本日は、N.gracilis spot×gracilis greenの交配‐その4について紹介します。

①交配番号  :NO.81
②交配親    :N.gracilis spot[♀]×gracilis green[♂]
③交配日    :2018年8月27日
④採取日    :2018年11月2日
⑤播種日    :2018年11月3日
⑥発芽確認日:2019年5月16日

種子親のN.gracilis spotは、2016年の7月に近くのホームセンターで見つけたもので、既に嚢は枯れかかり、次の嚢も生長途中で駄目になっており、葉縁も少し枯れかかっていました。余りにも可哀そうだったので連れて帰ったものです。大彰園さんのもので、果たしてどんな嚢を付けてくれるのか楽しみにしておりましたが、養生した甲斐があってか、その後は順調に着袋し始めました。嚢表面には赤いスポットが散在、内壁には更に多くのスポットがあるようで、地際から発生した腋芽に着いたロアーは更に斑模様が多い中々良い感じの個体になります。それにアッパーは簡単に15cm程度にはなってくれます。一応我が家では個体識別の為spotと命名して管理しています。
一方花粉親のN.gracilis greenは、2013年の3月にピイちゃんさんから挿し穂(頂芽と節間枝)をいただき、早速ミズゴケで挿し木をしたものが成長した個体です。グリーンがとても鮮やかな色合いで、捕虫嚢の大きさはN.gracilis spotよりやや小さく12cm程度です。地際からの腋芽も発生しやすく、又、枝の途中からも良く腋芽が発生してきます。それにとても良く開花します。
以上の両親が運よく同時開花しましたので、我が家のN.gracilisで初めてsib-crossしたものです。種子の量は僅かでしたが、種実はしっかりとしており良い感じに結実している様でしたので、採取した翌日に播種しました。唯、それからが中々発芽してこないのです。半年程度経過しても発芽してこなかったので、処分しようかなと思いましたが、種実を確認する限りコンタミ等全く発生していないようで健康的な感じでしたので、もう暫く待つことにしました。
その後1週間程度して何と\(◎o◎)/!発芽してきたではありませんか。と云っても1芽だけの状態が暫く続きました。そして2019年6月頃になってボツボツ発芽が始まってきました。待っててε-(´∀`*)ホッという感じでしょうか(^_-)-☆。N.gracilisの発芽には長時間要するのでしょうか、それとも発芽に結構高温が必要なのでしょうか。多分後者の方でしょうかね。我が家の冬季夜間最低温度は15℃程度ですので(^^;。
扨て、セルトレイに植付けた個体は芳しくありませんでした。温室内に置けずに部屋で管理していましたので、夜温が低かったせいでしょう。今春になって漸く成長の兆しが見えてきましたので、ビニールポットに上げました。そして少しだけ成長しましたが、気温の低下と共に調子も落としてきている様です。早く温室に入れるのが待ちどうしい限りです。
現時点では1個体はしっかりとスポットが入っており、他の1個体は赤味がやや強い様です。他の個体は総じてグリーンの捕虫嚢の様で大差無さそうな感じです。これから大きくなってくれれば少しは化けるかもしれませんが…。今後が楽しみです(^_-)-☆。写真下段左から、
 
1.種子親のN.gracilis spot。ロアーは更に斑模様が良く発現する。アッパーは嚢表面

  の斑模様は無くなるが内壁及び裏蓋には沢山の斑模様が入る。本種はN.gracilisに

  あって、比較的大きな捕虫嚢を着けてくれる。我が家は環境が悪いので15cm程

  度だが、環境が良ければ更に期待できそう
2.N.gracilis spotの雌花。草姿は華奢だが、花穂は結構ガッツリ感がある
3.花粉親のN.gracilis green。捕虫嚢は若干小さめで、12cm程度だが、良く着袋し開

  花も多い。色合いはとても美しいグリーン一色だが、今回地際から発生した腋芽に
  着いたロアーは結構茶色だった
4.N.gracilis greenの雄花。こちらも草姿に似合わず、結構ボリューミーだね
5.蒴果と種子。種実はとてもふっくらとして結実は良かったが、1鞘に入っている種子
  がとても少なく僅かな量しか採れなかった

