本日は、N.thorelii×Coccineaです。

①人工交配 :N.thorelii×Coccinea(×hookeriana[ampullaria×rafflesiana]×mirabilis)、
         1882年J.Taplin氏作出
②入手時期 :2011年6月
③入手元     :うつぼかずらの郷殿
④成長度合  :普通
⑤栽培難度  :簡単
⑥挿し木      :我が家での挿し木実績無し
⑦嚢の大きさ:我が家ではMax10cm程
⑧雌雄        :♂、11月頃開花

本種は、種子親のN.thoreliiと花粉親のN.Coccineaの良い所がとても良く発現している様に思います。どちらかと云えばN.Coccinea寄りでしょうか。嚢の形、色合いがそっくりです。その名の示す通り(Coccinea[鮮紅色の、深紅色の])、十分陽に当てると嚢及び葉は全体が鮮やかな紅色から暗黒色となります。特に嚢の襟元は、時間が経過すると黒色に近くなります。
嚢の形状はN.Coccineaに、色彩はN.CoccineaとN.thoreliiの血を引いているのでしょう。大きさはN.thorelii譲りのやや小柄な感じで、一回り小さなN.Coccineaタイプといったところでしょうか。嚢の質感はやや柔らかめであまり長持ちしそうにありませんが、実際には結構長持ちし、ずっと目を楽しませてくれます。小さな苗の状態から鈴なりに着袋し、非常に見ごたえのある品種で育てやすいと思います。と言っても暫くの間状態が良くない状況が続いていましたが、2018年の初夏辺りに地際から発生した腋芽が少しずつ成長し着袋してくれるようになりましたε-(´∀`*)ホッ。やっと少し元気さを取り戻してくれたのでしょうか。
現在の主茎が少し徒長し次の腋芽も大分大きくなってきましたので、2020年6月に主茎をカットし挿し木用に挿し穂を採りました。頂芽枝×1、節間枝×2の3本ですが、挿し穂自体あまり状態は良くなかったせいもあり、成功したのは2本だけでした。何れも活着しましたので、1個体は里子に、後1個体は我が家の予備として育てています。下段写真左から、
 

1.入手して3ケ月程度経過した2011年9月14日に撮ったもの。非常に濃い赤め

  の色合い
2.2011年10月21日に撮った未だロアー辺り、色合もさることながらとても艶が

  あって良い感じだと思う
3.こちらは2011年11月15日に撮った未開の嚢
4.2012年6月27日に撮ったもので、やや細長くなってきたミドル辺りの嚢。時間

  が経過するとリップの色が増し、黒くなってくる

1.2012年7月5日のもの、何となく嚢の表面がテッカメンの様な感じがしてならな

  い
2.こちらは2012年11月11日、腋芽が発生し、ロゼット葉の最初の頃に出来たロ

  アー。斑模様がとても美しい
3.2012年11月22日に撮ったもので、左は開いて間もない頃の嚢、やはり若い

  って感じがする。右は既に1ケ月以上経過し、襟の部分が黒ずんできた
4.2012年12月8日に撮った2の嚢。色合いが濃くなってきた

1.2013年7月7日、とても色合いが濃い嚢
2.2013年9月7日、襟に濃いめのストライプが良く目立つ嚢
3.2013年11月9日、始めて開花した雄花
4.2013年12月8日、いよいよアッパーが付き始めた。この嚢は開いて間もないも

  の。種子親に似てアッパーは細長くなる
5.2013年12月12日、出来て少し時間が経過したもので、やや色合いが濃くなっ

  たが、これ位で打ち止め
6.2014年9月29日に撮ったもの。右の嚢は出来て間もないもの、左は1ヶ月程度

  経過したもので、リップは花粉親に似て色黒になってくる
7.これも同9月29日に撮ったもので、最新の成長中の嚢。この頃はさほど色合いは

  無い
8.こちらは2015年7月1日に撮ったもの。温室の奥に追いやられているため中々

  写真を撮る機会がなく、9ヶ月ぶりに撮った。^_^;

1.こちらから三枚は2015年9月14日に撮ったもので、こちらは見るも無残な株姿。
  この8月下旬に一寸遠出の予定があり、しっかりと水やりして出かけた筈だった

  が・・・・。戻ってくるとカラカラ状態だった。( ノД`)シクシク…。完全にドライアウトの状

  態で復活は望めそうになかった。唯、水やりだけは実施していたところ、頂芽付

  近の節からと、地際から腋芽が出てきた。頂芽付近の腋芽はこの後枯れたが、

  地際の腋芽は何とか1芽生き残ってくれた。ε-(´∀`*)ホッ
2.こちらは頂芽付近の節から発生した腋芽だが、この後まもなく潰えた
3.こちらは地際から発生してきた腋芽。右の腋芽は潰えたが左の腋芽は辛うじ生き

