本日は、N.gracilis×khasianaです。

①人工交配 :N.gracilis×khasiana
②入手時期 :2012年10月
③入手元  :うつぼの郷殿
④成長度合 :早い
⑤栽培難度 :簡単
⑥挿し木  :挿し木は難、取り木増殖可能との事だが、今回鹿沼土挿しで成功
⑦嚢の大きさ:我が家ではMax18cm程
⑧雌雄   :♂、9月~10月頃

本種は一説によると自然交配種ではと言われている様ですが、N.gracilisはカーシア地方には自生していない筈ですので、人工交配種ではないかと思います。両種の性格が良く表れているのか、成長はとても早く良く着袋してくれます。1年足らずで既に1.5m程度伸長しました。その後も伸長を続け温室の屋根を這うようになってきましたので、カットし挿し木にしました。非常に難しいと云われる挿し木ですが・・・・。
2014年5月に挿し木をして10月になり漸く1~2mm程度の根が生えてきたのですが、気温の低下と共に12月には力尽きてしまいました。やはりとても難しいようですが、発根は確認できましたので、高温を保てば何とかなるのかもしれません。2015年にも実施したのですが、同様敢え無く潰えてしまいました。そこで昨年は再々リベンジという事で、以前は水挿しでアウトでしたので、昨年は小粒鹿沼土に挿してみました。6月に挿したのですが、5ヶ月経過しても動きが無く、下葉が徐々に枯れてきましたので、アウトではないかと思っていました。が、その10日後にいきなり芽が動き始めたのです。その後、順調に葉身を展開して先月には初めて着袋しました。何と、挿し木に成功しましたよ~(^O^)。そこで今回はこの挿し木について記事にしました。知見を得たというには早すぎますが、何となくこうすれば、と言う感じが掴めたように思いますので、この5月には再度同様のやり方で挿し木をしてみようと思います。今回成功した理由として、
1.従来挿し穂は節間で葉身2枚を穂木としましたが、発根に時間を要する為、発根
  してきた頃には葉身が力尽き失敗。今回は頂芽で5枚の葉身を付け実施したとこ
  ろ発根時期に葉身が二枚程朽ちましたが、何とか残りの葉身が持ち堪えてくれま
  したので、成功したのではないかと思います
2.水差しだと発根時期に水が高温になりすぎて駄目だったのかもしれません。鹿沼
  土挿しで麻路の腰水としたことで、根回りの温度がさほど上昇せず成功したので
  はないかと思います  
本種は腋芽も発生しやすく、ややグランドもどきになる所等、N.gracilisに似ている様です。又、他の品種と比べ特に根張りが良く、鉢の表面にびっしりと根が出てきています。その割には挿し木が難しいのが不思議です。根部は通気性を好むのでしょう。草姿全体としてはN.gracilisの形質が大きい様で、それにN.khasianaの大きさがミックスされた感じでしょうか。中々趣のある良い品種だと思います。特に光線を非常に好むようですので、十分陽に当てがっちりとした草体にするのが良いと思います。光が十分に当たるととても色合いの濃い茶色になります。それに斑模様が入り、補虫嚢の下腹部がぽっちゃりと膨らんでN.boschianaを思わせる様な形。又、口の部分がグリーンとなり引きしまった感じに見えます。襟の根基部分のみ色合が薄くなり、丁度N.albomarginataの様にハチマキをしている感じが見てとれます。N.Ville de Rouenでもこの様な構造をしていますね。
この特徴的な品種を片親にした交配種を作出しましたが、果たしてどんな子ができるのか楽しみです。まだまだ極小苗ですので、今現在雰囲気的に色合いだけ似ている感じでしょうか。交配種の記事はこちらから。写真下段左から、

