本日は、N.Mixta Hort.Veitch ex Mast.(♀)です。

①人工交配 :N.northiana×maxima、1893年Tivey氏作出
②入手時期 :1994年
③入手元  :一正園殿
④生長度合 :早い
⑤栽培難度 :簡単、低温、高温に強い
⑥挿し木  :鹿沼土挿しで可、水挿しでも発根するが、鉢上げ後調子を崩しやすい
⑦嚢の大きさ:我が家ではMax28cm前後
⑧雌雄   :♀、7月~2月頃

どこの植物園でも栽培されている様なメジャーな品種ですが、最近は高地性種や種々交配種が幅を利かせ、本種の流通は極めて少ない様に思います。これもN.Wittei等と
同様、ビクトリア朝時代に作出され、100年以上育てられてきた素晴しい古典品種で、最高傑作の一つだと言われています。本種が生まれなかったら、当然不朽の名作
であるN.Dyerianaも生まれなかった訳でして。
両親の良いところをほぼ完璧に受け継いでいる様に思います。本種もN.Witteiと同様に阪神大震災によりワーディアンケースのガラスが破損し、しかも暫らく停電続きで温室が加温できなかったにも関わらず生き延びてきた数少ない品種の一つで、愛着もひとしおです。
入手して27年以上経過しますが、親株も挿し木株も全く問題なく長寿を全う中です。唯、最近嚢の大きさがイマイチの様です。もう数年植え替えていないので、ボチボチ植替えをしてあげないといけませんね。と、毎年思っているのですが…。
2016年の秋水挿しして2017年の3月に鉢上げしたのですが、残念ながら2ヶ月後天に召されてしまいました。そこで2017年6月に久々に鹿沼土小粒で2枝挿
し木をしました。無事に発根してくれれば1株は里子に、残り1株を我が家の更新株にしようと目論んでいましたが敢え無く潰えてしまいました( ノД`)シクシク…。以前鹿沼
土挿しでは100%でしたが、最近は何故か全滅していました(;´д`)トホホ。
リベンジを期して久しぶりに2021年5月挿し木にしました。水挿しで5本挿しました(頂芽枝×1、節間枝×4)。何とか無事に発根しましたので5個体共鉢上げし3個体は既に里子に出て残り2個体は我が家の予備としています。
この個体は雌株ですが、2017年に雄株を入手しました。今秋雌雄揃って開花しましたのでsib-crossしてみました。しかし、何時まで経っても鞘が膨らむ気配がありま
せんでした。結果失敗でしたが、N.boschianaとの交配では無事に種子が採れました。
sib-crossについては唯単にタイミングが悪かっただけかもしれませんので、機会があれば再度チャレンジしたいと思います。下段写真左から、

1.2011年10月4日に撮ったもので、腋芽の最初のころに出来たロアー
2.こちらは2012年4月17日に撮ったロアーで、腋芽の最初の頃。斑模様
  がとても濃くクッキリと表れていてとても美しいと思う
3.2012年5月13日に撮ったロアー、何とも言えないペリストーム。つい
  見惚れてしまいそう
4.これは2012年7月22日のもので、蓋が開いたばかり、時間の経過と共
  に、赤身が濃くなっていく
5.2012年9月5日、左の嚢は出来て1ケ月程経過、右は蓋が開いたばかり
  の嚢。この嚢は28cmだったが、我が家では30cm超えが一度もない。
  環境が悪いのか、栽培技術が拙いのか。もっともっと栽培技術の研鑚に努め
  なければなるまい
6.2012年11月27日、ロアーからミドルへ移行中の頃か、少しずつ尻ず
  ぼみになってきた

1.2011年9月21日のもの、未だミドル当たりの嚢か。ペリストームの色
  合いがややオレンジ色っぽい
2.2011年10月10日、今まさに蓋が開き始めたアッパー、殆ど色彩が無
  いが、完全に蓋が開くと、ストライプが入り徐々に色付いていく
3.2011年10月21日のものだが、随分赤い
4.こちらは2011年11月19日のもの。襟は赤と云うより臙脂色に近い。
  何れの種もそうであるが、嚢の出来る時期環境等によって微妙に色合いは変
  化して、見ていて楽しい
5.2012年6月4日、鈴なりになると結構見応えがある。これでは鈴なりと
  は云えないが・・・・・。本種はN.northiana譲りか、良く腋芽が発生する
  ので、数芽株立ちになるととても賑やかになる
6.2012年12月2日、1.5m程度伸長した枝に出来たアッパー。開いて
  間もない嚢だが、時間の経過と共に赤く染まり、グリーンとのコントラスト
  が美しくなる。後ろにぼんやり見えるのが本種の花序(雌花)