1.こちらから四枚は2019年6月9日に撮ったもので、こちらはこの時点での播種鉢
  内の様子。一寸判り辛いかもしれないがポツポツ発芽してきている
2.播種鉢内真中上部をアップ。3芽発芽しており後1芽も発芽が始まった様だ
3.播種鉢内真中やや左寄りをアップ。2芽の発芽が確認できる
4.播種鉢内左端部分をアップ。個々には3芽発芽が確認できる

1.2019年8月16日、15個体をセルトレイに植付けした様子
2.こちらから三枚は2019年12月13日に撮ったもので、こちらは左写真の個体の
  この時点での様子。温室に置き場が無くて部屋で管理しているが。低温のせいか

  出来は悪い
3.一番大きな個体はこんな感じ。未だ海の物とも山の物とも(^^;。来春ビニールポット
  に鉢増しすれば少しは大きくなってくれるかな
4.播種鉢内に未だ少し苗が残っていた。状態は悪くなってきているので、早めに植

  替えしたいところだ

1.こちらから三枚は2020年6月15日に撮ったもので、こちらはビニールポットに
  上げた9個体の現在の様子。他にも後数個体ビニールポット上げしている。気温の

  上昇と共に徐々にではあるが大きくなってきているε-(´∀`*)ホッ
2.左の捕虫嚢はできて間もないものでグリーン一色。一寸ボケ気味はご容赦の程。

  右奥の捕虫嚢はボチボチくたびれてきている感じだが、時間が経過しても色合いの

  変化は無い
3.手前の補虫嚢は未だ蓋は開いていないが完成間近かといったところか。この個体

  は翼のエッヂ部が若干赤く色付く様である

1.こちらから五枚は2020年6月15日に撮ったもので、全体の中で唯一赤味を帯び
  る個体。その株姿で、葉身も若干赤味がかってくる様である
2.こちらは最新の捕虫嚢。出来立ては他の個体と全く変わらずグリーン一色である
3.一つ前に着いた捕虫嚢。若干赤味が射してきた
4.二つ前に着いた捕虫嚢。赤味がやや濃くなってきた感じ
5.奥側に見えるのが三つ前に着いた捕虫嚢。結構赤い(*^^)v。そして手前左側が四

  つ前に着いた捕虫嚢と右が五つ前に着いた捕虫嚢。結構赤くなったね(*^^*)。それ

  にこの頃だけだとは思うが、蓋の表面にはトゲトゲが結構目立つよ)^o^(

1.こちらから五枚は本日2020年12月11日に撮ったもので、こちらは唯一しっか
  りとスポットが現れる個体。今後NO-1個体として管理しよう。徐々にではあるが成

  長してきた様で徒長の兆しが…
2.左写真NO-1個体の株元から小さいながら捕虫嚢だけが顔を覗かせている
3.二つ前に着いた捕虫嚢。種子親より若干spotが目立つような感じかな
4.一つ前に着いた捕虫嚢。しっかりとスポットは発現し固定している様である
5.最新の捕虫嚢。加温されていない部屋で管理しているのでこれが限度かな。早く

  温室に入りたいよ~

1.こちらから五枚は本日2020年12月11日に撮ったもので、こちらは赤味のある
  個体。今後NO-2個体として管理しよう。他にも少し個体は残っているが、一応こ

  の二個体を選抜して育てていこうと思う。残った個体は一寸大きめの鉢に寄せ植

  え行燈作りにしてみようかな(^o^)
2.生長途中の捕虫嚢の赤ちゃん
3.最新の捕虫嚢。めっちゃショボくなり色合いも無くなってしまった雰囲気だね~
4.一つ前の捕虫嚢。僅かに色合いは残っている様である
5.二つ前の捕虫嚢。なんとも言えない色合いである。徐々に赤味は薄れ掠れたよう

  な曖昧な感じになってきつつある

 

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