1.入手した翌日の2012年10月25日に撮った草姿で、親芽と立派な腋芽
  が発生してたが、この親芽は暫くして力尽きた
2.2013年8月5日、親芽は無くしたが、腋芽があれよあれよという間に伸
  長してきた。葉身の形態、葉身基部が沿下する所などグラシリスに良く似る
3.2013年10月5日、現在親芽は1.5m程度伸長しているが、株元から
  腋芽が発生してきた。2芽程確認できる
4.2013年11月4日、腋芽は更に増え3芽となった。全てが順調に成長し
  たら凄いかな?
5.2013年11月25日に撮った腋芽の様子。3芽ともすこぶる順調な様子
  素焼鉢に植替えて1年足らずだが、それにしても根張りがすごい状態。鉢の
  縁のみならず、全面から根が出てきている。それで成長が良いのだろうか。
  根が非常に通気を好む証拠なのかもしれない
6.2014年1月16日、いよいよグランドもどきが出来始めた様子
7.2014年2月15日、とっても色合いの濃い超ロアーで、下腹部がポチャ
  っとしていて可愛い
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1.入手した当日の2012年10月24日に撮った補虫嚢のアップ。中々面白
  い形をしている
2.2012年11月3日、我が家に来て初めての嚢が膨らみ始めた様子
3.2013年5月16日、環境の違いによって随分イメージの異なる色合の嚢
  ができる。これは日陰にできた嚢でグリーンっぽいが、その分斑模様がクッ
  キリとしている
4.2013年7月16日、陽に良く当たると濃い茶色に色付き、斑模様も殆ど
  目立たない。襟がグリーンで引きしまった感じ。且つ襟の根基部分のみ色合
  が薄くなり、アルボのハチマキみたいに見える
5.2013年8月5日、高温に強く強い光が当たるととても良い塩梅の嚢がで
  きる
6.2013年8月30日、補虫嚢と蟻。本種は結構蜜が出てくるようで、蟻が
  徘徊している姿を良く見かける。右奥は成長中の未開の嚢
7.2013年11月25日に撮ったもので、出来て1ケ月以上経過した補虫嚢
8.こちらも同日の11月25日撮った別の嚢。おおよそ15cm程度だったが、
  もう少し大きくなると思う。本種は高温にめっちゃ強いが、低温(18℃以
  下)になると着袋しなくなる。現在成長中の嚢が1つあるが、今シーズンは
  これで終わりかな
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1.2013年12月19日、最初何か良く分からなかったが、ルーペで確認し
  てびっくり。全て蟻の残骸ではないか。重さに耐えかねて嚢基部で折れてし
  まったのだろうか。本種は特に蜜の発生が良く、茎、葉身、嚢表面等至る所
  から噴出しているので、絶えず蟻の『死への行列』が見られる
2.2014年6月20日、出来たてのおぼこい嚢
3.二日後の2014年6月22日に撮ったものだが、二日で結構色が濃くなっ
  てきた
4.2014年9月30日に撮った花序(雄花)。時間がなく慌てて撮ったので
  見辛いのはご勘弁の程
5.こちらも同9月30日に撮ったもので、2m以上伸長した親芽に出来たアッ
  パー。やや色落ちはあるもののしっかりと残っている
6.これも同9月30日に撮ったもの。腋芽が30cm程度伸長し、それに付い
  たミドル辺りの嚢。ロアー~アッパーまで殆ど変化が無く二形性は示さない
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1.2014年11月11日に撮ったアッパー
2.こちらも同11月11日に撮った生長途中のアッパー
3.2014年11月23日、左写真のその後。本種の左に写っている大きな嚢
  はN.rafflesiana
4.2014年11月26日、本種は特に汐吹じゃなかった、蜜の量が凄く、こ
  の様に嚢全体および、葉身から茎に至るまであちらこちらに蜜腺があり噴き
  出す噴き出す。笑
5.こちらから二枚は2015年8月31日に撮ったもので、こちらはアッパー
6.こちらもアッパー。最近腋芽が無いので、魅力的なロアーが全然拝めない
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1.2016年2月6日、既に1.5m程度伸長した枝に出来たアッパー。蜜の
  量が半端ないね~
2.こちらから五枚は2016年10月26日に撮ったもので、こちらは1m以
  上伸長した枝の途中から発生した腋芽に出来た嚢
3.こちらもその腋芽に出来た最初の嚢で、色合いはやや濃い目
4.こちらがその腋芽
5.こちらはべつの腋芽。太い茎の節々から8芽程度腋芽がこの様に発生し着袋
  している。空中コロニーになりつつある(・・?
6.こちらも茎の途中に発生した腋芽に出来た補虫嚢。これも結構蜜が噴出して
  いるよ~。本種の蜜はほんのりと甘かったぜよ!(^^)!
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1.2016年6月13日、この6月6日に挿し木したもの。挿し木は無理との
  話であるが、前回水挿しで僅かながら発根が確認できたがその後力尽きてし
  まった。従って今回は鹿沼土小粒でリベンジしたところ
2.2016年10月26日に撮ったもので、こちらは左写真挿し木のその後。
  枯死してはいないが殆ど頂芽が動かない。穂木の力で小さな葉身が二枚程展
  開したが、その後音沙汰なし。これも失敗だろうか。もう少し様子を見たい
  駄目だったら、来春は初めての取り木に挑戦してみようかな。既に最下位の
  葉が朽ちた
3.2016年11月17日、下から二枚目の葉身も朽ち初めてきたぞ~。それ
  に芽は殆ど動く気配なし。気温が低下してきているので、やはり挿し木は無
  理だろうか
4.2016年11月27日、オォ~\(◎o◎)/! 何時の間にか芽が動き始め
  たではないか。これはなんとなく発根したって感じ(^O^)
5.2017年2月1日、オォ~、既に元気な葉身が三枚程展開してきた。役目
  の終わった下葉が二枚程朽ちた。お疲れ様!
6.2017年3月11日、四枚目の葉身が展開してきた。それに補虫嚢が1つ
  出来たよ~。間違いなく挿し木は成功!
7.こちらから二枚は今朝2017年4月9日に撮ったもので、こちらはその後
  の株姿。五枚目の葉身が展開した。役目を終えた下葉が殆ど朽ちた
8.こちらは3月初旬に出来た補虫嚢。本種は高温が好きな品種なので、これか
  らの成長が大いに期待できる\(^o^)/
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