1.2013年6月29日、出来たばかりの艶艶リップのアッパー
2.2013年9月19日、挿し木苗に出来たもので、既ミドルの雰囲気
3.2013年10月5日、親株の脇芽がある程度成長した枝に付いたミドル
4.2014年2月17日、二番花はこの頃咲くことが多い。最初の花序に比べ
  やや数は少なくなる。本種は稔性が低く、中々思った交配が出来ない
5.2014年9月30日、親株の脇芽に出来たロアーだが、22cm程度と小
  ぶりになってきた。随分植替えしていないのが原因だろう
6.2014年10月2日に撮ったアッパー。襟の下方に濁った水が見えるが、
  これは裏蓋から噴出した蜜が襟をつたって流れ落ちたもの。蜜は舐めるとほ
  んのり甘いが、これは一寸濁っているので遠慮した

1.2014年11月18日、腋芽に出来たロアー
2.2014年11月23日、こちらは腋芽が伸びた枝に付いたアッパー
3.2015年3月1日、未だ気温は低いが腋芽に出来始めたロアー
4.こちらから4枚は2015年6月23日に撮ったもの。これは生長途中のア
  ッパー
5.今まさに開かんとするアッパー。結構色合いが薄い嚢ばかりできてきている
  雰囲気
6.こちらはミドルからアッパー寄りの嚢だろうか
7.これは別の枝に出来たアッパー

1.2015年11月26日、蓋が開いたばかりのもので、リップのストライプ
  が目立つ
2.2015年12月11日、左写真のその後で、真っ赤に色付きストライプは
  全然目立たなくなった
3.2016年5月24日、気温の上昇と共に少しずつ大きな嚢になり、襟のフ
  リルも同様大きくなってきた
4.2016年5月29日、こちらは出来て1ヶ月以上経過した嚢
5.こちらから二枚は2016年6月13日に撮ったもので、6月6日に鹿沼土
  小粒に挿し木をしたところ。このまま発根するまでダコニール1000倍希
  釈液で腰水管理
6.こちらは節間枝を同様に挿し木したところ。何れも無事に発根・活着して欲
  しいもの
7.2016年7月1日に撮ったアッパー
8.こちらは2016年8月2日に撮ったもので、左の嚢は左写真の嚢のその後
  の様子。右は蓋が開いたばかりの嚢

1.2016年9月13日、挿し木苗に出来たものだが、既にアッパーとなって
  いる
2.2016年10月27日、親株に出来たアッパー
3.こちらから二枚は2016年11月29日に撮ったもので、こちらは親株に
  出来たアッパー
4.こちらも親株に出来たアッパーで、リップ以外は殆ど色が抜けてしまった
5.こちらから四枚は2017年8月12日に撮ったもので、こちらは親株にや
  っと発生した腋芽の最初に出来たロアー
6.こちらは二番目に出来たロアー。本種の特徴が出るにはあと少しかな
7.こちらは三番目のロアー。リップがやっと本種らしくなってきたが、斑模様
  も、色合いもやや薄い感じだね~
8.次に生長しつつある捕虫嚢の赤ちゃん

1.こちらから二枚は2017年8月29日に撮ったもので、こちらは腋芽に着
  いたロアーからややミドル辺りだろうか
2.嚢表面の柄や色合いはやや薄くなったが、リップの赤色が美しい
3.こちらから二枚は2017年12月12日に撮ったもので、こちらは多分左
  端写真の捕虫嚢のその後の様子だと思う
4.捕虫嚢はまあそれなりだが、背景がめっちゃ汚い(^^;
5.こちらは2018年2月2日に撮ったものだが、今シーズンは兎に角低温続
  きでこれ1つしか着いていない。天井近くにはアッパーがあるかもしれない
  が一寸確認できなかった
6.2018年7月8日、大分前に挿した挿し木苗に着いた未だロアー辺りの捕
  虫嚢

