせる薬はあります。



C型肝炎ウイルス駆除はほぼ96%以上可能になりました。
したがってウイルス性肝炎からくる肝臓ガンは減少していくでしょう
それにかわる脂肪肝やNASHからくる肝臓ガンを甘くみることはとても危険。
健康状態を保つにはまだ個人レベルの努力が絶対必要なのです。