  永らえてくれた
4.こちらから四枚は2016年5月12日に撮ったもので、こちらは地際から発生して

  きた大きい方の腋芽。1年以上経過して何とか此処までこぎつけた
5.こちらは一つ前の葉身に着いた捕虫嚢だが、最新の葉身に出来た補虫嚢より遅

  れて完成した。こういうことは良くある事象で、得てして嚢は小さい
6.こちらは最新の捕虫嚢。この黒々とした光沢のある嚢はN.Coccineaに良く似てい

  る
7.こちらは次の嚢が生長中。何とか復活してくれた様で一寸安堵しているが、これ

  からの気温上昇と共に爆発して欲しいものだ

1.こちらから六枚は2016年11月9日に撮ったもので、こちらは株姿。何とか此処

  まで大きくなったが状態は良くない。雨天で全体的に写りが悪いのはご容赦の

  程m(_ _"m)
2.こちらは生長途中の捕虫嚢
3.こちらは最新の捕虫嚢。リップのどす黒い色合いはN.Coccineaにそっくり
4.こちには一つ前にできた捕虫嚢。本種は翼の形状が特徴的
5.右手前は二つ前に出来た捕虫嚢で、左奥は四つ前の捕虫嚢。嚢自体は柔らか

  めだが、結構長持ちするよ~!(^^)!
6.こちらは三つ前に出来た捕虫嚢

1.こちらから四枚は2017年8月2日に撮ったもので、こちらはこの時点での株姿

  だが、ショボい状態が続いている。唯、ボチボチ着袋してくれてはいる
2.左は現在成長途中の捕虫嚢の赤ちゃんで、右は二つ前に出来た捕虫嚢
3.左は最新の捕虫嚢で、右は三つ前の捕虫嚢。何れもリップの色合いはほぼ黒に

  近い色合い。これは花粉親のN.Coccineaにそっくりである
4.こちらは一つ前に出来た捕虫嚢だが、一寸色合いは薄い様である

1.こちらから七枚は何れも2018年6月25日に撮ったもので、こちらはこの時点で

  の株姿。絶不調状態が暫く続いたが、やっと少しずつ大きくなってきた様だ。既に

  地際から腋芽も発生している。このアングルでは殆ど着袋していない様に見える

  が、ある程度着いている
2.地際から発生した腋芽の様子。ボチボチの様で既に着袋も始まっているよ~
3.こちらは現在の主茎についた一つ前のロアー辺りの捕虫嚢。相変わらずリップは

  ドス黒い感じ(^^♪
4.こちらも主茎に着いたもので最新の捕虫嚢。出来たてはこの様にリップのストライ

  プが良く判る
5.同じく主茎に出来つつある捕虫嚢の赤ちゃん。あれっ!何かロアーに戻った様な

  雰囲気
6.腋芽に着いた最初の超ロアーだが、今着いている捕虫嚢では一番大きいぞ~
7.こちらは腋芽に出来つつある捕虫嚢の赤ちゃん

1.こちらから三枚は20018年10月2日に撮ったもので、こちらは最新の捕虫嚢。や
  やスレンダーで色合いも一寸掠れた感じ
2.一つ前に着いた捕虫嚢。一寸ボケ気味で判り辛いが、以前のようなテカテカな光

  沢は出てこなくなった。光線量が弱いせいだろう
3.二つ前に着いた捕虫嚢。リップはほぼ黒って感じだね~(*^^)v
4.2018年10月24日、ん~ん、結構良い感じの捕虫嚢になってくれたような感じだ
  ね~§^。^§
5.こちらから四枚は2018年12月16日に撮ったもので、こちらはこの時点での株

  姿。主茎がこの10月に力尽きてしまったが、何とか腋芽が成長してくれている様

  で一寸ε-(´∀`*)ホッ
6.こちらは最新の捕虫嚢、と云ってもこの後に展開した葉身二枚には嚢が着かなか

  ったよ~(´;ω;`)ウッ…。一つ後の葉身は蔓を引っ掛けてぶち切り二つ後の葉身の

  蔓は勝手にサボった様だ
7.一つ前の捕虫嚢。まあまあこんなものだろうか^^;
8.現在成長途中の捕虫嚢の赤ちゃん

1.2019年1月15日、何と(◎_◎;)襟の右上部分が欠損しているよ~
2.こちらから二枚は2019年3月4日に撮ったもので、こちらは結構darkな色合いに

  なってきた
3.右の捕虫嚢は左端写真の捕虫嚢の反対側から撮ったもの、左の捕虫嚢は多分

  左写真のその後だろうか
4.2019年5月15日、一寸色合いが悪くなった様な…
5.2019年6月3日、左写真の捕虫嚢のその後だろうか
6.2019年6月25日、最新の成長途中の捕虫嚢の赤ちゃん。何かプリプリっとして

