本日は、N.clipeata×ventricosaです。

①人工交配 :N.clipeata×ventricosa
②入手時期 :2014年2月
③入手元  :Hero's Pitcher Plants殿
④成長度合 :早い
⑤栽培難度 :簡単
⑥挿し木  :水挿しで簡単に発根
⑦嚢の大きさ:我が家では今のところMax23cm前後
⑧雌雄   :♀、10月頃

種子親のN.clipeataは、ボルネオ島の西カリマンタン、シンタン近くにあるケラム山の600~800m辺りの花崗岩塊の崖にへばり付く様に自生していましたが、乱獲と近年の山火事でその場所はほぼ絶滅したと聞いています。しかし、他の場所で新しく発見されたとの情報も聞きます。
N.clipeataの地下部は半ばミズゴケに埋もれた状態ですので、根部は通気性の良い環境になっているのだと思います。補虫嚢の形も独特なもので、とても興味をそそられる品種ですが、高価で手が付きません。又、栽培についてもいささか難物の様で、私の様な未熟者には無理でしょう。(ノ_・。)
一方花粉親のN.ventricosaはフィリピンの固有種で、シブヤン島、ルソン島ボントックバナウェ地方やマヨン山等の高地に自生する品種で古くから知られています。低温、乾燥にとても強く耐暑性もある強健な原種です。補虫嚢も種小名の通りいびつな形をしていますが、クリーム等は自然の芸術と称してもおかしくないほど素晴らしいものです。
この独特な2品種が親の本種も、とても独特な雰囲気を醸し出してくれる逸品だと思います。色・柄、形が何とも言えない『はんなり』とした感じがたまりません。草勢も非常に強く良く伸長します。腋芽の発生もとても良い様です。
本種は、中肋、蔓及び新芽の辺りが真っ赤に色付きますが、時間の経過と共に落ち着いた色合いになるようです。最初の腋芽は既に1m以上伸長しましたのでカットして挿し木にしました。又、一昨年の6月には地際から二番目の腋芽が発生してきました。昨年になって既に三番目と四番目の脇芽が発生して生長中です。そこで、昨年主茎をカットし、頂芽枝×1、節間枝×2の3本水挿ししました。挿し木も容易な様です。何れの子苗も里子に出て貰いました。(#^.^#)今年も又腋芽が発生し生長中です。
今年も既に花穂が4本上がって雌花が咲いています。昨年交配を試みましたが、稔性が悪いのか失敗に終わってしまいました。(´;ω;`)ウゥゥ 今年も一応トライしていますが、果たしてどうなるでしょうかね。(*^-^*) 下段写真左から、

1.2014年2月23日に撮った株姿全体。両種の、とりわけN.clipeataの雰囲
  気が良く出ている
2.同日に撮った先端部分の茎と芽。非常に色合いが濃く真っ赤になるが、時間の
  経過と共に徐々に薄れていく
3.こちらは葉身の先端と蔓を撮ったもの。中肋の裏側が赤くなるのは他の品種で
  も見られるが、この種は表も赤く染まり、且つ、蔓も真っ赤になる。
  唯、N.clipeataの様に葉の中肋途中から蔓が伸出する事はなく、一般種と同様
  にほぼ先端から伸出している。ボチボチ徒長の気配があり、徒長すると途中か
  ら伸出してくるのだろうか?
4.2014年8月12日に撮った草姿全体。現在2芽立ちだが嚢が長持ちするの
  で、結構鈴なりに近くなり見応えがある
5.こちらも同日の8月12日に撮ったもので、6月に腋芽が地際より発生し、徐
  々に成長してきた。着袋は未だだがもう少ししたら超ロアーが拝めるだろう
6.2015年2月15日に撮った株姿。真中が主茎で、右端が最初に出来た腋芽
  既に親芽を凌駕しており80cm程度に伸長した。今年は本茎をカットして挿
  し木に挑戦しようと思う。左の茎が二番目に発生した腋芽
7.2015年5月6日、地際より三番目の脇芽が発生してきたところ
8.2015年7月6日、主茎の途中から発生してきた四番目の脇芽。主茎は挿し
  木の為この5月16日にカットしたが、その以前から発生していたもので、カ
  ット後生長速度が増してきた
イメージ 1

1.2014年2月23日に撮った未開の補虫嚢と出来て間もない補虫嚢、色合、
  柄はN.clipeata、形はN.ventricosa似だろうか。中々良い雰囲気である
2.こちらは別の嚢。下腹部がぽっちゃりとして歪な感じはN.ventricosaに良く似
  ている
3.これは未開の嚢を側面から撮ったもの。中々面白い形で、N.clipeataもこんな
  形になる事が多いが、側面はN.clipeata似?
4.2014年3月8日に撮ったもので、次々と嚢が成長している。この状態では
  さほど特長的ではないが、出来あがるととても美しくなる
5.こちらは出来たばかりの嚢で一寸歪。大きさは直線で21cmだが曲がってい
  るので、伸ばしたらもう少しは有るかもしれない。結構大きな嚢になる様で見
  ごたえは十分
イメージ 2

