本日は、N.ampullaria Redlip Ito×boschianaの交配‐その5について紹介します。

①交配番号 :NO.92
②交配親  :N.ampullaria Redlip Ito[♀]×boschiana[♂]
③交配日  :2021年10月23日
④採取日  :2022年4月3日
⑤播種日  :2022年4月12日
⑥発芽確認日:2016年5月24日

種子親のN.ampullariaは、Borneo島、Maluku諸島,New Guinea島,Malaysia,

Singapore,Sumatra島,Thailandの標高0~2000m程度の地域にかけて自生しており。1835年に記載された品種です。本種は他の品種と異なり地際から沢山のグランドと呼ばれる葉身の殆ど無い捕虫嚢を地面に敷き詰めます。徒長枝の葉身には殆ど着袋しませんが、老成した茎の節々から空中コロニーを形成する個体も多く、とてもユニークな植生をしています。これがその人気になっている理由ではないでしょうか。又、個体差が大きく非常にバラエティーに富んでいる品種でもあります。特にイリアンジャヤ産の個体はお化けみたいに馬鹿でかい捕虫嚢を着けるものもある様です。
本交配の種子親は2020年11月に、何時もお世話になっている伊藤氏より分譲していただいたものです。ある程度老熟してきた茎から空中コロニーも展開してきている様で、中々良い感じの個体と思われます。
一方の花粉親のN.boschianaは1839年に記載された古い品種で、ボルネオ島南カリマンタンのSakumbang山に固有と言われていましたが、北側にあるBesar山でも発見されている様です。標高900~1800m辺りの低山の石灰岩性土壌等に自生するやや高地性種で、尾根や山頂付近の良く陽のあたる場所を好みます。この種は色合いがとてもシックで下腹部が瓢箪の様に膨らむ個体が多い様ですが、我が家の個体は結構スレンダーな感じです。
以上の両親を交配してみました。鞘自体の見た目は結構立派に見えましたが、実際採取してみると殆どが「しいな」で結実率は1%もありませんでした。何とか種実が充実していそうな30粒程度が採取出来ました。果たして発芽するかどうか疑問ではありましたが、後日播種鉢内を確認したところ2芽発芽していましたヽ(^o^)丿。
他の種子自体コンタミ等は無く、その後ボチボチ発芽してくれる様になりました。唯、セルトレイに10個体上げた後ほったらかし状態になっており瀕死に近い状態でした。何とか育ちそうな3個体をビニールポットに上げました。無事に生長してくれたら一寸darkticなamp似の個体ができるのでしょうか。生長は遅いですがこれからに一寸期待したいものです。今現在では殆どN.boschiana寄りの感じです。下段写真左から、

1.左端が種子親のN.ampullaria Redlip Itoで、リップのみ赤く色付くタイプで、
  グラウンド及び空中コロニーは発生し易い様である
2.こちらは花粉親のロアー。本種は下腹部が膨らむ個体が多いが、我が家の個体は
  ご覧の通りslenderである(ノД`)
3.右端が蒴果と種子。結実は悪く殆どが「しいな」で1%程度といったところだろ
  うか

1.播種鉢の様子。小粒硬質鹿沼土に播種し腰水管理している状態で、上部は2/3
  程度ラップで伏せている
2.播種鉢左上部にある種子が発芽し双葉を展開している
3.左写真の実生の少し右下の種子からも発芽し双葉を展開している。他の種子は未
  だ発芽していないが、コンタミは無さそうなのでこれから更に発芽してくれる筈
  だ(*^^)v

1.こちらから五枚は2023年10月22日に撮ったもので、こちらは播種鉢に1
  個体のみ残っていたがそのままにしていた。この個体が一番調子良い様である
  (*^。^*)
2.こちらはセルトレイに10個体植え付けたもので、ずっとほったらかしの状態に
  なっていたせいか、殆どの個体が瀕死に近い状態。早速少しましと思われる個体
  をビ ニールボットに上げる事とした
3.根鉢を外したところで、若干根が確認できる
4.2号ビニールポットに植え付けた。何とか育って欲しいものである
5.最新の捕虫嚢をアップ。リップのみ赤く色付いているね。唯、幼苗なので未だ海
  のものとも山のものとも云えない(^_^;)

1.こちらから六枚は2023年10月22日に撮ったもので、こちらは別の個体の
  根鉢を外したところ。僅かに根が確認できる程度
2.2号ビニールポットに植え付けた。この個体も中肋辺りが若干赤く色付いている
3.左写真の個体の最新の捕虫嚢をアップ。こちらもリップのみ赤く色付いているよ
4.更に別の個体の根鉢を外したところ。割と良く根が確認できる
5.根が発育している割には地上部が貧相だ(;^ω^)
6.左写真の個体の最新の捕虫嚢をアップ。こちらは僅かにリップが赤く色付いてい
  る。捕虫嚢はslenderな雰囲気になるのだろうか(・・?

