本日は、N.Prosperity×viking var boatform ×sib(Red系)の交配‐その8について紹介します。

①交配番号 :NO.38
②交配親  :N.Prosperity[♀]×viking var boatform ×sib(Red系)[♂]
③交配日  :2013年10月30日
④採取日  :2014年2月21日
⑤播種日  :2014年2月22日
⑥発芽確認日:2014年3月28日

種子親のN.Prosperityは、以前フランスのマルセル・ルクーフから輸入したN.Dicksonianaの種名が付いたN.mirabilis(以前N.mirabilisのsynonymと言われていたN.anamensis?)の交配種らしい不明種ではないかと記された文献もありましたが、故久保氏ご本人によるとN.mirabilisであったと述懐されていた様です。
まあ、いずれにせよN.mirabilis系で間違いはないのでしょうかね。1977年に氏がN.Dyerianaを交配して作出された品種で、ややN.Dyeriana寄りです。嚢は大きくなりますが、襟はN.Dyeriana程ではありません。
一方花粉親は、ぷりんさんが作出されたboatformのsib-crossで、そこそこの大きさで結構濃い赤色で、嚢はやや縦長の形になります。赤みの強いN.Prosperity寄りの嚢が出来るのでしょうか。それとも逆にN.viking寄りになるのでしょうか。最近の補虫嚢からすると、柄色合い、リップのストライプはN.Prosperityに、形はややN.viking寄りでしょうか。
あっ、そう言えば昨年最後までビニールポット植えになっていた子苗が見つかりました。昨年6月に鉢上げした個体なのですが、昨秋里子に出ましたので今はありません。結構沢山の実生苗が出来たはずですが、どんどん里子に出て今は2個体のみとなっています。下段写真左から、

1.種子親のN.Prosperity、嚢の大きさは30cm前後になるが、N.Dyeriana程
  襟の発達は無い
2.花粉親のN.viking、赤みが強く美しいが、形はやや面長。根張りよく、腋芽
  も非常に良く発生し鈴なりになる
3.本種の蒴果と種子。鞘は、一般的な種子に比べ大きかった。大きな子が出来
  てくれるのだろうか?
4.本種の蒴果で、おおよそこれ位の大きさだった
5.大きさを比較するため一般的な品種の蒴果と並べてみた。上段が本種の蒴果
  下段は一般的な品種の蒴果。1.5倍程度の大きさで、実っている状態はま
  るでバナナの房の様に見えた
イメージ 1

1.発芽確認日からおおよそ1.5ヶ月後の2014年5月13日に撮った播種
  鉢内の様子。一寸見辛いがほぼ出揃った感じで、既に本葉も展開してきてい
  るので、ボチボチ第一弾の植替えを実施する頃
2.2014年5月19日、2.5×2.5cmの連結ポットへ植え付けた状態
3.2014年7月8日、思った以上にミズゴケの状態が良くないが、植え付け
  た実生は概ね活着してくれている様子
4.2014年8月14日に撮った連結ポット上げの個体群。当然個体差がある
  ので成長度合いも違ってくるが、ほぼ全員成長してくれている様で一寸安心
5.4の写真を少し拡大したものでこんな感じ。発芽して4.5ヶ月程度経過し
  て直径2cm前後。やや遅い様な気もするが、まあ、こんなところだろうか
イメージ 2

1.こちらから6枚は2015年4月9日に撮ったもので、これは2014年1
  1月1日に1個体だけビニールポットに上げたもの。植替えた物はそのまま
  の個体と比べ生長が良い
2.場所の問題などあり、暫らくセルトレイからビニールポットに植替えしてい
  ない状態だったが、こちらは2015年3月28日にビニールポット上げし
  たもの
3.この個体も同3月28日にビニールポットに植え替えた。他の実生も早く植
  替えしないと一向に大きくならないのだが、何せ場所が・・・・。取敢えず週末
  には少しずつ植替えしようと思う
4.こちらは1枚目の個体の嚢をアップしたもの
5.これも1枚目の個体の嚢をアップしたもので、嚢がやっと葉身から離れ、短
  いながらも蔓に付き始めたところ。未だ海のものとも山のものとも・・・・
イメージ 3