1.2014年3月30日に撮った成長中の嚢で、結構赤みが強い
2.2014年4月5日、結構色合いが薄くなってきた感じ
3.2014年8月8日、開き始めたばかりの嚢
4.2014年8月12日、3枚目の画像の嚢が開いたもの
5.これも同日の8月12日に撮った出来て1ヶ月程度経過した嚢
6.こちらは既にミドル辺りだろうか、大分ほっそりとして色が抜けてきた感じ
7.こちらは2015年2月15日に撮ったもので、最初の腋芽に出来た嚢
8.これも同2月15日に撮った二番目の腋芽に出来たロアー。この頃は未だ襟の
  角張は殆ど無い
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1.2015年5月10日、オォォーー!! w(゚ロ゚;w(゚ロ゚)w;゚ロ゚)w オォォーー!! スクープ画像
  朽ちかけた先輩の嚢ができつつある嚢を飲み込んでいるではないか。正に共食
  いではないか、何という事じゃ。まあ、こういった光景は良く見かける。
  (^m^)
2.2015年5月21日、食い殺そうとしていた嚢を少し破って救出したら何と
  か成長してくれた。だが、一寸小さめなのは生気を吸い取られたためだろうか
3.2015年6月23日に撮ったもの
4.2015年7月11日、できかけの嚢。先端部分がキョイ~ンとしてる('ω'*)
5.2015年7月22日、左のできかけの嚢が完成した状態
6.こちらから三枚は2015年8月29日に撮ったもので、こちらは最初の腋芽
  についた花序。未だ開き始めたばかりなので一寸見辛いが、雌花
7.こちらは三番目の腋芽に出来たロアーだが、めっちゃスレンダーで、色合いも
  薄い
8.この5月16日に挿し木(水挿しで、頂芽枝×1、節間枝×2)をしていたも
  ので、随分発根した状態。何れも節間枝で、頂芽枝は未だ2~3mm程度の発
  根状態。節間枝の2本はこの日ビニールポットに鉢上げした
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1.2015年9月25日、鉢上げして1ヶ月弱経過した節間枝×2の状態。何と
  か活着してくれたかな(・・? この内1個体はこの後に里子へ出た
2.2016年1月1日、冬場でもボチボチ着袋してくれる
3.こちらから六枚は2016年3月4日に撮ったもので、こちらは昨年末に地際
  から発生した五番目の腋芽のその後の様子。気温が低いのでやや緩慢だが今春
  以降でかくなってくれそう
4.三番目の腋芽にできたもので、左が最新の嚢、右は二つ前の嚢
5.昨年5月に挿し木した節間枝の1個体。こちらも今春には里子に出る予定。何
  かいなくなると寂しいな~(´;ω;`)ウッ…
6.左写真の挿し木苗に出来た最新の嚢。めっちゃショボイね!
7.こちらも昨年5月に挿し木したもので、頂芽枝の1個体。何時まで経っても発
  根量が少なかったのでほったらかしになっていた。瓶から取ってみるとゴワゴ
  ワ根が凄い状態になっている。\(◎o◎)/!
8.左写真の全体。昨秋未だ発根したての状態で開花した。徐々に暖かくなってき
  たのでこの週末には鉢上げを予定。これで既に50cm程度あるので、我が家
  の予備としよう。又、親株の腋芽も大分伸びてきているので、5月頃にカット
  して挿し木の予定
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1.こちらから二枚は2016年3月21日に撮ったもので、こちらは上段写真右
  から二番目のその後であるが、更に根量が増えた様だ
2.早速植替えをすることにした。4.5号ブラ鉢に植付けした様子。もう一回り
  大きな鉢の方が良かったかな(*´∀`)
3.こちらから二枚は2016年5月24日に撮ったもので、こちらは親株に出来
  たミドル~アッパー寄りの嚢だろうか
4.こちらは何番目の腋芽かわからないが、それに出来つつあるロアーで、艶々と 
  している
5.こちらから二枚は2016年6月6日に撮ったもので、こちらは左から三番目
  写真のその後。左の嚢も完全に出来上がっている
6.これも何番目の腋芽かわからないが、出来上がって間もないロアー
7.2016年6月20日、またもや腋芽が発生し生長してきた。左端のロアーは
  この一つ前にできた腋芽に出来たもの。右側に見える赤い茎がそれである
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1.2016年7月7日、今まさに蓋が開きつつある補虫嚢
2.2016年7月15日、左写真のその後を撮ったもの
3.こみちらから五枚は今朝2016年10月16日に撮ったもので、こちらは上
  段写真の左から二番目の挿し木苗の腋芽に出来たロアー
4.こちらは親株の何番目かの腋芽に出来たものだが、色合いがめっちゃ悪い
5.何れかの腋芽に着いた嚢で、只今生長中
6.こちらも何れかの腋芽に出来つつある嚢
7.又開花が始まった。今年は4本花穂が上がってきてるよ~ \(◎o◎)/!、昨
  年交配を試みたが稔性が悪いのか失敗に終わった。今年も一応トライしてみた
  柱頭(stigma)に黄色いものが付着しているが、これが雄花の花粉。この後花
  序全体に10日程度袋をかけて、他の花粉が着かないようにする。簡単に持ち
  運べるものは、10日程度別の場所で管理しその後元の場所に戻す。受粉時期
  は、雌花のガク片に蜜が出てきた頃が良い様である。極力天気の良い日に人工
  受粉させるが、2~3回繰返すと更に受粉率が上がるのではないかと推断する
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