本日は、N.Effulgent Koto×Fukakusaの交配‐その8について紹介します。

①交配番号 :NO.28
②交配親  :N.Effulgent Koto[♀]×Fukakusa[♂]
③交配日  :2013年9月30日
④採取日  :2014年1月23日
⑤播種日  :2014年1月27日
⑥発芽確認日:2014年4月8日

種子親のN.Effulgent Kotoは、河瀬晃四郎氏が1974年から1983年にかけて作出された56種類程ある古都シリーズの内の一品種で、1978年に作出されたものです。非常に育てやすい強健種の両親から生まれた種ですので、当然のことながら超育てやすいです。低温・高温にとても強く、非常に根張りが良く成長も速く、良く着袋してくれる品種で、初心者の方に超お勧めなのですが、少々芸が足りないところが不人気の一因でしょうか。
一方花粉親のN.Fukakusaは、1964年に豊島正巳氏がN.rafflesianaとN.Dyerianaを交配して作出されたN.rafflesiana寄りの品種です。種小名は氏の居住地名が冠されています。我が家の個体はずんぐりむっくりになる雄株ですが、ややスレンダーな独特な風貌になる雌株も存在する様です。ロゼット状の時期は成長が至って緩慢ですが、一旦徒長を始めると成長は早くなります。
この両親を交配してみましたが、何と言ってもN.mirabilis、N.thoreliiの血を引く種子親の強健さが売りになる品種になってくれることをコンセプトにしました。後はどれだけ花粉親の性格が表れてくれるかですが、今のところ嚢の雰囲気はN.Fukakusaに似て斑模様が良く表れている様です。特にNO-3個体はN.Fukakusaの襟も大分再現されているようにも思います。現在NO-1、NO-2、NO-3の3個体だけ手元に置いていますが、気長に成長過程を見守っていきたいと思います。
2015年の5月連休に1個体だけビニールポットから縦長のブラ鉢に、プリンさんオリジナル用土で鉢増ししました。他のビニールポット苗も少しずつ大きくなってきましたので、チョボチョボ植替えしていきました。最終的には雰囲気の異なる三個体を残す予定にしていたのですが、2016年未だ植替えしていない個体が1つ見つかりまして、6月に鉢増ししましたので、この個体も暫くNO.4として見守っていましたが、ある程度大きくなってきましたので、昨秋里子に出て貰いました。NO.2個体はとても成長が遅くずっと愚図りぎみで、草姿もボロボロ状態が続いていましたので、残念ながら諦めることに…と思っていたのですが、ほかすことが出来ずに棚に置いてありました(^.^)。現在は戸外で直射バンバン下で栽培していますが、多少は焼けがあり成長も緩慢ではありますが、チョビチョビ育ってくれている様です。下段写真左から、

1.種子親のN.Effulgent Kotoで、ロアーは翼や蓋の裏がやや赤みを帯びるが、
  ミドル~アッパーはほぼグリーン一色になる。芸が少なく人気はないが、非
  常に強健種で良く着袋してくれる品種
2.花粉親のN.Fukakusaは、殆どrafflesianaではと見まがうほど良く似ている
  が、リップのストライプ等はDyerianaの影響が出ている雰囲気。結構大きく
  なるので見応えのある秀逸種
3.蒴果と種子。雌花の数は少なかったが、結実は良く種子はボチボチ採れた
4.こちらは発芽を確認した2014年4月8日に撮ったもので、双葉が展開し
  ているのは1芽だけだったが、その後ボチボチ発芽してきた
イメージ 1

1.2014年5月13日に撮った播種鉢内の様子で、ボチボチ発芽してきた様
  子
2.2014年5月22日、一寸小さくて見辛いが、本葉が展開してきたので、
  取敢えず第一陣としてセルトレーに12芽植替えをした。左の二列~四列が
  本種
3.2014年7月8日、何んとか活着したようで、本葉が少しずつ展開してき
  た様子
4.2014年10月20日に撮ったもの。先ずは二株ビニールポットへ植え付
  けた。今後も週末にチマチマと植替えをしていかなければならないが、他の
  品種もあるので中々思い通りに進まない
イメージ 2

1.2015年1月19日、セルトレーからビニールポットへ中々植替えが進ま
  ない。この日はこの1鉢のみ
2.2015年4月14日、2個体をビニールポットへ植付けたところ
3.こちらから2枚は2015年5月19日に撮ったもので、こちらは、5月5
  日にビニールポットから縦長のブラ鉢に、プリンさんオリジナル用土で植え
  付けたその後。鉢増しなので問題なく活着してくれている様子
4.ビニールポット植えの固体。そろそろ植替えが必要。今週末辺り時間を取っ
  て植替えを予定しよう
イメージ 3

