本日は、N.Effulgent Koto×N.Nanbaraの交配‐その9について紹介します。

①交配番号 :NO.36
②交配親  :N.Effulgent Koto[♀]×Nanbara[♂]
③交配日  :2013年10月29日
④採取日  :2014年3月1日
⑤播種日  :2014年3月10日
⑥発芽確認日:2014年4月10日

種子親のN.Effulgent Kotoは、河瀬晃四郎氏が1974年から1983年にかけて作出された56種類程ある古都シリーズの内の一品種で、1978年に作出されたものです。非常に育てやすい強健種の両親から生まれた種ですので、低温・高温にとても強く、非常に根張りがよく、成長も速く、良く着袋してくれる品種です。
一方花粉親のN.Nanbaraは、N.globamphora(=N.bellii)とN.ventricosaの交配と言われており、種子親のN.ventricosaに良く似ています。あまりくびれがなく寸胴な感じです。下位補虫嚢は赤身が強くとても良い色合いですが、上位補虫嚢は殆どグリーン一色となりロート型になります。低温、高温にも強い品種です。
この2種を交配してみました。両親の性格から、高温、低温に強く、根張りが良い強健種になればと思いますが、どう育ってくれるでしょうか。現状では、両親よりも小型になった感が否めませんが…。
雌花が少なかったため種子は少なかったのですが、種実はしっかりとしていました。唯、発芽自体思わしくなく10芽程度でした。我が家では基本的に駄温平鉢に播種していますが、本種はブラ鉢に播種しました。ブラ鉢播種はどうもいけませんで、通気等の影響、蒸れによるものでしょうか。又、セルトレイに植替え後も調子の良い個体が殆ど無く、ビニールポット植えに出来たのは最終的に2株のみとなってしまいました。相性の問題なのかどうもこの交配は良くないようで、成株になった今でも調子はイマイチです。両親はこれ以上ないという強健種なのですが…。
現在NO-1、NO-2個体共にビニールポットから4号ブラ鉢に植え替えしていますが、チマチマとした成長です。小型の品種になってしまいましたが、着袋率は高く低温高温にも強い様ですので、何とかこのまま維持できるのではないかと思います。下段写真左から、

1.種子親のN.Effulgent Kotoで、ロアーは翼や蓋の裏がやや赤みを帯びるが、ミ
  ドル~アッパーはほぼグリーン一色になる。左の嚢はミドル当たり、右の嚢が
  ロアー。芸が少なく人気はないが、非常に強健種で良く着袋してくれる品種
2.花粉親のN.Nanbaraで、これはロアー~ややミドル寄りの捕虫嚢。ロアーはとて
  も発色が良く種子親に似る。本種も高温、低温に良く耐えうる強健種
3.蒴果と種子。N.thorelii、N.mirabilis系は比較的結実が良い様で、雌花の数は
  少なかったが、殆どの鞘が充実していた
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1.発芽確認から1ヶ月少々経過した2014年5月13日に撮った播種鉢内の様
  子。種子は充実していたものの、結果的に10芽程度しか発芽しなかった
2.2015年1月19日、比較的成長の良い(と言っても他の実生に比べるとめ
  っちゃ成長が悪い)1個体のみビニールポットへ植え替えたもの
3.2015年2月20日に撮ったもので、左の苗のその後。何んとか活着してく
  れている感じ。残りは2個体のみセルトレイ内でかろうじて生きている状態。
  この組み合わせは相性が悪いのか?何んとか1個体だけでも無事に育って欲し
  いものだが・・・・
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1.2015年4月3日、ビニールポットに上げて約2ケ月半経過した。少しずつ
  だが大きくなってくれてる感じ
2.こちらから四枚は2015年10月3日に撮ったもので、こちらは未だビニー
  ルポット上の状態。株自体未だ小さいがブラ鉢へ植替えることにした
3.二回り大きな4号ブラ鉢に植付けたところ。葉形や照葉の様子、中肋がやや赤
  味を帯びるところ等はN.Nanbaraに似ている様だ
4.ひとつ前に出来た捕虫嚢。未だ特徴は全然みられない
5.こちらは最新の捕虫嚢。ほんのりと色が載った感じ。雰囲気的にはN.Effulgent
  Kotoのような感じだが、これからどう変わっていくか楽しみ。それにしても最
  終的にこの1個体になってしまったので、何とか成株迄育て上げたいもの
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1.こちらから七枚は最初にビニールポットへ鉢上げした個体で、NO-1として管理
