本日は、N.smilesii×Noboriryuの交配‐その10について紹介します。
 
①交配番号  :NO.48
②交配親    :N.smilesii[♀]×Noboriryu(Balmy Koto[thorelii×maxima]×khasiana)[♂]
③交配日    :2014年6月15日
④採取日    :2014年8月27日
⑤播種日    :2014年10月9日
⑥発芽確認日:2014年11月24日
 
種子親のN.smilesiiは、東南アジアの大陸部(タイ東北部、ラオス南部、カンボジア 、ベトナム西部等)の開けた砂質の草原やサバンナなどに自生し、乾季に耐える事が出来る種で、塊根性で牛蒡根が生えています。従って、乾燥が過ぎると地上部を全て枯らし、根部だけで暫く耐え抜く事が出来る品種です。或る程度ロゼット葉が展開した後、トバイカの様に急激に徒長しますが、2m程度伸長すると力尽き、自然に地際の腋芽に更新されていきます。唯、状態が良いと腋芽が複数発生しブッシュ状になり、沢山の補虫嚢が付き見応えがアップする様です。
一方花粉親のN.Noboriryuは、N.Balmy Kotoとkhasianaの3種混合交配です。低地性種と高地性種の組み合わせで、低温、高温、乾燥に良く耐える強健種です。我が家では廊下の窓際で、冬季最低3~4℃程度まで気温が低下する場所でもしっかりと越冬しています。非常に作り易い品種ですが、一年に2m程度成長する強者で、一寸困りものです。(^^♪
この様に、種子親は非常に根張りの良い乾燥に強い品種、花粉親は根張りと共に低温、高温、乾燥に強い品種を交配しました。コンセプトとしては、やはり温室無しの環境でも十分に育ってくれる「リビング・ネペン」です。唯、発芽は全く以って不調で、種子の殆どがしいなだったのでしょうか。二芽しか発芽しませんでした。発芽してずっと播種鉢のまま置いていましたが、2015年10月ビニールポットに植替えをしました。その後の成長もイマイチでしたが、2016年末に4号プラ鉢に鉢増しその後少しずつ大きくなってきました。植替え時根鉢を外したところ、殆ど根が回っていませんでした。何が強者(・・?って思う位生長が捗々しくないようでした。結実も悪ければ発芽も悪い、その後の生長も悪いときたら三拍子揃いますね。捕虫嚢も全くショボイ状態が続いていましたが、2017年の春辺りからボチボチ本種の特徴が出てきました。
N.Noboriryu系交配種を5品種作出していますが、最初の頃は何れも生長がイマイチでした。唯、ある時期突然化けてくれましたので、本種にも一寸期待したいものですが、何時まで経っても徒長せずにロゼット葉のままでした。唯、草姿の割には捕虫嚢は結構大きくなり見ごたえはあります。まあ、狭い温室ですので程々の成長でも良いのですが…。
最近になって漸くNO-1個体の最初の頃の腋芽が徒長して挿し穂が採れる位になりましたので、挿し穂用(頂芽枝×1、節間枝×2)としてカットし水揚げさせています。この週末には鹿沼土に挿そうと思います。下段写真左から、

1.種子親のN.smilesiiで、N.vikingと同様塊根性。地際からシュートを良く発生させる。
  鈴なりになると見応えがある強健種
2.花粉親のN.Noboriryuで、N.maxima及びN.khasianaの血が入っているためか、結構大き
  な嚢を付ける。30cmを越すペンシル型の嚢は中々良い感じだが、成長が兎に角早
  く、2m/年近くになる
3.蒴果と種子。この種子親から出来る種子は種両端のひげ(種髪)があまり目立たない
  のが特徴。唯、見た目本当に発芽する?って感じ。実際しいなだらけで充実した種子
  は殆ど採取できなかった

1.2014年11月24日に撮ったもので、画像のほぼ中央辺りに発芽した実生が見ら
  れる。又、右上方にも発芽しかけているものがあるが殆ど見えない?。今から気温が
  低下してくるのであまり発芽は良くないかもしれないが、
  ボチボチ出てきて欲しいもの
2.こちらから二枚は2015年10月25日に撮ったもので、こちらは播種鉢内の様子。
  結局殆どがしいなだったようで、この二芽しか発芽しなかった
3.一寸セルトレイに植えるのも面倒だったので、ビニールポットに直接植付けした様子。
  何とか育って欲しいものだ

