本日は、N.thorelii rubra×Noboriryuの交配‐その10について紹介します。

①交配番号  :NO.31
②交配親    :N.thorelii rubra[♀]×Noboriryu[♂]
③交配日    :2013年10月21日
④採取日    :2014年3月6日
⑤播種日    :2014年3月10日
⑥発芽確認日:2014年4月14日

種子親のN.thorelii rubraは、八丈島の日の出花壇殿由来の品種で、植物体が全体的に赤くなるタイプです。特にロアーはとても美しくポチャポチャっとしています。それに比べアッパーはとても細長くなりやや色落ちしますが、襟のストライプがとても目立ち、裏蓋が真っ赤に色付く魅力的な種です。
一方花粉親のN.Noboriryuは、N.Balmy Koto(thorelii×maxima)とkhasianaの3種混合交配です。低地性種と高地性種の組み合わせで、低温、高温、乾燥に良く耐える強健種で、非常に作り易い品種ですが、一寸成長が早すぎて困りものです。
この両親を交配してみました。花粉親もN.thoreliiの血が入っていますので、相性が良いのかもしれません。何れにしてもN.thoreliiの遺伝が強く反映されそうな感じがしていたのですが、あにはからんやN.Noboriryuに似てきました。低温、高温に強く、良く着袋してくれる品種になってくれた様です。それに両親以上に腋芽の発生が良いようです!(^^)!。
雌花が少なかったので種子は少量しか採取できませんでした。見た目の結実は良かったのですが殆どがしいなだったようで、発芽は8芽足らずでした。それにセルトレイのままで暫らくほっておいたせいか、生長もままならずビニールポットに上げる事が出来たのは3個体のみでした。唯、その後プラ鉢に鉢増しして以降の生長は良い様で、腋芽の発生と相まって低温でも良く着袋してくれる品種になってくれている様に思います。
我が家ではこのN.Noboriryuを親にした品種が5種ありますが、4種はN.Noboriryuに良く似ているようです。きっとN.Noboriryuが顕性遺伝なのでしょうかね(⌒∇⌒)。
本種は3個体ありますが、何れも同じ雰囲気で個体差が殆ど認められないようです。何れの個体も随分徒長していますので、今春は少し挿し木をしましたが、挿し木も簡単なようです。頂芽枝×2、節間枝×2の計4本挿しましたが、何れも発根してくれましたので、本日鉢上げしました。無事に活着してくれることを祈りましょう。下段写真左から、

1.種子親のN.thorelii rubraで、赤みの強い日の出花壇由来の品種。成長も早く、挿し木
  も容易な強健種
2.花粉親のN.Noboriryuで、カーシアナの血が入っているためか、結構大きな嚢を付ける。
  30cmを越すペンシル型の嚢は中々良い感じだが、成長が兎に角早く、2m/年近く
  になる
3.蒴果と種子。比較的充実した種子が多かった
4.発芽確認から1ヶ月程度経過した2014年5月13日に撮った実生鉢内の様子。7芽
  発芽し、後一芽発芽しようとしているところ。結果的に8芽しか出てこなかった

1.2014年5月24日、セルトレイへ植え付けしたところ。左端列上から3~5芽及び、
  左から2列目の5芽、計8芽が本種のもの。結果的に左から2列目の3~5芽の、計3
  芽のみ生き残った
2.此方から3枚は2015年4月3日に撮ったもので、3芽生き残った内の1芽
3.こちらは2芽目の個体
4.こちらは3芽目の個体、何れも生長はめっちゃ悪い。ほっておいたらこんなもの。やは
  りこまめに管理してやらないとそれに応えてくれないという事だ( ̄▽ ̄;)!!ガーン

1.こちらはビニールポットに上げて3ヶ月弱経過した2015年6月27日に撮ったもの。
  植替え後大きめの葉身がボチボチ展開し始めてきた。こちらの個体をNO-1として管理