  いるね(^_-)-☆。間もなく蓋が開きそうな感じ
7.こちらは2019年6月30日に撮ったもので、左写真の捕虫嚢が完成した様子。

  今は未だリップは赤いが、これから徐々にdarkになって来る筈

1.2019年8月4日、出来て間もない補虫嚢。色合いはやや赤っぽいが何れ黒み

  がかってくる
2.2019年10月2日、こちらは出来て大分時間が経過した捕虫嚢、リップの色合

  いがどす黒くなってきた
3.2019年11月2日、生長途中の捕虫嚢の赤ちゃん。もう少ししたら完成しそう
4.こちらから二枚は2019年12月5日に撮ったもので、こちらは左写真の捕虫嚢

  が完成した様子。リップがほぼ真っ黒(^O^)
5.蓋が開き始めたばかりのミドル寄りの捕虫嚢

1.こちらから四枚は本日2020年6月28日に撮ったもので、こちらは現在の株姿。

  ほったらかしで酷い状態になっている^^;
2.枯れ葉や枯れた補虫袋などをカットした状態
3.こちらは地際から発生した腋芽の様子。大分大きくなってきた様だ
4.地際からの腋芽が大分大きくなったので、現主茎をカットして頂芽枝×1、節間

  枝×2の3本挿し穂を採って水揚げしているところ。少ししたら鹿沼土に挿そうと

  思う

1.こちらから四枚は2020年6月28日に撮ったもので、こちらは二つ前に着いた

  ロアー。リップが大分黒くなってきたよ~(^-^)
2.一つ前に着いたロアー。一寸小さめでリップは未だ赤味がかっている
3.最新のロアーで、色合いは薄く、その分リップのストライプは目立つ。唯、時間の

  経過とともにリップは赤から黒へ変色していく
4.次に成長途中の捕虫嚢の赤ちゃん。もう少ししたら完成しそう

1.こちらから六枚は2020年12月14日に撮ったもので、こちらから二枚は親株に

  着いたもの。こちらは一つ前に着いた捕虫嚢。時間が経過しリップはほぼ真っ黒

  と云って良い程染まっている
2.こちらは最新の捕虫嚢。左写真の捕虫嚢と比べ、ややスレンダーな感じ。リップ

  の色合いはこれからもう少し黒ずむだろう
3.こちらから四枚は2020年6月28日に挿し木をした頂芽挿しの個体。他の個体

  は里子に出たよ(@^^)/~~~。何とか活着して捕虫嚢が着き始めているε-(´∀`*)ホッ
4.一つ前に着いた捕虫嚢。親株に着いた捕虫嚢と比べリップの色合いは未だ薄

  い様だ
5.最新の捕虫嚢。こちらは更にリップは薄目
6.次に成長してきている捕虫嚢の赤ちゃん。温室外の栽培なので、このシーズン

  ではこれが最後の捕虫嚢となりそう。もう少ししたら温室に入れるかな(^-^)

1.こちらから三枚は2021年4月23日に撮ったもので、何れも2020年6月に挿し
  木をした個体。こちらはこの時点でのビニールポット植えの個体の様子
2.植替えの為根鉢を外したところ。思った程の根量ではない様だ
3.4号プラ鉢にミズゴケで植付けた様子。これで少しは生長してくれるだろうか
4.こちらから三枚は本日2021年7月16日に撮ったもので、こちらは植替えした

  左写真のその後の様子。しっかりと活着した様で既に徒長が始まっている様だ

  ね~(^_^)
5.最新の捕虫嚢。結構darkなリップ(^^;)
6.次に生長してきている捕虫嚢の赤ちゃん

1.こちらから五枚は本日2021年7月16日に撮ったもので、何れも親株。こちらは

  親株の現在の株姿。こちらも徒長が始まっている
2.地際から待望の腋芽が発生して着袋が始まっている。それにしても用土が随分

  駄目になっているね(^^ゞ。早めに植替えしたいところだが…
3.地際から発生した腋芽に着いた最新の捕虫嚢。この時期は色合いが薄い様だ
4.現主茎に着いた一つ前の捕虫嚢
5.こちらは現主茎に着いた最新の捕虫嚢。何れも花粉親であるN.Coccineaに非常

  に良く似ている

 

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