1.こちらから二枚は2016年6月28日に撮ったもので、こちらは上段写真右端の上
  の個体で、NO-1として管理。何とか枯死せずここまで生長してきたもう少ししたらブ
  ラ鉢に鉢増ししようと思う
2.こちらは上段写真右端の下の個体で、NO-2として管理。NO-1個体より少しだけ生長が
  遅いが、これ位の大きさになってくれれば一寸安心ε-(´∀`*)ホッ。今のところ嚢の
  イメージはN.smilesii、草体は葉身に細かい産毛が生えているところから雰囲気的に
  N.Noboriryu(・・? って感じだが、本来の特徴は出ていないので、まだまだこれから。
  今は海のものとも山のものとも(#^^#)

1.2016年8月25日に撮ったNO-1個体のその後。中々大きくなってくれない様で、
  強健種とは程遠いイメージ
2.こちらから五枚は12016年12月17日に撮ったもので、こちらはその後の株姿。
  相変わらず生長しないが、着袋は良い様だね
3.植替え用のブラ鉢が無くてずっとビニールポット植えのままであったが、やっと購入
  して昨日届いたので、本日植替えすることにした。根鉢を外した状態。殆ど根は廻っ
  ていない状態で、生長が遅いのもうなづける
4.4号ブラ鉢に植え替え(鉢増し)したところ
5.こちらは二つ前に出来た補虫嚢
6.こちらは一つ前にできた補虫嚢だが全く特徴が無い。しいて言えば蜜腺がN.Noboriryu
  みたいに多いこと位だろうか

1.2016年8月25日に撮ったNO-2個体のその後。こちらもNO-1個体同様中々大きく
  なってくれない
2.こちらから五枚は12016年12月17日に撮ったもので、こちらはその後の株姿。
  こちらも相変わらず生長がとろい
3.植替えのため根鉢を外した状態。こちらも殆ど根は廻っていない状態
4.4号ブラ鉢に植え替え(鉢増し)したところ
5.こちらは最新の補虫嚢。こちらも何の特徴も無いが、N.Noboriryuの幼嚢に何となく
  似ている。他のN.NoboriryuK交配種も最初の頃はこんな感じだったので、何れは
  N.Noboriryuの特徴が出てくる気がする
6.こちらは二つ前の捕虫嚢

1.こちらから八枚は何れもNO-1個体。こちらは2017年3月4日に撮ったもので、株
  姿。チマチマと成長している感じ
2.2017年3月28日、最新の補虫嚢。未だ殆ど特徴は無いが、僅かにノボリリュウ
  の縞模様が出てきた感じ
3.こちらから二枚は2017年4月27日に撮ったもので、こちらは株姿。気温の上昇
  と共に僅かではあるが大きめの葉身が展開し始めた
4.最新の補虫嚢。結構赤味が濃くなり縦縞模様もくっきりとしてきた。リップはグリー
  ンっぽい感じ
5.こちらから四枚は2017年6月14日に撮ったもので、こちらは株姿。若干がっち
  りとしてきた雰囲気
6.最新の捕虫嚢。これで丁度15cmだが、これからもう少し大きくなってくれそうだ
  ね~\(^o^)/
7.こちらは一つ前に出来た捕虫嚢
8.こちらは次に成長途中の捕虫嚢。結構色合いは濃いかな

1.こちらから八枚は何れもNO-2個体。こちらから二枚は2017年3月4日に撮った
  もので、この時点での株姿。植替えが遅かった分、結構小さい
2.何の特徴もない最新の捕虫嚢
3.こちらから二枚は2017年4月27日に撮ったもので、こちらは株姿
4.未だ縦縞は見られないが、赤味がかった色合いになってきた
5.こちらから四枚は2017年6月14日に撮ったもので、こちらは株姿。チマチマと
  した成長ぶり
6.こちらは最新の捕虫嚢。やっと縦縞模様が現れてきた
7.こちらは一つ前の捕虫嚢
8.こちらは次に成長中の捕虫嚢の赤ちゃん。結構赤味が濃い