1.2018年8月25日、このアッパーは結構すらっとした別嬪さんになった
  様だね~)^o^(
2.2018年10月19日、多分左写真の捕虫嚢のその後であろうか。僅かに
  リップが色付いている様である
3.こちらから四枚は2018年10月20日に撮ったもので、こちらは親株の
  地際から発生した腋芽に着いた最初の超ロアー
4.同じく地際から発生した腋芽に着いた二番目のロアー
5.親株の徒長枝に着いたアッパーだが、色合いといい大きさといいめっちゃシ
  ョボい
6.こちらも親株の別の徒長枝に着いたアッパーで、これは比較的赤味の強いリ
  ップの様だ

1.こちらから二枚は2019年5月15日に撮ったもので、こちらは何番目か
  の腋芽が徒長した枝に着いたアッパー
2.左写真の捕虫嚢の口部をアップ。未だ襟が立っているが暫く経つと後ろに巻
  き込む
3.2019年5月17日、左と同じ徒長枝に着いた最新のアッパー。こちらは
  襟がのっぺらぼうだね~(^^;
4.こちらから五枚は2019年6月25日に撮ったもので、こちらは挿し木苗
  の徒長した枝に出来つつあるアッパーの赤ちゃん
5.挿し木苗の徒長した枝に着いた最新のアッパー
6.左端写真の捕虫嚢のその後の様子。襟は大分口部に巻き込んだ。巻き込まず
  に立ったままであればもっと観賞価値が高いのに…。まあ、個人の嗜好では
  あるが(^^;
7.こちらから二枚は親株の地際から発生した腋芽が少し成長した枝についたも
  の。こちらはロアーの最終って感じだろうか
8.こちらはミドル寄りの捕虫嚢だろうか。それでも未だ色合いは良い感じ(^^

1.こちらから五枚は2020年11月21日に撮ったもので、こちらは徒長枝
  に着いた一つ前のアッパー。リップが一寸変形気味(^^;
2.こちらは最新のアッパーで、色合い派未だ載っていない様だ
3.次に成長してきているアッパーの赤ちゃん
4.こちらは別の徒長枝に着いたアッパー。めっちゃスレンダーな感じ(^^;)
5.こちらは更に別の徒長枝に着いたアッパー。今年は開花する雰囲気が無い様
  だ。♂株は開花真っ盛りだが一寸×sibは無理そう

1.2021年3月24日、親株の地際から発生した腋芽に久方ぶりのロアーが
  着いた
2.こちらから五枚は2021年6月10日に撮ったもので、こちらは大分前に
  挿し木にした個体に着いた一つ前の捕虫嚢
3.同じく挿し木にした個体に着いた最新の捕虫嚢。出来は良く無い。もう随分
  植替えしていないので当然なのだが…
4.この5月に水挿しした枝に着いた捕虫嚢。めっちゃショボいが何とか着いた
  様だ
5.水挿しした枝に出来つつある捕虫嚢で、僅かに蓋が開き始めた感じ
6.水挿しした枝に出来つつある捕虫嚢の赤ちゃん。何とか少しでも発根活着し
  てくれたらと願うばかりである

1.こちらから四枚は2021年10月21日に撮ったもので、こちらは水挿し
  苗を鉢上げする挿し穂の状態。大分根が発生している。カルスの生長はこれ
  位の量が丁度良いのかもしれない
2.ビニールポットにミズゴケで植付けた様子。この日は後2個体も鉢上げした
3.こちらは左個体に着いた捕虫嚢。既にアッパー気味だね
4.こちらは別の挿し期苗に出来つつある補虫嚢の赤ちゃん
5.こちらから二枚は旧温室にある親株のもの。徒長枝に着いたアッパー。襟は
  エリマキトカゲ状だがこれから真っ赤に色付き完全に反り返る
6.こちらは別の徒長枝に出来つつあるアッパーの赤ちゃん