  する。何れも2016年7月4日に撮ったもので、こちらは株姿を正面から撮
  ったもの。茎および中肋は結構赤味を帯びる
2.こちらは背面から撮ったもの。2芽程腋芽が生長してきた。雰囲気的には完全
  にN.Effulgent Kotoと言ったところか
3.腋芽に出来たロアー達
4.こちらも腋芽に出来たロアー。葉がささくれ状になっている
5.こちらから三枚は主茎に出来た捕虫嚢で、こちらは二つ前に出来たもの
6.こちらは一つ前に出来たもので、N.Effulgent Kotoをやや濃い目の色合いにし
  たって感じだろうか
7.こちらは最新のロアー。どうもN.Nanbaraのリッブは全然再現されそうにない
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1.2016年9月14日、この捕虫嚢を見るとそのまんまN.Effulgent Kotoかな
2.こちらから四枚は2017年1月11日に撮ったもので、こちらは株全体の様
  子。主茎はずっとチマチマした状態だが、腋芽の発生は良いようで、何とか頑
  張ってくれている様である
3.こちらは腋芽の様子をアップしたもので、既に4芽が成長中である\(^o^)/
4.捕虫嚢の様子。殆どの嚢が葉の下に隠れ押しくら饅頭をしているよ~
5.腋芽に出来た最新の捕虫嚢を撮ったもの
6.2016年7月15日、最終的に1個体だけになったと思っていたが、後1個
  体残っていた(^O^)。今にもお迎えが来そうな感じだが一応ビニールポットへ
  鉢上げしたNO-2個体
7.こちらから二枚は2017年1月11日に撮ったもので、こちらはNO-2個体の
  その後。何とか枯死せずにここまできた感じ。まあ、これ位になると一寸安心
  かも。何とか二個体で維持していきたいもの
8.NO-2個体の捕虫嚢をアップ。やはりN.Effulgent Kotoそのものって感じだが、
  何れ少しは化けてくれるのだろうか
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1.2017年3月24日、色合いは未だ薄く種子親のN.Effulgent Kotoそのもの
  と言った感じだろうか
2.2017年5月14日、徐々に色合いが載ってきた感じ
3.2017年5月26日に撮ったロアー
4.2017年6月8日、中々良い感じの色合いになってきた。両種を足して二で
  割った感じだろうか
5.こちらから四枚は2017年7月23日に撮ったもので、こちらはNO-1個体を
  正面寄りから撮ったもの。主茎及び腋芽からボチボチ着袋してくれている
6.草体の上から撮ったもので、腋芽が5芽程発生しそれに着袋してくれているの
  で、賑やかになってきた
7.こちらは腋芽の群れに出来たロアー達
8.こちらは主茎に出来たロアー達
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1.2017年3月10日、もう無いと思っていたNO-2個体のその後の様子
2.2017年6月22日、小さいながらボチボチ着袋している。ボチボチブラ鉢
  に植替え出来そう
3.こちらから四枚は2017年7月23日に撮ったもので、こちらは株姿。ドラ
  イアウト寸前にしてしまい、折角の嚢が殆ど枯れたよ~(ノД`)シクシク
4.唯一残っているロアーを撮ったものだが、これでは海の物とも山の物とも…
5.植替えの為根鉢を外した状態。うぅ~ん、根張りはイマイチ
6.4号ブラ鉢に鉢増しした様子。これで今秋までには少し位大きくなってくれる
  だろうか
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1.こちらから六枚は2018年1月9日に撮ったもので、こちらはNO-1個体の株
  姿。腋芽はボチボチ出ているが、あまり大きくならない性格なのか、それとも
  唯単に腕が無いのか( ̄∇ ̄;)ハッハッハ。こうやって見ると殆ど着袋してい
  ない様に見えるが、実はボチボチ着袋している(^^♪
2.こちらの捕虫嚢は結構色合いが濃い様だ
3.株元には結構捕虫嚢がたむろしているよ~(^O^)
4.出来て1ヶ月程度の左の捕虫嚢と、成長途中の右の捕虫嚢の赤ちゃん
5.こちらははんなりとした色合いが何とも良い感じ
6.こちらは最初の腋芽に着いた最新の捕虫嚢。N.globamphora譲りか微かに斑模様
  が見える
7.2017年10月3日、NO-2個体のその後の様子。僅かずつではあるが大きく
  なってきているかな(・・?