1.こちらから八枚は全てNO-1個体。こちらから二枚は2017年8月18日に撮ったも
  ので、こちらは株姿。プラ鉢に鉢増ししてから少しずつだが大きくなってきた
2.こちらは最新の捕虫嚢。徐々に本種の特徴が出てきただろうか
3.こちらから二枚は2017年10月4日に撮ったもので、こちらは株姿。一回り程大
  きくなってくれた様だ(^O^)
4.こちらは最新の捕虫嚢。未だ完全に蓋は開いていない。色合いは結構濃くなってきた
  感じ。N.Noboriryuの特徴である縦縞が結構出てきている様だ(^^♪
5.こちらから四枚は2017年12月20日に撮ったもので、こちらはこの時点での株
  姿。お陽さんガンガンなので、最新のリーフジャンプした葉身は真っ赤になってる
6.株元を一寸めくってみると、既に腋芽が発生している。最初の腋芽は手前のやや大き
  い方で、奥側に二番目の腋芽が小さく写っており、既に着袋が始まってるよ~(*^^)v
7.こちらは最新の捕虫嚢。花粉親に似て蜜の量は非常に多い
8.一つ前に着いた捕虫嚢を掌に取ってみた。大きさはやっとこれくらいまでになったが
  果たしてどれくらい大きくなってくれるのか楽しみだね~

1.こちらから三枚は2017年10月4日に撮ったもので、こちらは株姿。プラ鉢に鉢
  増しして少しずつ大きくなってくれているだろうか
2.最新の捕虫嚢。NO-1個体と比べややスレンダーな感じだが、色合いは多少濃い様だ
3.一つ前に着いた捕虫嚢
4.2017年12月5日、成長途中の捕虫嚢の赤ちゃん
5.こちらから四枚は2017年12月20日に撮ったもので、こちらはこの時点での株
  姿。低温期になってきたせいか、成長はボチボチといったところ
6.株元を覗いてみたら、小さな腋芽が顔を出していたよ~(^O^)。N.Noboriryuの交配種
  は何れも腋芽の発生が抜群なので、何れブッシュ状になってくれそうな気配がする
7.こちらは最新の捕虫嚢。縦縞模様や色合いが中々良い感じ
8.こちらは一つ前に出来た捕虫嚢

1.こちらから六枚は何れもNO-1個体で、2018年6月16日に撮ったもの。こちらは
  この時点での株姿を正面寄りから撮ったもの
2.こちらは背面から撮ったもの。今のところ着袋率はほぼ100%である
3.こちらは真上から撮ったもので、一寸判り辛いが主茎+腋芽×3の4芽体制で頑張っ
  ているよ~(^^♪
4.主茎に着いた一つ前と二つ前に着いた補虫嚢を掌に載せてみた。草体と比べ結構大き
  な嚢を着けてくれる様である
5.主茎に着いた最新の捕虫嚢。結構ずっしり感がある
6.サイド寄りから撮ったものだが、結構鈴なり状態\(^o^)/

1.こちらから六枚は何れもNO-2個体で、2018年6月16日に撮ったもの。こちらは
  この時点での株姿を正面寄りから撮ったもの
2.こちらは真上から撮ったもので、上に写っている主茎の株元から腋芽が2芽発生して
  成長を開始している。葉身はNO-1個体よりもやや赤味がある
3.主茎に着いた最新の捕虫嚢
4.左写真の捕虫嚢を手に取ってみた。こちらの方がやや株が小さいので嚢も一寸小さい
  かな
5.こちらは主茎に着いた一つ前の捕虫嚢
6.二番目の腋芽に出来つつある捕虫嚢のあかちゃん。NO-1個体と比べ捕虫嚢も赤味が強
  い様だ