1.2015年5月13日、ビニールポットから縦長ブラ鉢へ植替えた最初の個
  体。こちらから八枚はすべて同一個体でNO-1とする
2.2015年8月10日、倍以上の葉身が次々と展開し始めた
3.2015年9月8日、暑さもピークを越えたが、今シーズンの絶頂は此処ま
  でか。特徴のある嚢も付きだしている
4.こちらはの2015年10月1日に撮った草姿。これまでボチボチ大きくな
  ってくれたが、これからの気温低下で徐々にショボイ生長になっていくと思
  われる。来春以降でかくなってくれるのではと期待したいところ
5.2015年7月22日、いよいよ嚢も個性が表れ始めた。斑模様がくっきり
  と表れ、リップには少しストライプが入っている様子
6.2015年8月28日、オォ~、急に色付きが強くなってきたぞ~
7.こちらから二枚は2015年10月1日に撮ったもので、手前はひとつ前に
  出来た嚢、奥側はそれ以前に出来た嚢。大分特徴が出てきたようで、今のと
  ころ色合いはN.Prosperityに、形はN.vikingに似ている雰囲気。これからど
  んな感じで襟が生長していくのだろうか
8.こちらは最新の補虫嚢。気温の低下で少しずつショボイ嚢になっていくのは
  致し方のないところ
イメージ 4

1.こちらから七枚は全てNO-1で、こちらは2015年11月24日に撮ったも
  の。結構丸くて色鮮やかでストライプもある程度目立つ
2.2016年5月6日、ポッチャリ感がやや無くなってきた感じ
3.2016年5月21日、右の嚢はやや丸みが残っているが、左の嚢は大分ス
  レンダーになってきつつある様だ
4.同5月21日に撮ったもので、ストライプや柄、色合いはN.Prosperityに良
  く似る
5.こちらから三枚は2016年6月6日に撮ったもので、こちらは少しくたび
  れてきた感のある補虫嚢
6.次の嚢となる蔓の先端で、これから少しずつ大きくなって何れ補虫嚢となる
7.現在のNO-1個体の草姿。5月末から戸外栽培にしているため、少々葉焼け気
  味だが、まあ大丈夫だろう
イメージ 5

1.2015年8月13日、二番目にビニールポットから鉢上げしたばかりの個
  体でNO-2として管理する。この写真5枚は全てNO-2個体。真夏なので次々と
  着袋してくれているよ~(o^―^o)ニコ
2.こちらから四枚は2016年6月6日に撮ったもので、こちらは現在の草姿
  徐々に生長中。それにしても葉は赤いね~
3.こちらは一つ前に出来た補虫嚢
4.こちらは最新の補虫嚢。NO-1個体と比べやや赤味が強い気がする
5.最新の生長途中の補虫嚢。他の実生も個体差があまり無いので、NO-1とやや
  赤味の強いこのNO-2を残し、生長過程を見ていくことにする
イメージ 6

1.こちらから8枚は全てNO-1個体。2016年7月8日、出来て1ヶ月程度経
  過したロアーだが、若干スレンダーな感じ
2.2016年7月12日、掌に取ったもので、未だこれ位の大きさ
3.2016年7月20日、左写真のその後。若干赤味が増した感じ
4.2016年7月28日、成長途中の補虫嚢。もう少ししたら蓋が開きそう
5.2016年9月3日に撮ったもの
6.2016年9月8日、嚢三兄弟。左の嚢が完成して日が浅いもの
7.2016年9月13日、リップの艶めかしい感じがなんとなく良いね~
8.2016年10月8日、こちらは最新の補虫嚢を掌に取ってみた。これ位の
  大きさがMaxなのだろうか
イメージ 7