1.こちらから二枚は2015年11月19日に撮ったもので、こちらは5月5
  日、最初に植替えしたNO.1個体。三株とも直射日光下の同一場所で栽培して
  いるが、この個体は特に葉焼けする感じ。唯、致命的な葉焼けではないので
  今も直射光下で栽培継続中だが、夜間は温室内に取り込んでいる。間もなく
  終日温室内栽培の予定
2.こちらは左写真のNO.1個体に出来た嚢。全体的にピンク色地に赤の斑模様が
  入ると共に、リップにはストライプが認められる
3.2016年5月18日、NO.1個体に出来た嚢だが、色合いはやや薄くなって
  きたものの、翼は比較的大きい
4.2016年5月15日、NO.1個体の嚢で、色合いといい、翼といい、翼の柄
  といい、とても良い感じになってきた。リップの大きさはそれほどではない
  が、そのストライプや、翼の広がり、その色合いや柄は中々良い感じで、花
  粉親であるN.Fukakusaの特徴が良く表れている個体だと思う
5.こちらは2015年5月28日にビニールポットからブラ鉢へ植替えした、
  NO.2個体。本個体は直射ガンガンでも全く葉焼けしない。中肋がやや赤味を
  帯びる程度
6.2015年11月19日に撮ったNO.2個体の嚢。表面は萌黄色地に赤の斑模
  様が入る。リップは鮮やかなグリーンでストライプは入らないが、エッヂ部
  分に臙脂色のアクセントが載る
7.冬場に管理不手際により今でも愚図っている様で、袋も大分後退した感じに
  なってしまった(;_:)
イメージ 4

1.こちらから二枚は2015年11月19日に撮ったもので、こちらはビニー
  ルポットからブラ鉢へ植替えしたばかりのNO.3個体。未だめっちゃ小さいね
2.NO.3個体の嚢で、色合いはNO.1個体とNO.2個体の中間的な感じだろうか。唯
  嚢の形は一寸面白くなる予感が・・・・。リッブにはストライプが載っており、
  何となく大きくなる予感が・・・・
3.2016年7月12日、NO.3個体の嚢で、襟の部分が大分せり上がってきた
  感じ
4.2016年8月4日、NO.3個体の最新の嚢
5.こちらは2016年8月22日に撮ったNO.3個体の最新の嚢。雰囲気的には
  良い感じかな
6.2016年6月20日、全て植替えが終了したと思っていたが、棚の隅から
  ひょっこりとビニールポット苗が出てきたので、4号ブラ鉢に鉢上げした
7.こちらから二枚は2016年8月22日に撮ったもので、こちらは左写真の
  個体(一応NO.4個体として管理)のその後、徐々に大きくなってきている雰
  囲気
8.最新の補虫嚢。雰囲気的にN.Fukakusaに似ている様なので、この個体も暫く
  経過観察する事にした
イメージ 5

1.こちらから七枚はすべてNO.1個体。2016年9月7日に撮ったロアー。残
  している個体の中では一番赤味が濃い感じ
2.2016年11月27日、こちらの嚢は襟の一部分が欠落してる
3.2017年1月3日、襟の形状は殆どN.Fukakusaに似ていない様だ
4.こちらから四枚は今朝2017年2月16日に撮ったもので、腋芽に出来た
  ロアーだが、色合いが随分と薄い
5.こちらも別の腋芽に出来つつあるロアー
6.左嚢の後ろに写っている3つの嚢も全て本種のもの
7.こちらは一番左の嚢と二番目の嚢のツーショット
イメージ 6

1.こちらから四枚は何れもNO.3個体。こちらから二枚は2016年10月12
  日に撮ったもので、こちらは最新の補虫嚢。襟が徐々にせりあがってきた感
  じ
2.一つ前に出来た補虫嚢。襟のせり上がりが少ない
3.2016年11月8日、ミドル辺りになってきた補虫嚢。この雰囲気は花粉
  親のN.Fukakusaに良く似る
4.こちらは2017年2月16日に撮ったもの。色合いも掠れてしまい何かめ
  っちゃショボくなったよ~
5.こちらから四枚は何れもNO.4個体。2016年10月12日、一番ポチャっ
  とした感じの補虫嚢で、色合いが中々渋い
6.こちらから三枚は今朝2017年2月16日に撮ったもので、こちらは現在
  の株姿。少しずつだが大きくなってきた。こちらの葉身は結構照葉な感じ
7.一つ前に出来たロアーで、結構濃い色合いが渋いと思わない(・・?
8.こちらは最新の補虫嚢。ややスレンダーぎみになってきた(・・?
イメージ 7

