本日は、N.Prosperity×Dyerianaの交配‐その5について紹介します。

①交配番号 :NO.37
②交配親  :N.Prosperity[♀]×Dyeriana[♂]
③交配日  :2013年10月30日
④採取日  :2014年2月21日
⑤播種日  :2014年2月21日
⑥発芽確認日:2014年3月28日

種子親のN.Prosperityは、以前フランスのマルセル・ルクーフから輸入したN.Dicksonianaの種名が付いたN.mirabilis(以前N.mirabilisのsynonymと言われていたN.anamensis?)の交配種らしい不明種ではないかと言われていましたが、ご本人によるとN.mirabilisであったと述懐されていたそうです。1977年に故久保春人氏によってこの種とN.Dyerianaを交配したものです。
一方花粉親のN.Dyerianaは、1900年ビクトリア朝時代にイギリスのチェルシー農場でG.Tivey氏によって交配され、1903年にリリースされた非常に有名な古典品種で、現在でもその域を超える品種は作出されていないとまで言わしめる名品中の名品です。唯、本種は稔性がとても低く、再三交配を試みていますが中々思うように結実してくれません。
今回、N.Prosperityにその父親のN.Dyerianaを交配してみました。1花序全てに花粉を載せてみましたが、結実した蒴果は2鞘しか採れませんでした。交配コンセプトとしては、やや赤みの強いN.Dyerianaに近い感じの個体ですが、一寸期待外れ(・・?な感じのする品種になってしまいました。一応雰囲気の異なる3個体を残して観察しています。下段写真左から、

1.種子親のN.Prosperity、嚢の大きさは30cm前後になるが、N.Dyeriana程襟
  の発達は無い。色合いはやや赤みが強い。種小名は、繁栄、成功といった意
  味合いで、作出者の思いが込められている様に思う
2.花粉親のN.Dyeriana、簡単に30cmを超える補虫嚢を付けてくれるので、と
  ても見応えがある。成長も速く強健で名品中の名品
3.蒴果と種子。1花序の内僅か2鞘しか採れなかった
4.2014年4月20日に撮った実生。何時の間にか沢山発芽し双葉が展開し
  てきた。見え辛いが他にも沢山発芽が始まっている
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1.2014年5月20日、本葉がボチボチ展開してきたので、第一陣としてセ
  ルトレイに40個体植替えをした
2.2014年7月8日、何んとか活着した様で、本葉が展開してきている。唯
  1芽はお迎えが来そうな状態
3.2014年8月4日、左の写真から1ヶ月弱経過し、やや大きめの葉身が展
  開してきた。危惧していた1芽はやはりお迎えに誘われていった。チ~ン!
4.2014年9月7日、いよいよ自分の区画を出ていくものが表れ始めたぞ!
5.こちらも同日9月7日に撮ったもので、ややアップしたもの
6.2014年10月22日に撮ったもので、10月11日に取敢えず大きなも
  のを3株ビニールポットへ上げたもの。遮光が強かったので、現在順化中。
  もう1週間程度すればガッツリ陽に当てれそう
イメージ 2

1.2015年5月7日、ビニールポットへ上げた苗も暖かくなって徐々に生長
  し始めたので、ロングブラ鉢へ植替えしたところ。取り敢えず1鉢だけ 笑
2.こちらから二枚は2015年6月17日に撮ったもの。左の株のその後で活
  着してくれた様子。やや大きめの葉身が展開してきた。こちらをNO-1個体と
  して管理する
3.補虫嚢のアップ。オォ~、何となくN.Dyerianaの雰囲気がプンプン
4.2015年6月30日、若干斑模様がくっきりとしてきた感じ
5.2015年8月6日、何と(◎_◎;)、急に嚢の感じが変わってきたよ~
6.2015年11月19日、何か大分ポッチャリとした感じになってきた
7.2016年8月14日、何と9ケ月も撮ってなかった( ̄∇ ̄;)ハッハッハ。翼は
  非常に小振りになってきたが、襟は何となく良い感じで、ややスレンダーに
  なってきた
8.2016年10月26日、既にミドル辺りの補虫嚢になった雰囲気
イメージ 3

