本日は、[N.hirsuta(typical×squat)×veitchii Bario stripe][♀]×boschiana[♂]の交配‐その4について紹介します。
①交配番号 :NO.86
②交配親 :[N.hirsuta(typical×squat)×veitchii Bario stripe][♀]×boschiana[♂]
③交配日 :2018年12月1日
④採取日 :2019年5月12日
⑤播種日 :2019年5月15日
⑥発芽確認日:2019年10月26日
種子親の[N.hirsuta(typical×squat)×veitchii Bario stripe]は2015年3月にリベラルファームさんから入手したもので、中々大きくなりませんでしたが、2017年初夏辺りから徒長が始まり、2017年9月頃に初めて開花しました。そして昨年も無事に開花しましたので交配することにしました。本種は両親の中間よりもN.veitchii寄りでしょうか。大きめのリップにストライプが入りとても美しいと思います。高温にも比較的強く真夏はやや遮光すれば特に問題ないようです。
一方の花粉親のN.boschianaは1839年に記載された古い品種で、ボルネオ島南カリマンタンのSakumbang山に固有と言われていましたが、北側にあるBesar山でも発見されている様です。標高900~1800m辺りの低山の石灰岩性土壌等に自生するやや高地性種で、尾根や山頂付近の良く陽のあたる場所を好みます。この種は色合いがとてもシックで下腹部が瓢箪の様に膨らむ個体が多い様ですが、我が家の個体は結構スレンダーな感じです。
以上の両親を交配してみました。種子親のやや幅広のリップ及びストライプは綺麗に発現してくれるでしょうか。父親の色合いが混ざってぼやけてしまうでしょうか。全体的に黒っぽく濁りが入る様な気がしますが、無事に成長してくれれば数年後には判るでしょう。
結実は思った程良くはなく、概ね30%程度でした。それでも結実している種実はしっかりとしていましたが、2ケ月以上経過しても一向に発芽する気配がありませんでしたので、ほったらかしななっていました(^^;。更に冬季は温室内で管理したかったのですが場所が無く、無暖房の場所でほったらかしにしていたいかその後の生育がさっぱりです。それでも数個体は良さそうでしたので、昨年4月に取り敢えず10個体をセルトレイに上げました。その後引き続き全く管理できていなかったようです。
何とか生きている5個体を2021年2月にビニールポットに上げました。果たして無事に育ってくれるでしょうか。
現在の所6個体のみ育てていますが、夏の猛暑で一寸ヘタリぎみになってしまっています。これから気温は低下していきますので、少しずつ調子を取り戻して欲しいものです。下段写真左から、
1.種子親の[N.hirsuta(typical×squat)×veitchii Bario stripe]のロアー。
幅広の襟とストライプがとても美しいが、これは一寸滲んだ感じ(^-^;。角張
は殆ど無い様である
2.花粉親のロアー。本種は下腹部が膨らむ個体が多いが、我が家の個体はご覧
の通りスレンダーである(ノД`)
3.蒴果と種子。概ね30%程度の結実であまり良くなかったが、種実は結構ふっ
くらとした感じで種髪は長めである
1.こちらは2019年10月26日に撮ったもので、現在の播種鉢内の様子。一
寸見辛いがポツポツ発芽してきている
1.こちらから3枚は2019年10月26日に撮ったもので、これは既に3枚本
葉が展開している。何時の間に^^;、既に2ケ月程度は経過している様である
2.播種鉢内の上部辺りをアップ。上の芽は本葉が展開し始めた様で、下は発芽し
て双葉が開き切った感じ
3.播種鉢内の中央部辺りをアップ。2芽発芽が確認できる。発芽して未だあまり
時間が経過していないようだ。これ以外にもポツポツと発芽しかけているよ~
(^_-)-☆
1.こちらから二枚は2020年4月18日に撮ったもので、こちらはこの時点で
の播種鉢内の様子。暖房の無い場所で管理していたせいか、非常に出来が悪い。
唯、最近になって発芽してきている種子も若干数ある様だ
2.取り敢えず10個体をルトレイに植付けた。果たしてどれくらい育ってくれる
のだろうか
1.こちらから六枚は2021年2月20日に撮ったもので、こちらはセルトレイ
に植付けた10個体の様子。真中縦二列が本種。1個体は近々★になりそうな
雰囲気
2.何れも極小苗乍らこの個体が一番大きい(^^)/。これをNO-1個体として管理
3.こちらはNO-2個体。めっちゃ小さいが無事に育ってくれるだろうか
4.こちらはNO-3個体。小さい割に着袋はボチボチ良い様だ
5.こちらはNO-4個体。この時期の植替えは良くないが、まっ良いか(^^ゞ
6.こちらはNO-5個体。NO-2~NO-5個体はほぼ横並びの大きさだが、今春以降何と
か大きくなって欲しいものだ
1.こちらから六枚は本日2021年9月27日に撮ったもので、こちらから二枚
はNO-1個体。こちらは現在の株姿。状態は非常に悪い。三枚葉で生き残れるか
2.NO-1個体の最新の捕虫嚢。一寸ボケて見辛いのはご容赦の程m(_ _"m)
3.こちらから二枚はNO-2個体。こちらは現在の株姿。この個体は案外ましな様だ
4.NO-2個体の最新の捕虫嚢。若干赤味がかっている感じ
5.こちらから二枚はNO-3個体。こちらは現在の株姿。この個体も状態は非常に悪
い様だ
6.NO-3個体の最新の捕虫嚢。一寸ボケて見辛いのはご容赦の程m(_ _"m)。若干ス
トライプが見てとれる
1.こちらから六枚は本日2021年9月27日に撮ったもので、こちらから二枚
はNO-4個体。こちらは現在の株姿。この個体は何となく良い感じだ
2.NO-4個体の最新の捕虫嚢。色合いも中々濃いそうな雰囲気。唯、リップのスト
ライプは未だ見られない
3.こちらから二枚はNO-5個体。こちらは現在の株姿。この個体はボチボチの様で
生き残ってくれる可能性は高いかも(^_^;)
4.NO-5個体の最新の捕虫嚢。色合いはボチボチだが、蓋が殆ど形成されていない
奇形。この捕虫嚢だけの様ではあるが…
5.こちらから二枚はひょっこり出てきたものでNO-6個体として管理することにし
た。こちらは現在の株姿。この個体は出来が悪いね~
6.NO-6個体の最新の捕虫嚢。何となくボチボチの感じでリップにはストライプが
少し現れてきている
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