その名も「物理の考え方」である。
受験生をその気にさせるような謳い文句もなければ、
色も確か単色刷、もしくは、微妙な2色刷で、
完全に内容勝負の参考書だったように思う。
とはいえ、昔の参考書はだいたいそんなもんだったと思うが。
私はこれで、会社を辞めました。
…ではなくて、
私はこれで、物理を理解しました。
高校時代は定期試験で4点を取るなど、
気がつけば全くわからなくなっていた物理であったが、
卒業後、そう浪人してから、
予備校の授業もおろそかにし、
家で毎日物理はこればかりやっていた。
それがよかったようで、
夏明けの模試では偏差値70ぐらいになっていました。
一方で化学は全くといっていいほど勉強せぬままで、
テンでダメのまま。受験生としてはよくない見本なのですが(笑)。
なぜ物理がそこまで上がったのかは、
現象を根底から理解していったからだと思います。
今、とにかく、この期に及んで、
物理の根本が全くわかっていないと思わせる受験生が多すぎる。
高校ではどういう教え方をされているのだろうか。
問題はいっぱい解いている(解かされている)みたいであるが。
私は今は物理は担当ではないので、十分把握できていないが、
物理の勉強の仕方が全く間違っているのではないかと思わせる受験生が多い。
なんとなく、エネルギー保存則で解くことはわかっているようであるが、
ではなぜこの状況でエネルギーが保存されるのか?
「外力が働いていないから」
なんとなく、この方向に力が働くのはわかっているようであるが、
ではなぜこの方向に摩擦力が働くのか?
「この方向に動き出すから」
京大や阪大を受けようとしている受験生から、
そんな回答がいまだに返ってくる。
これでは何百問解いたところで、
京大や阪大の問題にはコテンパンにやられるだけであろうと容易に想像できる。
個人的には、根底を理解し、基本問題をこなして基本的な公式を扱えるようになれば、
そのあと大学受験に必要な物理の問題数は70~80ぐらいで十分だと思うのだが。
もちろん数学もそうだが、
地に足をつけて、正しい勉強方法をとってほしいと思う。
というか、正しい勉強方法を指導せねばならないし、指導されねばならないのだろう。
正しい勉強方法に、美味しい勉強方法はない。
正しい勉強方法に、華やかな勉強方法はない。
語学だって、ちまちまとした単語や文法の勉強が必要でしょう。
学問に王道なし。
目をつぶったら、穴が見えなくなるだけで、穴はれっきと存在したままである。
その大きな穴をつかれて、簡単にこかされることのないように。
だから、今の入試にはいたずらに難しい問題は必要ないんだと思います。
その多くは難しくない問題です、基本が正しく理解されていればの話。
「物理の考え方」はもう廃版になってしまっているようです。
名前を変えて同じような参考書が存在しているのかな?
それとも、もはやあのような見かけに華のない参考書は、
今の時代にそぐわなくなってきたのかな。
売れなきゃ、残らない世の中かな。
儲からなきゃ、切られる社会かな。
結果優先、効率至上主義。
見かけ優先、本質等閑主義。
事業仕分けで無駄を省かれますなあ(笑)
と思いながら、押し入れを探していたら、出てきたので、画像をアップしておきます。
これです↓

中身は完全な単色刷でした。
写真は上巻で力学・熱力学、下巻は波動・電磁気・原子・原子核です。
初版は昭和62年、う~ん昭和って、いいねえ(笑)