8.こちらは2018年1月9日に撮ったもので、こちらはNO-2個体のその後の様
  子。少しずつ伸びてきたので支柱を立てた。気温が低い割には着袋率は結構高
  い様だ
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1.こちらから八枚はNO-1個体で、こちらは2018年5月24日に撮ったもので
  主茎に着いたミドルよりの捕虫嚢
2.2018年6月29日、最初の腋芽に着いた最新と一つ前の捕虫嚢。既にミド
  ル寄りだろうか
3.こちらから六枚は2018年7月20日に撮ったもので、こちらはこの時点で
  の株姿
4.株元の腋芽とその捕虫嚢を撮ったもの。一体腋芽は何芽出ているのだろうか
5.こちらは左写真の反対側から撮ったもの。ボチボチ鈴なり(・・?、ってとこだ
  ろうか
6.こちらは最初の腋芽に着いた捕虫嚢で、けつこう色合いはピンクっぽい感じ
7.主茎に着いた一つ前の捕虫嚢
8.こちらも主茎に着いた最新の捕虫嚢
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1.こちらから八枚はNO-2個体で、こちらは2018年5月11日に撮ったもので
  この時点での株姿
2.最新の捕虫嚢。NO-1個体よりもやや赤味が強いだろうか(・・?
3.一つ前に着いた捕虫嚢。こちらの個体はN.Effulgent Kotoを一寸赤っぽくした
  感じだね~(^^;
4.こちらから四枚は2018年7月20日に撮ったもので、こちらはこの時点で
  の株姿。成長はやや遅い感じ
5.最新の捕虫嚢
6.一つ前に着いた捕虫嚢
7.二つ前に着いた捕虫嚢。やはりN.Effulgent Koto似の様だ
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1.こちらから八枚は何れも今朝2019年2月14日に撮ったもので、こちらか
  ら四枚はNO-1個体。こちらは現在の株姿。樹勢は弱い割に腋芽は良く発生する
2.腋芽の様子をアップしたところ。この時期でもボチボチ着袋してくれている様
  だね~(*^^)v
3.主茎に着いたアッパーだが、ボチボチその役目を終えそう。主茎自体も芽止ま
  りしてきた感じなので、脇芽に更新だろうか
4.腋芽に着いたロアーからややミドル寄りの捕虫嚢
5.こちらから四枚はNO-2個体。こちらは現在の株姿。成長は遅めだが、何とかこ
  こまで育ってくれた
6.こちらは主茎に着いた最新の捕虫嚢
7.こちらも主茎に着いたもので、一つ前の捕虫嚢
8.こちらは地際から発生した腋芽に着いたロアーだが、色合いはめっちゃ悪い。
  NO-1個体に比べ樹勢はややあるものの、捕虫嚢がめっちゃminimum!。これ以
  上大きくなるのだろうか(・・?
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