1.こちらから七枚はNO-1個体で、何れも今朝2018年9月18日に撮ったも
  の。こちらは何番目かの腋芽に着いた最新のロアー。未だ比較的リップのス
  トライプは目立つ
2.こちらは一つ前に着いたロアーで、時間の経過と共にやや赤味が増してきた
3.二つ前に着いたロアー。結構赤味が強い
4.次に成長途中の補虫嚢の赤ちゃん
5.こちらは現在の主茎に着いた最新のアッパー。嚢表面の色合いは全く無くな
  ってしまったが、その分リップのストライプが目立つようになる
6.こちらは主茎に着いた一つ前のアッパー
7.主茎に着いた花穂。ボチボチ花粉の受け入れ態勢が整いそうな感じになって
  きたよ~
イメージ 4

1.2015年6月18日に撮ったNO-2個体。ビニールポットの子苗も少しずつ
  ブラ鉢へ植替えしていかないといけないが、中々思うように作業が進まない
  ( ノД`)シクシク…
2.2016年9月10日、エェッ!1年3ヶ月ぶり (ΦωΦ)フフフ…。これが本
  当にこの両親の子供(・・?。両親には全く似つかぬ風体だが・・・・。
3.2016年9月27日、リップのストライプも無ければ斑模様も無い。多少
   リップが大きい位かな?似ているところは( ̄∇ ̄;)ハッハッハ
4.2016年11月4日、本当に芸の無い個体だね~
5.こちらは2016年12月12日に撮ったもので最新の補虫嚢。既にミドル
  辺りになっている。写真には撮れなかったけど主茎は既に70cm程度伸長
  しているよ~
6.2017年5月7日、主茎に着いたミドル~ややアッパー寄りだろうか、殆
  ど色合いは無くなった
7.こちらから二枚は今朝2018年9月18日に撮ったもので、こちらは腋芽
  が徒長して着いたアッパー。貧相な感じ^_^;
8.次に成長中のアッパーの赤ちゃん
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1.こちらから二枚は2015年11月21日に撮ったもの。こちらは4号プラ
  鉢に植え替えしたばかりの個体で、NO-3として管理する
2.左写真のNO-3固体に出来た補虫嚢。何となくこれは両親に似ている感じ
3.2016年1月18日、色合いはやや薄くなったかな
4.2016年4月3日、低温にも結構強い様で、冬場もずっと着袋しており中
  々良い感じ
5.2016年7月3日、結構赤味が強くなってきたね
6.こちらから三枚は2016年12月12日に撮ったもので、こちらは左が最
  新の補虫嚢、右が一つ前の補虫嚢。翼がきれいに広がると一寸ラフレシアー
  ナを彷彿とさせる(・・?
7.この9月に雌花が開花したので交配してみた。一応鞘は膨らんでいるので結
  実していそう。多分もう数日で蒴果は割れるかな
8.地際からやっと腋芽が発生してきた。二番目の腋芽もチラチラっと顔を覗か
  せている。おっと、主茎の写真を撮り忘れた( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \
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1.こちらから八枚はNO-3個体。こちらは2016年12月20日に撮ったもの
  で、蔓は手前にあるがボチボチミドル寄りになった感じ
2.2017年3月2日、主茎に着いたアッパーで、リップ以外は色合いが無く
  なった
3.2017年5月7日、腋芽に着いたロアー。結構翼が良く目立つ感じ
4.2017年5月19日、アッパーとロアーのツーショット。左が典型的なア
  ッパーで、右はややスレンダーなロアー
5.2017年6月22日、何れもアッパー。アッパーは色合いが無くなること
  が多いが、リップのストライプが目立つので中々良い感じ(^O^)
6.20018年6月20日、一寸歪な左の補虫嚢と、ややスレンダーな右の補
  虫嚢
7.こちらから二枚は今朝2018年9月18日に撮ったもので、こちらは4番
  目位に発生した腋芽に着いたロアー
8.こちらはアッパー手前のミドルってところだろうか。未だ結構色合いは濃い
  主茎の頂芽が膨らみ花穂が少し表れてきた。未だ雌雄は判らないが♂だった
  ら良いなあ~なんて。タイミング的に合えばNO-1個体と…(ΦωΦ)フフフ…
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