本日は、N.Mastersiana var.purpureaです。
①人工交配 :N.sanguinea×khasiana、1881年、ヴィーチ商会チェルシー農場、William Court氏作出
②入手時期 :2011年6月
③入手元 :うつぼかずらの郷殿
④成長度合 :普通
⑤栽培難度 :簡単、低温、高温に強い
⑥挿し木 :水挿し、鹿沼土挿しで100%
⑦嚢の大きさ:我が家ではMax25cm程度
⑧雌雄 :♀、9月頃
100年以上も前に作出された種が現存しているということはとても素晴しいことで、やはり名品中の名品だからなのでしょうか。本種はN.Mastersianaと比較すると、ロアーは特に色合いが濃く嚢がむっちりとした形になる様です。purpureaとは(紫色の)の意で、その嚢の色合いから来ていますが、確かに濃い赤紫色をした感じになり、とても発色が良い品種です。その色合いから和名をブドウウツボカズラと云います。ロアーはまさしく濃い葡萄色でとても美しいですね。ミドルになるとやや色褪せしてきます。その時々の環境にもよりますが、アッパーになると赤身が殆ど消えてくる場合と、やや残る場合があります。
挿し木も簡単で水挿し、鹿沼土挿しで失敗無く発根します。ロアーは良く着袋しますが、ミドル~アッパーになると時々サボる癖があるようです。育て易いとても良い交配種だと思います。2016年、2017年の春と里子に出ました。今後も積極的に挿し木をして沢山の苗を普及させたいものです、と思っていましたが、分譲用に優先する品種がありましたので、そちらを挿し木にしたことから場所の問題で2019年は出来ませんでした。今春には挿し木を実施したいと思います。
2015年は開花しましたので交配してみましたが、中々以って不稔性(・・?のようです。2016年も開花したのですが、温室の天井辺りでの開花で交配できませんでした。2017年は主茎をカットして挿し穂にしましたので開花は無理でした。現在の芽は大分徒長しています。株元から二芽腋芽が発生し既に60cm及び40cm程成長してきています。下段写真左から、
1.2011年9月6日、入手して間もなくミドル辺りの嚢が付き始めた
2.2011年10月21日、腋芽が発生し、とても濃い色合いのロアーが付き始めたと
ころ
3.2011年11月19日に撮った親芽に付いたアッパーで、色合いが随分薄くなった
嚢
4.2012年6月23日、次の腋芽が発生し、ロアーが展開されつつある様子で、とて
も艶がある。このムッチリ感が何んとも云えない
5.入手して約10ケ月後の2012年6月28日、腋芽のロゼットに付いたロアー
6.2012年8月21日、こちらも未だロアーで、その色合いはpurpureaの名に恥じな
いもの
7.2013年3月13日、ミドル辺りの嚢で、蔓が側面から背面辺りに移動。色合いは
未だ濃い
8.2014年5月20日、こちらもアッパーだが、色合いはやや残っている
1.2012年8月15日に撮った挿し木苗。5月に鹿沼土に挿し木をしたもので、3ヶ
月程度経過したもの。間違いなく発根しているものと思う
2.2012年11月7日、挿し木苗に始めて着袋したものだが、既にミドル辺りの嚢。
挿し木苗に付く嚢はロアーでなくほぼこんな感じのミドルからアッパー寄りとなる
3.2013年7月18日、色合いは未だお粗末だが、本種らしい感じの嚢になってきた
だろうか
4.2013年8月27日、挿し木を2本実施、別の挿し木苗に出来た嚢
5.2013年10月12日、未だショボイ感じの嚢。2本挿し木した内のこの1株は暫
らくして里子に出た
6.2014年7月7日に撮ったもので、未だ腋芽は発生していないが、中々良い色合い
の嚢が付いてきた
1.2014年8月15日、何れも挿し木苗に出来た嚢で、挿し木活着後暫らくはショボ
イ嚢ばかりだったが、最近は色合いの濃い嚢が出来る
2.2014年8月20日、挿し木苗にできたミドル辺りの嚢で、蓋が開き始めたところ
3.2014年8月29日、左の写真のその後で、大分色合いが濃くなってきた
4.2014年9月10日、こちらは親株に付いた雌花。始めての開花で、交配を試みた
が失敗した、と思っていたが、蒴果を全て確認したところ僅か7粒程度結実してそう
な種子があったので播種した
5.2015年1月8日、挿し木苗に出来たミドル辺りの嚢。出来たてはとても艶がある
6.2015年1月17日、左の嚢のその後。こちらの嚢はあまり色付いていない。ボチ
ボチこれ位の状態で推移し、アッパーへと向かうのだろう