1.こちらから四枚はNO-1個体。こちらは2018年11月8日に撮ったもので、もう少
  ししたら蓋が開きそう
2.こちらから三枚は今朝2018年12月29日に撮ったもので、こちらは主茎に着い
  た最新の捕虫嚢。草体の割にはでかくてずっしりとした感じ
3.最新の腋芽に着いた最新の捕虫嚢。未だ茎は5cm程度なのだが、既に蔓は後ろに回
  っている(^^♪
4.こちらは最初に発生した腋芽に着いた補虫嚢。茎は7cm足らずだが嚢は既にでかめ
5.こちらから四枚はNO-2個体。こちらは2018年12月18日に撮ったもので、未だ
  成長途中の捕虫嚢の赤ちゃん。赤ちゃんと云うだけあって(^^?赤いよ
6.こちらから三枚は2018年12月29日に撮ったもので、こちらはこの時点での株
  姿。NO-1個体は他物と蔓が絡まり過ぎて外に出せなかったが、こちらは何とか出せた
  それにしても両個体共に全く徒長せず腋芽だけはしっかり発生する。まあ、我が家の
  様な狭隘温室にあっては良い子なのだが、挿し木が出来ないのは一寸(ノД`)
7.主茎に着いた捕虫嚢だが、他の茎等に邪魔されて湾曲してしまっているよ~
8.こちらは最初に発生した腋芽に着いた捕虫嚢

1.こちらから八枚は何れもNO-1個体。こちらは2019年4月1日に撮ったもので、蓋
  が開き始めたばかりの捕虫嚢
2.2019年5月19日、成長途中の捕虫嚢だが、何となく馬鹿でかくなりそう)^o^(
3.こちらから二枚は2019年6月7日に撮ったもので、こちらは成長途中のミドル寄
  りの捕虫嚢の赤ちゃん
4.多分左から二枚目写真の捕虫嚢が完成したものだろう
5.2019年7月2日、結構ズングリむっくりなどっしり感のある捕虫嚢の赤ちゃん。
  後ろに見えるグリーンっぽい捕虫嚢は本種の父親であるN.Noboriryu。この近くに鉢
  は置いていないのだが、何処から伸びてきたのだろう(^^;
6.2019年8月4日、大してええ聞くは見えないが20cm以上はあるよ(^_-)-☆
7.こちらから二枚は今朝2019年9月11日に撮ったもので、一寸スレンダーな嚢
8.こちらは別の枝についたミドル寄りの捕虫嚢

1.こちらから八枚は何れもNO-2個体。こちらは2019年3月12日に撮ったもので、
  成長途中の捕虫嚢の赤ちゃん
2.2019年3月18日、左写真の捕虫嚢が開いた様子
3.こちらから六枚は2019年9月11日に撮ったもので、こちらはこの時点での株姿。
  NO-1個体はこれよりも大きく蔓が絡んで温室から出せなかったが、こちらは小さいの
  で何とか出せた。3芽立ちで結構鈴なり(^_-)-☆
4.地際を覗いてみたら次の腋芽が発生していた。既に小さいながら着袋している
5.NO-1個体と比べ捕虫嚢は若干小さめだが、色合いはこのNO-2個体の方が濃い
6.こちらは別の腋芽に着いた捕虫嚢。葉身と比べ捕虫嚢は結構大きくて見ごたえがある
  が、中々徒長しないので挿し木が出来ない(;´д`)トホホ
7.次に成長してきている捕虫嚢の赤ちゃん
8.オォ~\(◎o◎)/!、又しても共食い現場を発見( ^)o(^ )

1.こちらから五枚は今朝2020年6月19日に撮ったもので、何れもNO-1個体。地際
  の腋芽が少し成長して着いた捕虫嚢。これで丁度20cm
2.こちらは別の腋芽に着いたロアー。本種はロアーでもそこそこ大きくなる様だ
3.徒長枝をカットして挿し木にする予定で、取り敢えず水揚げさせている状態。頂芽枝
  ×1、節間枝×2の3本挿し木予定
4.左写真の挿し穂に着いているアッパー寄りの捕虫嚢で、右側が最新で丁度26cm、
  左側が一つ前に着いたアッパー
5.同じ挿し穂の2つ前に着いたアッパー

1.こちらから四枚は今朝2020年6月19日に撮ったもので、何れもNO-2個体。こち
  らは現在の株姿だが一寸小さくなった感じ。主茎は力尽きてしまい、現在は腋芽が2
  芽成長しているが勢いは弱い
2.地際の様子だが、めっちゃ元気そうな腋芽とめっちゃ小さな腋芽が発生している。無
  事に育つのは大きな腋芽だけかもしれないね(^^)
3.最初に発生した腋芽に着いた捕虫嚢
4.こちらは二番目に発生した腋芽に着いた捕虫嚢。NO-1個体と比べこちらのNO-2個体は
  やや小振りだが、ポチャッとしてて色合いは濃い

 

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