  する
2.2015年9月6日、一寸強めの陽に当ててしまったせいで、葉の一部が枯れこんだ。
  (´;ω;`)ウゥゥ
3.2015年9月10日、取り敢えずこの個体を4号ブラ鉢に植替えることとした
4.同9月10日、植替えした様子
5.2015年9月26日、小さいが新葉が一枚展開してきた。何とか活着してくれれば良
  いのだが・・・・
6.こちらは2015年11月6日に撮ったもので、やや大きめの新しい葉が2枚程展開し
  着袋してきたので、一寸安心かな。N.Noboriryu系の交配を5種程育種しているが、何
  れもN.Noboriryuが優性遺伝(顕性遺伝)か、良く似ている様で、今後の生長が楽しみ
  である。高温低温、乾燥に強い「リビングネペン」になってくれることを期待したい

1.2016年3月13日、こちらは最初に鉢増ししたNO-1個体で、少しずつだが良い感じ
  になってきた
2.2016年6月25日に撮ったもので、こちらはNO-1個体のその後。大きめの葉身がボ
  チボチ出てきた。左の葉は誤って破ってしまったよ~(ノД`)・゜
3.こちらから二枚は2016年12月8日に撮ったもので、こちらは株の全体一番生長の
  早い株で、漸く徒長が始まった
4.こちらは株元の様子。やっと腋芽が発生し生長し始めた。次の腋芽も顔を覗かせてい

  る。それにしてもごっつい根(#^.^#)
5.こちらから二枚は2016年6月25日に撮ったもので、こちらは一つ前に出来た捕虫
  嚢。やはり雰囲気はN.Noboriryuだろうか
6.こちらは最新の捕虫嚢。未だこれといった特徴は出ていないが、今シーズンにはある

  程度大きくなって特徴が出てくるものと思う
7.2016年9月13日、まだまだだが少しだけ大きくなってきた。これ位になると
  N.Noboriryuの縦縞模様がはっきりと表れてきている
8.こちらは2016年12月8日に撮ったもので、一寸古ぼけているが最新の嚢。と言う
  のも11月中旬まで戸外栽培しており夜間のみ家に取り入れていた為これ以降着袋し

  なかった。11月下旬に温室内へ取り込んでからボチボチ嚢が膨らみ始めたところ

1.こちらから八枚は何れもNO-1個体。2017年1月3日、何番目かの腋芽に出来たロア
  ー
2.2017年1月28日、こちらは主茎に出来た補虫嚢で、ロアーからミドルに移行して
  いる辺りだろうか(・・?
3.2017年3月19日、出来つつあるミドル
4.2017年3月28日、こちらは左写真のその後で完成形。やや赤味があり一寸バナナ
  みたいに湾曲気味(*^^*)
5.2017年6月10日、こちらは最初の腋芽に出来たロアーで、おおよそ20cm程度
6.こちらから三枚は今朝2017年7月5日に撮ったもので、左の嚢は出来て1ヶ月程度
  経過、右の嚢は出来たてのもの
7.こちらは何番目から腋芽に出来たロアー
8.既に主茎は徒長している。本種はN.Mixta×NoboriryuやN.maxima×Noboriryu程茎は

  太くならない様で、種子親のN.thorelii rubraに似ている

1.こちらから二枚は植替え当日の2016年3月23日に撮ったもので、こちらは植替え
  前の状態。NO-2個体として管理
2.4号ブラ鉢に鉢増ししたNO-2個体の様子
3.2016年6月25日に撮ったもので、NO-2個体のその後。このNO-2個体も徐々に大き
  めの葉身が展開してきた
4.こちらから二枚は2016年12月8日に撮ったもので、こちらは株の全体で、二番目
  に植替えしたNO-2個体、こちらは徒長は未だだが、腋芽がひしめき合っている
5.株元の様子。NO-1個体よりも凄いことになっている\(◎o◎)/! 。手前に3芽、裏に
  1芽の計4芽発生してきているぞ~
6.2016年6月25日に撮ったもので、こちらは最新の捕虫嚢。NO-1個体と大差は無い
7.こちらから二枚は2016年12月8日に撮ったもので、こちらは主茎に出来たロアー
  で結構濃い色合いになってきた
8.腋芽からウジャウジャとオチビちゃんが出来てきたぞ~(ΦωΦ)フフフ…