7.2015年2月12日に撮ったもので、挿し木苗に出来たミドル辺りの嚢
1.2015年3月26日、最初の挿し木苗だが、大分大きくなって既にアッパーが付き
始めた成長途中の嚢
2.2015年4月13日、左写真の嚢のその後
3.2015年4月22日、右はこの時点で最新の嚢、左下に僅かに見えるのがひとつ前
の嚢
4.2015年5月7日、最初の挿し木苗に発生した腋芽
5.2015年7月14日、左写真の腋芽が生長し始め着袋したもの。色合いが濃い最新
のロアーだが、何と既に蔓が後方に・・・・
6.2015年7月17日、こちらは親株の三番目に出来た腋芽に付いたアッパーだが未
だ色合いは濃い
7.2015年8月29日に撮ったもので、今年二度目に挿し木をしたもの。既に2cm
以上根が伸長してきたので植替える事にした挿し穂
8.こちらは2015年9月20日に撮った、こちらは親株の三番目に出来た腋芽に着い
たアッパーで、色合いが徐々に薄くなってきている。それにしても本種にあっては何
かめっちゃスレンダー
1.2016年1月4日、挿し木苗の最初に出来た捕虫嚢。結構ブットイ感じだ
2.2016年1月10日、予備で残している挿し木苗に出来た最初の頃の捕虫嚢。割と
色合いが良い
3.2016年2月21日、同じ予備の挿し木苗に出来た最新の捕虫嚢、やや色合いが落
ちた
4.こちらから五枚は2016年3月5日に撮ったもので、こちらは昨年6月19日に茶
色瓶に水挿ししたもの。場所が無く植替えもせずにほったらかしになっていた(^-^;。
唯、この5月に里子に出る予定なので、今日は暖かかった事から急遽鉢上げすること
にした
5.瓶から抜いて根部を確認したらすごいことになっていた。もうゴワゴワ(^^;。もっと
早く鉢上げすべきだったが・・・・
6.4号ブラ鉢に砂利系混合用土に植え付けた様子
7.この挿し木苗の最初に出来た嚢で、左端写真の嚢のその後
8.こちらも挿し木苗に出来た最新の捕虫嚢だが、一寸萎びてる(・・?
1.2016年4月3日、挿し木苗の主茎にできたミドル
2.2016年4月23日、こちらは最新の捕虫嚢で結構むっちりとした感じが中々良い
ね~(ΦωΦ)フフフ…
3.2016年5月18日、蓋が開き始めたミドル
4.2016年6月3日、左写真の嚢のその後の様子。結構ダークな色合いになった
5.2016年7月8日、最新の捕虫嚢だが、徐々に赤味が薄くなってきた感じ
6.2016年9月16日、何かめっちゃスレンダーな感じの嚢
7.こちらから二枚は2016年9月23日に撮ったもので、こちらは左写真の嚢のその
後。この嚢の大きさはおおよそこれ位だが、全然ムチムチ感が無く唯のN.Mastersiana
って感じだね~
8.こちらは生長途中の捕虫嚢
1.2016年10月19日、出来て1ヶ月以上経過した嚢。結構口部が大きい
2.2017年1月16日、こちらはできて間もない嚢だが、低温期なのでめっちゃ小さ
くてショボいよ~(*^^)v
3.2017年1月24日、蓋が開いたばかりのアッパーだが、何かめっちゃスレンダー
な感じ
4.2017年1月28日、次に成長しつつある嚢
5.2017年2月4日、左から三番目写真のスレンダーな嚢も、完成すると雰囲気が大
分違っ感じ
6.2017年2月11日、左から四番目写真のその後の様子。蓋がはちきれんばかりに
なってきたので、間もなく開くだろう
7.こちらは2017年3月6日に撮ったもので、左写真のその後の様子で完成して半月
少々経過したもの。プルブレアって感じ
1.2017年5月3日、こちらは挿し木苗の主茎に出来きつつあるアッパー。本種は成
長途中の嚢がこの様にペチャンコになることが良くある
2.2017年5月11日、左写真の捕虫嚢のその後。途中ペチャンコになっていたが無
事に完成した様子
3.2017年5月21日、こちらも挿し木苗の主茎に出来きつつあるアッパーだが、同
様にペチャンコになっている(;^ω^)
4.2017年8月21日に撮ったミドル
5.2017年8月29日、こちらは別の捕虫嚢を掌に取ってみた。まだまだ小さいね~
6.こちらから三枚は2017年9月6日に撮ったもので、こちらは挿し木苗の腋芽に出
来たミドル辺りの捕虫嚢
7.2017年も5本(頂芽枝×1、節間枝×4)水挿しを実施した。何時もはクリープ
の茶色広口瓶に挿すのだが、この年は他の品種を70本程度挿し木したので、茶色広
口瓶が無くなってしまった。従ってペットボトルを少しカットして即席瓶とした。茶
色広口瓶はカルス、根部が遮光できることから発根成長し易いと考え従来より使用し