1.こちらから8枚は全てNO-2個体。2016年7月16日に撮ったもので、こ
  のリップの形状はなんとなく良い感じ(^O^)
2.2016年9月3日、ん~ん、結構ドス黒い感じの色合いになったぞ~
3.2016年9月6日、完成したばかりの補虫嚢。結構赤味が強い感じだね
4.2016年11月21日、こちらもできて間もないロアー
5.2016年12月20日、どうしてもリップのストライプは濁ってくるが、
  多少は確認できるってとこだね
6.2017年3月13日、左の補虫嚢は大分翼が欠落してきた。ボチボチミド
  ルあたりの嚢ってとこだろうか
7.こちらから二枚は2017年3月16日に撮ったもので、こちらは株姿。光
  線が強いこともあるが、この個体は特に葉が赤くなる
8.地際の様子。若干花粉親に似て塊根状になるかな(・・?。やっと腋芽が数芽
  成長してきた。早く株立ちになって欲しいもの(#^.^#)
イメージ 8

1.こちらから6枚は何れもNO-2個体。こちらは2017年3月29日に撮った
  もの。右の捕虫嚢が最新のもので、左側が一つ前に出来たミドル辺りのもの
2.こちらから二枚は2017年4月14日に撮ったもので、こちらは最新の捕
  虫嚢。若干色合いが薄くなってきた(・・?
3.こちらは未だ色合いは濃い様だ
4.201年4月28日、成長途中のミドル~アッパー寄りの捕虫嚢の赤ちゃん
5.2017年5月7日、大分色合いが薄くなってきた感じ。アッパーに近づい
  た様子
6.2017年5月21日、今まさに蓋が開き始めた
7.こちらから二枚は2017年6月10日に撮ったもので、最後の1個体と思
  しき苗が棚から出てきたので、4号プラ鉢に鉢上げした様子
8.こちらは左写真の個体に着いたロアー。本個体はこの10月下旬に里子に出
  たよ~(@^^)/~~~
イメージ 9

1.2017年8月5日、何れもNO-2個体で、こちらは地際から腋芽が数芽発生
  し着袋が始まった様子
2.2017年9月22日、腋芽に着いた何番目かのロアー
3.2017年9月25日、次々と着袋しており、中々ダークな色合いになって
  きた。N.Coccineaみたいな雰囲気
4.こちらから五枚は2017年11月18日に撮ったもので、こちらは地際か
  ら発生した腋芽の様子。腋芽は4芽程成長してきており、嚢も少しだけ賑や
  かになってきた(^^♪
5.こちらは腋芽に着いた最新の捕虫嚢。特にリップがとってもダーク
6.こちらは別の腋芽に着いた一つ前のロアー
7.こちらは主茎に着いたアッパー。随分色合いは掠れてきたが、その分リップ
  のストライプは目立ってきた
8.こちらは雌花の残骸。どうもこの7~8月に開花した様だが気づかなかった
  当然受粉していないので結実していない。若干鞘が膨らみ気味だが、他の品
  種も含めてこの様な偽装工作するものが多い(^^)
イメージ 10

1.こちらから五枚は本日2018年9月24日に撮ったもので、何れもNO-1個
  体。こちらは現在の株元の様子。腋芽は暫く発生しなかったが、漸く2芽ほ
  ぼ同時に発生してきた
2.こちらは小さめの腋芽に着いた最初の超ロアー。一寸ぼやけて見辛いのはご
  容赦の程m(_ _"m)
3.やや大きめの腋芽に出来つつある二番目のロアー
4.こちらは主茎にできた最新のアッパー。結構ストライプははっきりしている
5.既に天井に届いて開花が始まった雌花
イメージ 11

1.こちらは全てNO-2個体。2018年6月3日、最初の腋芽が成長して着いた
  ミドル寄りの補虫嚢
2.2018年8月6日、次に複数発生した腋芽に着いたロアー達
3.こちらから二枚は2018年9月18日に撮ったもので、こちらは何番目か
  の腋芽に出来つつあるロアーの赤ちゃん
4.地際から発生した腋芽に着いたロアー
5.こちらはややスレンダーな雰囲気になりつつあるロアー
6.地際から発生した腋芽に着いたロアー。出来て1ヶ月程度経過したもので、
  リップは中々濃い色合いになってきた
7.こちらは成長途中のロアーの赤ちゃん
イメージ 12
  
  ランキング参加中、ポチッと! 応援の程宜しくお願い致します。m(._.)m
↓↓↓
イメージ 4