1.こちらから二枚は2021年11月15日に撮ったもので、こちらは水挿し
  苗を鉢上げする挿し穂の状態。こちらも結構根が発生しておりゴワゴワ状態
2.ビニールポットにミズゴケで植付けた様子。この日は後Ⅰ個体も鉢上げした
  これで挿し木苗5個体の呈色が完了した。後は無事に活着してくれることを
  願うばかりだ
3.こちらから四枚は2021年12月4日に撮ったもので、こちらは定植した
  挿し木苗に着いた捕虫嚢
4.こちらは別の挿し木苗に着いた捕虫嚢。口部付近が僅かにぽっちゃりした感
  が良いネ(*^_^*)
5.こちらから二枚は旧温室にある親株のもの。徒長枝に着いたアッパー。リッ
  プ以外は完全にグリーン一色となった
6.別の徒長枝に着いたアッパー。後ろに見える葉身は本種のもの

1.こちらから五枚は新温室内で管理している挿し木苗のもの。こちらは202
  2年1月17日に撮ったもので、sib-crossは失敗したがN.boschianaとの交
  配では鞘が膨らんできた。この後結実して播種している
2.2022年4月30日、挿し木苗に出来つつある捕虫嚢の赤ちゃん
3.2022年5月8日、別の挿し木苗に出来た捕虫嚢。もう少し時間が経つと
  リップは赤く色付く
4.こちらから二枚は2022年6月1日に撮ったもので、こちらは挿し木苗に
  着いた捕虫嚢。大分リップは赤く色付いている
5.こちらは別の挿し木に絵に着いた捕虫嚢。出来たばかりでリップは未だ反り
  返っていない。色合いも未だ薄くストライプが目立つ感じだ

1.2022年12月6日、新温室内で管理している挿し木苗に着いたもので、
  完成して数日ってところだろうか
2.2022年12月9日、左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。蓋が開
  いたばかりでリップは未だ完成していない
3.2023年1月1日、左写真の捕虫嚢を反対側から撮ったもの。随分リップ
  が赤く染まった
4.こちらから三枚は2023年1月11日に撮ったもので、こちらから二枚は
  旧温室内で管理している親株のもの。こちらは1m以上徒長した枝に着いた
  一つ前の捕虫嚢
5.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。一寸小さくなってきたかな
6.親株の別の徒長枝に着いた捕虫嚢。蓋が開いて数日と云ったところだろうか。
  これからリップは完全に反り返り真っ赤に色付くだろう

1.こちらから六枚は2023年10月25日に撮ったもので、こちらから二枚
  は旧温室内で管理している親株。こちらは随分徒長した枝に着いたアッパー
2.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢で、今まさに蓋が開いたばかりの
  物でリップは未だ鉛直状態。それにしてもやけに蓋が小さい(^_^;)
3.こちらから四枚は新温室内で管理している挿し木苗。こちらは挿し木苗の徒
  長枝に着いたアッパー。これも異常に蓋が小さいね(^^ゞ
4.左写真の捕虫嚢の次に生長してきた捕虫嚢の赤ちゃん。蓋が僅かに開き始め
  た様だ
5.地際から発生してきた腋芽に着いた捕虫嚢。めっちゃ小さい(;^ω^)
6.こちらは別の挿し木苗の主茎が徒長してきた枝に着いた捕虫嚢。完成して間
  もない様で結構艶々

1.2023年11月11日、新温室内で管理している挿し木苗に着いた最新の
  捕虫嚢。既にアッパーの様である
2.2023年11月23日、旧温室内で管理している親株に着いた最新の捕虫
  嚢。めっちゃslenderだ(^^ゞ
3.こちらから四枚は本日2024年4月27日に撮ったもので、こちらは新温
  室内で管理している挿し木苗に着いた最新の捕虫嚢。良い感じ(*^。^*)
4.左写真の捕虫嚢の次に生長してきた捕虫嚢の赤ちゃん。完成迄もう少しかな
5.こちらは新温室内で管理している別の挿し木苗に着いた最新の捕虫嚢。ミド
  ル辺りだろうか
6.旧温室内で管理している親株の徒長枝に着いた最新の捕虫嚢だが、何かリッ
  プがボロボロ(;^ω^)

 

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