1.こちらから四枚は何れもNO.1個体。こちらから二枚は2017年5月3日に
  撮ったもので、こちらは主茎に着いた未だロアー辺りの捕虫嚢
2.こちらも主茎に着いた最新の捕虫嚢
3.こちらから二枚は2017年9月2日に撮ったもので、こちらは主茎に着い
  たロアー
4.こちらは腋芽に着いたロアー。ややスレンダー気味
5.こちらから四枚は何れもNO.2個体。こちらは現在の株姿だが、何時まで経っ
  ても調子が上がらない。唯、良く着袋してくれてはいるが…
6.もうすぐ枯れそうな主茎に着いたロアー。嚢はボチボチの感じ(^<^)
7.こちらは最初の腋芽に出来たロアー。グリーン地にスポットが良く映える
8.二番目の腋芽に着いたロアー。捕虫嚢自体は小さいが、何となく好み(^^♪
イメージ 8

1.こちらから二枚は何れもNO.3個体。こちらは2017年5月18日に撮った
  もので、リップが一番N.Fukakusaに似ている個体
2.こちらは2017年9月2日に撮ったもの。リップが結構赤いが大分崩れた
  感じになってる
3.こちらから三枚は何れもNO.4個体。こちらは2017年5月11日に撮った
  もので、主茎に着いたロアー
4.2017年6月16日、現在成長途中の左の嚢と、右は左写真の捕虫嚢のそ
  の後
5.206017年6月20日、開いたばかりのロアー
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1.こちらから三枚は何れも2017年9月2日に撮ったもので、NO.5個体とし
  て管理。棚の奥にビニールポット苗があったので、早速植替えの為根鉢を外
  した状態。根がすごいことになっている。根張りはとても良い様である
2.4号プラ鉢に鉢増しした様子
3.最新の捕虫嚢だが、未だ派手さは無い
4.こちらから二枚は2017年9月2日に撮ったもの。状態はイマイチだが早
  く元気になって欲しい。今秋里子に出て貰う予定
5.最新の捕虫嚢だが、リップがごく普通な感じ
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1.こちらから八枚は何れも今朝2018年8月30日に撮ったもので、こちら
  から四枚はNO-1個体。こちらは腋芽の最初の頃に着いたロアー
2.こちらは少し伸びた腋芽に着いたロアー
3.別の腋芽の最初の頃に着いたロアーだが、これは随分と色合いが悪い様だね
4.徒長した枝に着いたミドル寄りの補虫嚢
5.こちらから四枚はNO-2個体。こちらは現在の斑株姿。腋芽は4芽発生してい
  るのだが、成長は相変わらず緩慢である。戸外で直射バンバンで時々乾き過
  ぎて萎れ気味になっていることがあり、若干葉焼けを起こしているものの大
  丈夫だろう
6.左の補虫嚢は元々から蓋が欠損している。右は別の腋芽に着いたロアー
7.こちらも別の腋芽に着いたロアー。何となく憎めない感じの色合いとスポッ
  トではないだろうか(*^^)v
8.次に成長途中のロアーの赤ちゃん
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1.こちらから八枚は何れもNO-3個体で、N.Fukakusaに雰囲気が良く似ている
  様である。こちらから二枚は2018年7月11日に撮ったもので、こちら
  は腋芽の最初の頃に着いたロアー
2.次に成長しつつあるロアーの赤ちゃん。格好はN.rafflesianaを一寸彷彿と
  させる感じでは(・・?
3.こちらから二枚は2018年8月3日に撮ったもので、こちらは未だロアー
  辺りだろうか
4.大分リップがせり上がってきている雰囲気(^^♪
5.こちらから四枚は今朝2018年8月30日に撮ったもので、こちらは腋芽
  に着いた最新のロアー
6.こちらは二つ前に着いたロアー。結構スレンダーな感じ(^-^;
7.今年2018年5月24日に挿し木を実施したもので、既に潜芽が動き出し
  葉身が展開し始めた。頂芽枝×1と節間枝×1の二本挿した。この交配では
  一番お気に入りなので本個体を増やしていくことにした
8.節間枝挿しのは七底を確認したら、根がボチボチ見え始めているよ~(^^)v
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