1.こちらから六枚は2024年4月11日に撮ったもので、こちらは3個体中の1
  個体のこの時点での株姿。出来はイマイチの様である
2.左写真の個体に着いた最新の捕虫嚢。現時点ではN.ampullariaの雰囲気は無い
3.左写真の捕虫嚢の次に出来つつある捕虫嚢の赤ちゃん
4.こちらは2個体目のこの時点での株姿。これが何となく3個体の内一番まともそ
  うである(^_^;)
5.こちらは左写真の個体に着いた一つ前の捕虫嚢。これも今のところN.boschiana
  似の様である
6.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。形もN.boschianaの雰囲気ありあり

1.こちらから六枚は2024年4月11日に撮ったもので、こちらは3個体中の最
  後の1個体のこの時点での株姿。こちらも出来はイマイチの感じ
2.左写真の個体に着いた一つ前の捕虫嚢。既に一寸dirtyかな(;^ω^)。色合いは一
  番濃い感じだね~(*^^*)
3.こちらは左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢
4.未だセルトレイに5個体残っていた。もう少ししたらビニールポットに上げたい
  ものだ
5.こちらは播種鉢に1個体のみ残っていた実生のその後の様子。やはりこの個体が
  一番調子良い様である(*^。^*)。暫くこのままにしておこう(*^^*)
6.左写真の個体に着いた最新の捕虫嚢。日陰にあるため色合いはほぼグリーン一色
  である

1.こちらから六枚は2024年10月4日に撮ったもので、3個体中の1個体の

  この時点での株姿。生長は遅々としているが調子はボチボチの様である
2.左写真の個体に着いた最新の捕虫嚢。一寸湾曲気味でslenderな感じ
3.こちらは2個体目のこの時点での株姿。生長はそこそこかな
4.左写真の個体に着いた最新の捕虫嚢。N.boschianaに似る様で今の所

  N.ampullariaの形質は表れていない様だ
5.こちらは3個体目のこの時点での株姿。若干がっちりとしたロゼット様である
6.左写真の個体に着いた最新の捕虫嚢。この個体が一番発色が良い様である。リ

  ップが僅かに大きくなってきている様な…(・・?

1.こちらから六枚は2025年3月7日に撮ったもので、3個体中の1個体のこ

  の時点での株姿。相変わらず生長は遅々としているが着袋は100%の様であ

  る
2.左写真の個体に着いた一つ前の捕虫嚢。色合いは若干薄目でslenderである
3.左写真の捕中嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。父親にそっくりで未だ母親の面影

  は見てとれない
4.こちらは2個体目の現在の株姿。調子は相変わらずの様である
5.左写真の個体に着いた最新の捕虫嚢。この個体が一番色合いは薄い様で、その

  分斑模様が映える
6.左写真の捕中嚢の次に生長してきた捕虫嚢の赤ちゃん。めっちゃ小さいので完

  成までには大分掛かりそうだ

1.こちらは3個体目の現在の株姿。葉身は他の個体と比べ大分赤くなる感じ
2.左写真の個体に着いた最新の捕虫嚢。めっちゃ赤くて良い色合いだ(^'^)
3.左写真の個体に出来つつある最新の捕虫嚢の赤ちゃん。僅かに蓋が開き始めた

  様である。色合いは未だ若干薄目だが完成して時間が経ては良い色合いになっ

  てくれそう(*^。^*)
4.播種鉢に唯一残っていた1株の現在の株姿。この個体が一番調子が良い様であ

  る。他はミズゴケ植えだがこれは鹿沼土そのままである。鹿沼土の方が良いの

  かもね
5.左写真の個体に着いた一つ前の捕虫嚢。一寸見辛くてm(_ _"m)
6.左写真の個体に着いた最新の捕虫嚢。地面近くで着袋したせいかめっちゃdirty

 

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