ていた。今回透明容器に挿して発根状況を確認したが、殆ど問題なく発根した。これ
からの根部の成長状況及び、今後もう少し品種を増やし検証しようと思う
8.瓶を透かして発根状況を確認したところ。2~3cm程発根しており今月末辺りには
鉢上げ出来そう。順調にいけばその後里子に出て貰う予定
1.2017年11月2日、気温の低下と共に一寸ショボくなってきたアッパー
2.2017年11月27日、こちらは左写真の捕虫嚢のその後の様子
3.2018年2月15日、本種はミドル以降時折サボり癖があるものの、低温期でもそ
こそこ着袋してくれる。こちらは間もなく開きそうなアッパー
4.2018年2月19日、こちらは左写真の捕虫嚢が完成した様子
5.こちらから三枚は2018年3月1日に撮ったもので、こちらは左写真のその後の様
子。あまり色合いは変わら無い様だ
6.別種の釣り鉢の腋芽を無視して陣取るアッパー
7.こちらは成長途中のアッパーで、これも別の吊鉢に我がもの顔で鎮座しているぞ~
(#^ω^)
1.2018年4月20日、ムチムチムッチーなアッパーの赤ちゃん)^o^(。蓋の先端部
に隙間が見え始めたのでボチボチ開きそうな感じ
2.2018年6月6日、現在の主茎に着いたアッパー
3.2018年8月2日、二つとも現在の主茎に着いたアッパーだが、色合いが随分と悪
いね~(;O;)
4.2018年8月21日、やっと地際から2芽腋芽が発生してきた。その片方の腋芽に
着いたロアーで、蓋が開き始めたばかりのもの
5.こちらから四枚は2018年9月4日に撮ったもので、こちらは地際から発生してき
た腋芽に着いたロアー
6.こちらはもう片方の腋芽に着いたロアー
7.この時点での主茎に着いた最新のアッパー
8.こちらも主系に着いたアッパーで一つ前の物。随分と掠れた感じの色合いだね~(^^;。
来春にはこの2芽が大分生長してくれてる筈なので、主茎をカットして沢山の挿し木
苗を作りたいものだが、唯、置き場所が…
1.こちらから二枚は2018年10月1日に撮ったもので、出来て少し時間が経過した
ミドル辺りの捕虫嚢。このめっちゃムチムチ感が良いね~
2.生長途中のアッパーの赤ちゃん。本種はこの時期捕虫嚢がひしゃげている事が多いが
何れまともに膨らむ
3.2018年10月24日、出来て未だ日が浅いミドル寄りの捕虫嚢。これは結構スレ
ンダーな感じ
4.2018年10月29日、出来たばかりで艶々(^_-)-☆。若干ムチムチ感があるかな
5.2019年1月12日、姉程度脇芽が成長した枝に着いたもので、結構色合いの濃い
捕虫嚢
6.2019年1月23日、現在の主茎に出来つつあるアッパーの赤ちゃん。蓋の形状も
結構ムチムチ感があるよね(^^♪
7.こちらから二枚は2019年3月7日に撮ったもので、こちらは主茎に着いた二つ前
の捕虫嚢。一つ前と最新の捕虫嚢は天井近くにあって撮れなかった
8.生長を開始した未だ小さなアッパーの赤ちゃん
1.こちらから二枚は2019年4月1日に撮ったもので、こちらは徒長枝に着いたアッ
パー寄りの捕虫嚢。がま口みたい(^-^;
2.徒長枝に出来つつあるアッパーの赤ちゃん。ムッチムチ(^O^)
3.2019年4月3日、左写真の捕虫嚢が完成した様子。唯、開いたばかりなので蓋は
ボンネット状になっている
4.2019年5月29日、徒長枝に着いたアッパーだが、未だ結構色合いが載っている
蓋が…、奇形の様でめっちゃ小さい^_^;
5.2019年7月23日、徒長枝に着いた最新のアッパー
6.2019年9月2日、地際から発生した小さい方の腋芽に出来つつある捕虫嚢の赤ち
ゃん。結構スレンダーな感じ
7.こちらから二枚は2019年9月5日に撮ったもので、こちらは左写真の捕虫嚢が完成
した様子。やはりスレンダーだね
8.地際から発生した大きい方の腋芽に着いた捕虫嚢。一寸ムッチリで既にアッパーの風
体だ
1.こちらから二枚は2020年1月15日に撮ったもので、こちらは現主茎に着いたア
ッパー
2.地際から発生した小さめの腋芽が少し成長した枝に着いたミドル寄りの捕虫嚢
3.2020年1月30日、こちらは徒長した大きめの腋芽に着いたアッパー寄りの捕虫
嚢
4.こちらから二枚は今朝2020年3月3日に撮ったもので、こちらは腋芽が徒長した
大きめの腋芽に着いた最新の捕虫嚢。未だミドル寄りだろうか
5.次に成長を開始したアッパーの赤ちゃん
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