本日は、N.Effulgent Koto×philippinensisの交配‐その7について紹介します。

①交配番号    :NO.33
②交配親       :N.Effulgent Koto[♀]×philippinensis[♂]
③交配日       :2013年10月25日
④採取日       :2014年2月24日
⑤播種日       :2014年2月28日
⑥発芽確認日 :2014年3月31日

種子親のN.Effulgent Kotoは、河瀬晃四郎氏が1974年から1983年にかけて作出された56種類程ある古都シリーズの内の一品種で、1978年に作出されたものです。非常に育てやすい強健種の両親から生まれた種で、その通りとても育てやすい品種です。低温・高温にとても強く、非常に根張りがよく、成長も速く、良く着袋してくれる品種です。
一方花粉親のN.philippinensisは、マニラの植物標本館にN.philippinensisとしてタイプ標本があったそうですが、第2次世界大戦によって失われてしまい不詳の様です。従ってN.philippinensisという名前の使用は植物学上正しくないとの事ですがどうなのでしょうかね。本種の草姿は、N.surigaoensisやN.merrilliata等と同様細葉系で、葉身はややasymmetricになります。補虫嚢の大きさと比べ、蔓は非常に細く、茎もスマートに伸びて成長します。樹勢は比較的強く成長も早い様です。
補虫嚢の色合いは目の覚めるようなgreen一色となり、別の意味での美しさがある様に思います。翼は殆ど発達せず申し訳程度に付きます。夏の暑さにも平気ですので、強健種で育てやすい品種といえるでしょう。
この強健種同士を交配してみました。両親同様、色合いや形共に芸の少ない品種になるかもしれませんが、強健種になることは間違いのないところでしょうか。できれば完璧にグリーン一色になる個体に育ってくれればと思っています。唯、生長は緩慢で中々大きくなってくれません。本当に強健種になってくれるのでしょうか。それに2017年11月時点ではまともそうなものはこの3個体だけになってしまいました。充実な種子と良い発芽だったにも関わらず、発芽以降の生長は散々で、もしかしたら弱い品種なのかもしれません。何とかこの3個体は無事に育って欲しいものです。
それから一切記事にしていなかった様で、既に4年半弱経過してしまいました(^^;。現在は1個体のみで旧温室内で何とかぎりぎり生き残っていました^^;。下段写真左から、

1.種子親のN.Effulgent Kotoで、ロアーは翼や蓋の裏がやや赤みを帯びるが、
  ミドル~アッパーはほぼグリーンになる。人気はないが、非常に強健種で良
  く着袋してくれる品種
2.花粉親のN.philippinensisで、最初の頃のロアーはやや赤みが射すことがあ
  るが、殆どグリーン一色となる。成長も比較的早く、強健種
3.2014年2月24日に採取した蒴果と種子。比較的充実した種子の様に思
  う
4.発芽確認から2ヶ月半弱経過した2014年5月13日に撮った播種鉢内の
  様子。概ね発芽してきた感じで、発芽率は良い

1.2014年5月15日、本葉が展開してきたので、セルトレイ(2.5×2.
  5cm)に植え替えた。真中縦3列15株が本種。やや怪しい株があるが、
  果たして成長するのか
2.2014年6月12日、殆どの株で新しい本葉が展開してきたが、真中の最
  上段の株は本葉の展開がないので怪しい
3.2014年9月7日、やはり真中の最上段の株は召されてしまった。最下段
  の右端の株も風前のともしび。大分成長に個体差がある感じ
4.こちらは2014年9月25日に撮ったもので、直径が3cmを超えた株を
  とりあえずビニールポットへ植え替えた。今までの実生の中では極端に葉身
  が細い。N.philippinensisに似てきそうな感じ

1.2015年7月17日、昨年9月にセルトレイからビニールポットへ植替え
  したもので、上記写真左端の固体のその後。少しだけ大きくなってきたよう
  なので、縦長ブラ鉢に植え替えることとした
2.2015年7月27日、こちらは左写真のその後。生長は緩慢で強健種とは
  程遠いが、これからの生長は如何に・・・・。これをNO-1個体として管理する
3.2016年4月13日、NO-1個体のその後。冬場絶不調になってしまい、お
  迎え寸前となったが、何とか取り戻し新葉が展開してきた
4.こちらは今朝2016年6月21日に撮ったもので、徐々に葉身も展開し回
  復してきており、蔓の先端がやっと生長を始めてきた一寸ε-(´∀`*)ホッ

