本日は、N.maxima Watutau dwarf×Noboriryuの交配‐その6について紹介します。

①交配番号 :NO.40
②交配親  :N.maxima Watutau dwarf[♀]×Noboriryu[♂]
③交配日  :2013年11月11日
④採取日  :2014年2月14日
⑤播種日  :2014年2月19日
⑥発芽確認日:2014年3月31日

N.maximaは非常に分布域が広く、スラウェシ島、ニューギニア島、マルク諸島等に自生しています。生息域が広いため変異も大きい様です。この種子親はN.maximaの中でも比較的小柄な華奢な感じです。ロゼットの頃はガッチリとした感じの草体ですが、直ぐに徒長しヒョロヒョロっと伸長します。雰囲気的にはTentenaと似ているようです。下位補虫嚢は淡緑色に、赤、紫のストライプが顕著になりとても美しく、アッパーは独特な尻ずぼみになります。
一方花粉親のN.Noboriryuは、N.Balmy Koto(N.thorelii×maxima)とN.khasianaの3種混合交配です。低地性種と高地性種の組み合わせで、低温、高温、乾燥に良く耐える強健種です。
N.Noboriryuも25%N.maximaの血が入っており雌雄の相性は良かったのですが、雌花の数がとても少なく僅かな量しか採取できませんでした。唯、種子自体の発芽は良かったのですが、その後の成長が全く芳しくない状態が続きました。現在はボチボチ生長してきていますので、一応4株残して生長を見守っていますが、本種は個体差が非常に少ない様で、何れも殆ど似たり寄ったりの感じです。
この交配はN.maximaの血が濃いので、当然N.maxima寄りの個体が出来そうに思っていたのですが・・・・。雰囲気的にはN.Noboriryuが優性遺伝(顕性遺伝)の様な感じがします。
暫くの間はとても生長が緩慢でしたが、縦長ブラ鉢に鉢増し後から生長の勢いが増してきたようです。現在ではNO-1個体は1.5m程徒長し昨年10月に開花、NO-2個体は1m程、NO-3個体も1mに届きそうな勢い、NO-4個体は植替えが遅かったこともあり未だ40cm程度の成長です。状況を観察するにN.Noboriryu以上に大きくなる感じで、現在の葉身は蔓を含めずに50cm弱になっており、とても場所をとってしまいました。( ̄∇ ̄;)ハッハッハ。
N.Noboriryuを花粉親にした兄弟を5品種程育種していますが、本種が一番精力絶倫の様です( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \。下段写真左から、

1.種子親のN.maxima Watutau dwarf、典型的なN.maximaのアッパーか。
  細身の品種ではあるが、ロアー、アッパーとも本種としての趣きを感じる 
2.花粉親のN.Noboriryuで、N.khasianaの血が入っているためか、結構大き
  な嚢を付ける。30cmを越すペンシル型の嚢は中々良い感じだが、成長
  が兎に角早く、2m/年近くになる
3.蒴果と種子。雌花の数が少なく、ごく少量の種子しか採れなかった
4.2014年4月1日に撮った実生。未だ数は少ないがボチボチ発芽してき
  ている
5.2014年5月13日、発芽して1.5ヶ月程度経過した実生鉢内の様子。
  発芽自体は中々良い感じ
6.2015年1月22日に撮ったもので、やっと1株だけビニールポットへ
  鉢上げ出来た。他の3株は未だ鉢上げには程遠い。発芽自体はすこぶる順
  調だったが、その後の生育が全然思わしくなく、後数個体だけセルトレイ
  に残っているのみ。果たして無事に成株になってくれる個体はあるのだろ
  うか
7.2015年2月20日に撮ったもので、4株のうち右下の1株が左写真の
  その後の様子。若干大きくなったかな?他の三株はこの20日に植替えた
  もの
8.2015年5月19日、次に大きくなってきた3株をビニールポットに植
  替えした状態
イメージ 1

1.この4枚は何れもNO-1個体で、2015年3月20日に撮ったもの。最
  初に1株ビニールポットへ植替えた個体で少しずつ大きくなってくる兆し
  が・・・・
2.2015年5月27日、雰囲気的に良い感じになってきたので、縦長ブラ
  鉢に砂利系混合用土で鉢増しした
3.2015年7月10日、明らかに成長速度が加速してきた感じ
4.こちらは2015年8月8日に撮ったもので、更にバカでかい葉身が展開
  してきたぞ~。何とか成株までもっていけそうになってきた
5.2015年9月8日に撮った株姿
6.2015年10月19日、遮光なしで栽培しているので若干葉焼け気味だ
  が全く問題無い。N.Noboriryuの強健さか
7.2016年2月17日に撮ったもの。晩秋から温室内栽培に切り替えたた
  めやや光線不足か青瓢箪っぽいが、更に大きな葉身が展開してきている。
  どうもN.Noboriryuの樹勢そのままの様な感じが・・・・
イメージ 2