1.こちらから六枚は何れもNO-2個体。こちらは2017年3月19日に撮ったもので、主
  茎に出来た捕虫嚢
2.2017年4月14日、こちらも主茎に出来たものだが何となく淡白な感じ
3.2017年5月26日、主茎に出来たばかりのロアー
4.2017年6月3日、何れも主茎に出来た袋達
5.こちらから二枚は2017年7月5日に撮ったもので、こちらは主茎に出来たロアーか
  らミドルへ移行する辺りの捕虫嚢だろうか
6.時間が無くこちらは移動させることができなかったので、吊るした状態で撮ったもの。
  主茎+腋芽4芽がひしめき合っておりグチャグチャ状態\(^o^)/

1.こちらから二枚は植替え当日の2016年6月7日に撮ったもので、こちらは植替え前
  の状態。NO-3個体として管理
2.4号ブラ鉢に鉢増ししたNO-3個体の様子
3.2016年6月25日に撮ったもので、NO-3個体のその後。このNO-3個体も遅ればせな
  がら徐々に大きめの葉身が展開してきた
4.こちらは2016年12月8日に撮ったもので、徐々に大きめの葉身が展開してきた。
  この個体は未だ小さめなので腋芽の発生は無い
5.こちらから二枚は2016年6月25日に撮ったもので、こちらは一つ前に出来た捕虫
  嚢
6.こちらは最新の捕虫嚢。こちらの個体も今のところNO-1、NO-2個体と大差は無い
7.2016年8月15日、やっと本種の特徴が表れてきたようだ
8.こちらは2016年12月8日に撮ったもので、最新の捕虫嚢と言っても一寸古めだが、
  中々濃い色合いになってきたね!(^^)!

1.こちらから八枚は何れもNO-3個体。こちらは2017年3月8日に撮ったロアー。出来
  立てで艶々しているね~。3個体の内でどちらかと言えば一番スレンダー気味かも。唯、
  3個体共殆ど個体差は無い
2.2017年3月31日に撮ったロアー
3.2017年4月30日、気温の上昇と共に嚢の成長が早くなってきた
4.2017年5月25日、鈴なりとまではいかないが、少しずつ嚢も増えてきたかな
5.こちらから四枚は2017年7月5日に撮ったもので、二芽ある内の片方に出来た最新
  のロアー
6.こちらは主茎が短い時点で既に腋芽が発生した枝に出来た一つ前のロアー
7.こちらも腋芽に出来た最新のロアー。結構赤味が濃いよ~(*^^*)
8.こちらは現在の株姿。主茎は右側だが、主茎が小さい内から腋芽が発生して成長して

  きた左側の枝。主茎と遜色ない程になってきている

1.こちらから二枚は2017年9月3日に撮ったもので、こちらはNO-2個体に着いたミド
  ル寄りの捕虫嚢
2.こちらは左写真の捕虫嚢口部をアップしたもの。大した特徴は無い様で、二種を足して
  割った感じだね~(^^;
3.こちらから二枚は2017年11月11日に撮ったもので、こちらはNO-3個体に着いた
  ロアーで掌に取ってみた。未だ大して大きくはないが、色合いはまあまあ良い感じ
4.こちらはNO-2個体の別々の腋芽に着いた捕虫嚢だが、色合いがめっちゃ悪い
5.こちらから四枚は今朝2018年1月27日に撮ったもので、こちらはNO-3個体に着い
  た生長途中のロアー
6.こちらはNO-2個体の腋芽に着いたもので、本種の典型的なロアーってところだろうか
7.NO-1個体の腋芽に着いたもので、ロアーからミドル寄りだろうか、色合いはショボい
8.こちらもNO-1個体の別の腋芽に着いた捕虫嚢

1.2018年5月29日、NO-3個体に着いたロアーからややミドル寄りの捕虫嚢
2.2018年6月7日、NO-1個体の徒長枝に着いたミドル
3.2018年6月22日、NO-3個体に出来つつあるミドル寄りの捕虫嚢の赤ちゃん。結構
  むっちりとした感じが良いね~(^^♪
4.2018年7月17日、こちらはNO-2個体に着いた二つのミドル
5.2018年10月2日、NO-3個体に着いたミドル辺りの捕虫嚢
6.こちらから二枚は2018年10月19日に撮ったもので、こちらはNO-3個体に着いた
  ものでロアー寄りだろうか、色合いが赤っぽい感じ
7.こちらもNO-3個体に着いたロアー寄りの捕虫嚢。こちらは左写真の捕虫嚢よりも更に