1.こちらは2015年の4月13日に、セルトレイからビニールポットへ植替
  えしたものでNO-2個体とする
2.2015年10月23日、大分大きくなってきたの意で、4号プラ鉢に鉢増
  しした様子
3.こちらから二枚は2016年4月13日に撮ったもので、こちらはNO-2個体
  のその後。こちらの個体は冬場のダメージは殆どなかったようで、順調に生
  長中
4.NO-2個体の補虫嚢で、今のところはGreen一色な感じ
5.こちらは今朝2016年6月21日に撮ったもので、NO-2個体のその後

6.2015年4月13日、セルトレイからビニールポットへ植替えした個体で
  NO-3として管理する。草姿などN.philippinensisに似た雰囲気
7.こちらは今朝2016年6月21日に撮ったもので、NO-3個体のその後。こ
  ちらの個体も何とか順調に生長中
8.NO-3個体の補虫嚢で、Greenに薄~く赤味がかっているようだが、どんな感
  じに育つのだろうか。まともそうな株はこれ等NO-1からNO-3の3個体のみと
  なってしまった。何とか無事に育て上げたいもの

1.こちらから六枚は本日2017年1月26日に撮ったもので、こちらはNO-1
  個体のその後。この個体は温室内ではなく、夜間5~6℃程度になる部屋で
  管理しているため、めっちゃショボくなっているが、枯死する雰囲気はない
  様である。唯、当然のことながら着袋は無理の様だ
2.NO-1個体に発生した腋芽。3個体残しているが、この個体だけ脇芽が発生し
  チマチマと成長している
3.こちらはNO-2個体のその後で、NO-1個体と同様夜間5~6℃程度になる部

  屋で管理しているため、最悪の状態が続いているが、何とか持ち堪えている

  様である
4.NO-2個体の補虫嚢だが、ショボショボ( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
  さすがに着袋はしない
5.こちらから二枚は今朝2017年11月24日に撮ったもので、NO-2個体の
  その後だが、何時まで経ってもまともな状態にはなってくれない( ノД`)
6.最新のロアー、と言っても大分時間が経っているよう様だが、相変わらずシ
  ョボい状態

1.こちらから二枚は2017年1月26日に撮ったもので、こちらから八枚は
  何れもNO-3個体。こちらはその後の様子。一番小さな苗だったので、この個
  体だけ12月から温室内に取り込んで管理している為か、先の二個体よりは
  未だましの様だ
2.最新の補虫嚢。雰囲気的には両親を足して二で割った感じかな(・・?
3.こちらから二枚は2017年5月1日に撮ったもので、こちらは現在の株姿
4.最新のロアー、やや赤味が射してきた感じ
5.こちらから四枚は2017年11月24日に撮ったもので、こちらはその後
  の株の様子。この草姿はN.philippinensisに良く似ている。少しずつだが成
  長してきている感じ
6.二つ前に着いたロアー
7.一つ前に着いたロアーだ斑が、結構赤味が濃くなった。両親は殆ど赤味の無
  い品種だが、ご先祖様のN.thoreliiの特徴が発現したのだろうか
8.こちらは最新の捕虫嚢

1.こちらから四枚は本日2022年4月7日に撮ったもので、こちらは地際か
  ら発生した腋芽に着いた捕虫嚢。色合いはとっても悪い(^^ゞ
2.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。色合いは大分濃くなってきた

  様だね
3.こちらは地際から発生した腋芽が少し成長した枝に着いた一つ前の捕虫嚢
4.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。蓋が開いたばかりの様で、未

  だリップは完成していない

1.こちらから四枚は本日2022年4月7日に撮ったもので、こちらは地際か
  ら発生した別の輪は芽に着いた捕虫嚢
2.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢
3.左写真の捕虫嚢の次に出来つつある最新の捕虫嚢の赤ちゃん。間もなく完 

  成しそうな雰囲気になってきた
4.地際から発生したばかりの腋芽に着いた超ロアー

 

      ランキング参加中、ポチッと! 応援の程宜しくお願い致します。m(._.)m

                          ↓↓↓

                        にほんブログ村 花・園芸ブログ 食虫植物へ
                        にほんブログ村

                                                      #食虫植物