1.こちらから六枚は何れもNO-1個体で、2015年5月18日に撮ったも
  の。ボチボチ着袋しているが、未だ海の物とも山の物とも‥
2.2015年6月25日に撮った補虫嚢
3.2015年7月10日、どっちつかずの雰囲気
4.2015年8月6日、こちらの嚢はリップがやや赤く色づいている
5.こちらから二枚は2015年8月8日に撮ったもので、こちらは一つ前に
  出来た補虫嚢
6.こちらは最新の補虫嚢だが、そのまんま「のぼりりゅう」やんって感じ。
  今から化けてくれることを期待しよう
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1.こちらから八枚は何れもNO-1個体で、こちらは2015年8月17日に
  撮った補虫嚢。やっと斑模様がわかる様になってきた
2.2015年9月2日に撮った最新の補虫嚢
3.2015年9月26日、オォ~大分良い感じの柄、色合いになってきた
  ぞ~
4.2015年10月11日、生長途中の補虫嚢
5.2015年10月19日、未だロアー辺りの嚢の様で、柄、色合いと共
  にリップの色合いも増している感じ
6.2016年1月7日、気温の低下と共にやや小ぶりになってきた
7.こちらから二枚は2016年2月17日に撮ったもので、こちらは一つ
  前に出来た補虫嚢
8.左は二つ前に出来た補虫嚢で、右は最新の補虫嚢。出来て間もないので
  未だ色合いは薄いが徐々に濃くなっていく。大きさは12cm程度
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1.2015年8月9日に撮ったもので、NO-2個体をビニールポットから縦
  長ブラ鉢に植付けた様子。未だ華奢な感じの株
2.2016年2月17日に撮ったNO-2個体のその後。少しずつがっちりと
  した感じになってきた
3.2015年10月23日に撮ったもので、NO-3個体をビニールポットか
  ら縦長ブラ鉢に植付けた様子。こちらも未だ華奢な感じ
4.2016年2月17日に撮ったNO-3個体のその後。場所的に光があまり
  当たらないので、めっちゃ青瓢箪。(^▽^)/
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1.2016年5月29日、NO-1個体に出来たもので、割と柄がしっかり表
  れている
2.2016年7月16日、こちらもNO-1個体に出来たもので、掌に載せて
  みたが、今のところ概ねこれ位の大きさで20cm弱といったところか。
  この個体は既に徒長しており、温室内の片隅にあり、他品種の陰になっ
  ており50%程度の光線量の為か、色合いが薄い
3.こちらから六枚は2016年8月15日に撮ったもので、こちらは生長
  途中の補虫嚢だが、蓋が何か変形している感じ
4.左写真の個体もこの個体も屋外で強光線ガンガンで育てているが、風通
  しが良いせいか葉焼けは殆ど見られない。十分な光線量の為か、発色は
  とても良い感じ。何れの個体もN.Noboriryuに良く似る
5.戸外栽培品で既に徒長を開始している個体。地際から腋芽が二芽発生し
  てきている。他の個体も腋芽が発生してきており、本種は腋芽の発生が
  とても良い様である
6.左写真の個体の葉身を撮ったもので、これで蔓を含まずにリーフスパン
  が40cm程度
7.左から二番目の個体の腋芽にできたロアーだが、柄も色合いも有ったも
  のではない(ΦωΦ)フフフ…
8.こちらは戸外栽培品の別個体で生長中の嚢。本種は個体差が殆ど無い様
  だね~
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1.こちらから四枚は何れもNo-1個体。こちらは2016年9月13日に撮
  ったもので、既にミドル寄りの補虫嚢
2.2016年10月6日、既に1m以上徒長し雄花が咲き始めた
3.2016年10月8日、いよいよアッパー気味の補虫嚢になってきた。
4.2016年11月12日、こちらは一つ前に出来た補虫嚢。N.Noboriryu
  に似るが、こちらの方がズングリとしている
5.こちらから二枚はNo-2個体。ロアーからややミドルへ移行中ってところ
  だろうか。色合いは結構ダークな感じ
6.主茎は既に1m以上徒長し、腋芽が3芽程発生してきている。本種はとて
  も腋芽の発生が良い。腋芽の最初の頃に出来たロアー
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1.こちらから四枚は何れもNo-3個体。こちらは2016年9月1日に撮っ
  たもので、未だ戸外栽培中のもの。既に嚢は18cm程度まで成長してき
  た
2.2016年11月27日、この個体は早めに温室内に取り込んだので、次
  々に着袋してくれている
3.2017年1月1日、この個体も二芽程腋芽が成長してきており、その腋
  芽の最初の頃に出来たロアー
4.こちらの個体も1m弱迄成長してきた。既にミドル辺りの補虫嚢になって
  きた模様。時折気が向いたかの如く襟にストライプが僅かに入る。左手前
  及び左奥のロアーも本個体の腋芽に出来たもの
5.こちらから四枚は何れもNo-4個体。こちらは2016年9月5日に撮った
  もので、今までの中で一番色合いが濃い様だ
6.2016年12月20日、この個体は未だ40cm終章だが、既にミドル
  辺りの補虫嚢になってきた雰囲気
7.こちらから二枚は今朝2017年2月17日に撮ったもので、こちらは一
  つ前に出来たミドル辺りの補虫嚢
8.こちらは最新の補虫嚢。1個体の内このNo-4個体が一番色合いが鮮明のよ
  うに思う。唯、本交配種は個体差が殆ど無い感じだ。右奥の成長途中の嚢
  も本個体
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