  色合いが赤っぽい
8.2019年2月4日、NO-3個体に出来つつある捕虫嚢の赤ちゃん。結構スレンダーな感
  じ

1.2019年2月5日、NO-1個体の徒長枝に着いたアッパー。随分色落ちした感じだね~
2.2019年2月28日、NO-3個体に着いたミドル寄りの捕虫嚢で、斑模様が良く目立っ
  ている
3.こちらから六枚は2019年4月30日に撮ったもので、こちらはNO-3個体に着いたミ
  ドル
4.NO-3個体に着いたロアーからミドル寄りの捕虫嚢
5.NO-2個体に出来つつあるミドルの赤ちゃん
6.NO-2個体に着いたロアー寄りの捕虫嚢。斑模様はくっきりと入るが、色合いは薄いか

  な
7.NO-2個体の別の腋芽に着いたロアー枷ややミドル寄りの捕虫嚢
8.NO-1個体の徒長枝に着いたアッパー。NO-1個体は色合いが薄目でNO-3個体は濃

  いめ、NO-2個体はその中間って感じだろうか

1.こちらから四枚はNO-1個体。こちらから二枚は2019年6月7日に撮ったもので、こ
  ちらは徒長した枝に着いた一つ前のアッパー寄りの捕虫嚢
2.左写真の捕虫嚢の着いた枝の最新のアッパー。大分色合いが抜けてきた様だ
3.こちらは別の枝に着いた一つ前のアッパー寄りの捕虫嚢
4.左写真の捕虫嚢の着いた枝の最新のアッパー。これは未だ多少の色合は残っている

  様だ
5.こちらはNO-3個体。少し徒長した枝に着いたミドル寄りの捕虫嚢。NO-1とNO-2は良く

  似ているが、このNO-3は一寸だけ雰囲気が異なる様だ

1.こちらから二枚はNO-3個体で、2019年12月14日に撮ったもの。こちらは開いた
  ばかりのミドル寄りの捕虫嚢。色合い派大分薄い
2.別の枝に着いたミドル寄りの捕虫嚢。これは結構色合いが残っているね~(^^♪
3.こちらから三枚は2019年12月25日に撮ったもので。何れもNO-2個体。こちらは生

  長途中の捕虫嚢の赤ちゃん。既にアッパー気味の様である
4.こちらは徒長枝に着いた最新のミドルからアッパー寄りの捕虫嚢
5.地際から発生した腋芽に着いたロアー。左に少し写っている馬鹿でかい捕虫嚢は

  N.Mixta×Noboriryuのアッパー

1.2020年2月4日、地際から発生した腋芽に着いた捕虫嚢。この頃は僅か乍ら種子親
  のN.thorelii rubraに似ているかな(・・?
2.2020年4月8日、生長途中の捕虫嚢の赤ちゃん。やや色合いは濃い様だ
3.こちらから三枚は2020年4月16日に撮ったもので、こちらは今まさに蓋が開かん
  とする様子
4.別の腋芽に着いたロアーの終わりころの捕虫嚢だろうか
5.こちらは地際から発生したばかりの腋芽に着いたロアー

1.こちらから四枚は本日2020年7月9日に撮ったもので、こちらは徒長枝に着いた捕
  虫嚢で、随分スレンダーな雰囲気になってきた
2.これは一寸色白な感じ(^-^)
3.別の腋芽が少し成長してきた枝に着いた捕虫嚢
4.更に別の腋芽に着いた捕虫嚢。左右奥側に見える捕虫嚢も本種のもの

1.こちらから三枚は本日2020年7月9日に撮ったもので、こちらは今年の4月21日に
  瓶挿ししていたもので、頂芽枝×2、節間枝×2の計4本共無事に発根した
2.根部をアップしたところ。良い感じで発根しているようなので、鉢上げすることにした
3.2.5号ビニールポットにミズゴケで鉢上げした。無事に活着して欲しいね

 

      ランキング参加中、ポチッと! 応援の程宜しくお願い致します。m(._.)m

                          ↓↓↓

                        にほんブログ村 花・園芸ブログ 食虫植物へ
                        にほんブログ村

                                                      #食虫植物