本日は、N.thorelii rubra×viking var boatform ×sib(Ping-Pong系)の交配‐その7
について紹介します。
 
①交配番号 :NO.10
②交配親  :N.thorelii Lecomte. forma rubra[♀]×
       viking var boatform ×sib(Ping-Pong系)[♂]
③交配日  :2012年10月10日
④採取日  :2013年1月27日
⑤播種日  :2013年3月6日
⑥発芽確認日:2013年4月24日

種子親は八丈島の日の出花壇殿由来の品種で、全体的に赤身の強くなるタイプです。低温、高温に強く、良く着袋してくれる優良種で、ロアーとアッパーでは随分嚢の色形が事なり二形性を良く示します。
一方花粉親は、ぷりんさんのオリジナルで、boatform同士をシブクロスさせたものです。小柄ながらもとても丸くコロコロっとした良い形の嚢を付ける個体です。こちらは高温にとても強い品種で、春から秋にかけて鈴なりを呈してくれます。唯、冬場は最低20℃程度ないと着袋はやや難しいようです。
この両種を掛け合わせてみました。結実した種子は充実していましたが、花数が少なかったので少量しか採れませんでした。少量の割には発芽率は比較的高かったようです。
交配して発芽後3年5ヶ月が経過しました。一部灌水が行き届いていなかった個体数株をロストしましたが、大なり小なりはあるものの他の株はほぼ問題なく成長しており、何とか無事に育ってくれました。成長の早い株は、連結ポットから単独ビニールポットへ植え替え、その後更に成長の早い個体をブラ長鉢植えと格上げしました。
昨シーズンで徐々に大きくなってきました。補虫嚢も徐々に個性が表れてきたでしょうか。現在個性の違うものを3個体残してNO-1~NO-3として管理しています。各々の個性が出てきており、何れも地際から腋芽も発生してきており、徐々に地際の腋芽が生長し賑やかになりつつあります。何れの個体もこのシーズン開花しました。♂×2、♀×1でしたよ~。!(^^)!
交配コンセプトとしては、赤みの強い丸い個体で、ソレリー譲りの斑模様がクッキリ入ってくれる事、そして低温、高温、乾燥に耐えれるリビングネペンを目指したつもりですが、我が家の個体に限って斑模様は一寸発現していない様です。もしかしたら里子に出た個体で発現しているものがあるかもしれませんね~。下段写真左から、

1.種子親のN.thorelii rubra、赤みの強い日の出花壇由来の品種で、成長は早
  く良く着袋してくれる優良種
2.花粉親のN.vikingでboatformのsib-cross、ぷりんさんが作出した個体。赤
  みはやや薄めだが、補虫嚢の形がとても丸く良い嚢をつけてくれる
3.発芽して3ヶ月少々経過した2013年8月7日に撮った播種鉢内の実生苗
4.2013年8月14日、本葉が数枚展開してきたので、セルトレイに植替え
  した所
イメージ 1
1.2014年11月2日に撮ったもので、この時点での嚢のバリエーション。
  左から、
 ・種子親にやや似た感じ
 ・こちらも同様、種子親にやや似た感じで色合いは濃くなりそうな雰囲気
 ・とてもポチャッとして可愛い感じ
 ・これも同様に丸々として、花粉親の形状に似ている
 ・画像が小さくて見辛いが、こちらは襟に綺麗なストライプが入る。今のとこ
  ろストライプの入る個体は数株しかない
 ・今のところ一番大きな嚢を付ける個体だが、色合いはイマイチ、形もイマイ
  チで、一寸不細工かも(*'▽')
イメージ 2

1.2014年5月1日、セルトレイから随分はみ出してきた実生苗。ボチボチ
  ビニールポットへ鉢上げしないといけない時期
2.2014年8月19日、ビニールポットへ鉢上げして3ヶ月程度経過した苗
   少しずつ良い感じになってきたところ
3.2014年9月30日、少しずつビニールポットへ鉢上げしている苗。随分
   成長に違いが出てきている
4.2014年11月3日に撮ったもので、ビニールポットへ鉢上げたものの中
  から成長が良い個体を、ブラ長鉢に植え付けて2ヶ月程度経過した状態。気
  温が低下してきたので、古い嚢の枯れ上がりが早くなってきつつある。この
  ポチャッとした感じからして、多分後日NO-1と称するようになった個体だろ
  うか
5.こちらも同11月3日に撮った別の個体。多分後のNO-3個体では(・・?
6.2015年4月10日、三番目に植替えしたばかりの個体。NO-2個体(・・?
イメージ 3

1.2015年8月2日に撮ったもので、こちらは嚢がぽっちゃりした感じのも
  の。以後NO-1個体と呼称する事にした
2.2015年10月19日に撮ったNO-1個体。終日戸外の直射下で栽培してお
  り、大分葉焼け気味だが枯れることはなさそうなので、継続して戸外栽培と
  する予定
3.こちらから二枚は今朝2016年2月14日に撮ったもので、こちらは草姿
  11月以降温室内栽培としているため、光線量が減り葉の色合いも緑っぽく
  なってきた
4.地際からたくさんの腋芽が発生してきた。今シーズンは株立ちになってくれ
  るかも(o^―^o)ニコ
5.2015年7月12日、ややぽっちゃりした嚢で、翼が徐々にフリルの様に
  なってきた
6.2015年9月16日、直射光下で栽培しているせいか、とても赤味の強い
  嚢になってきた模様。思った通り丸っこい感じになって良い感じ
7.2015年10月27日、嚢の丸さといい、翼のフリル具合といい(^▽^)/
8.2016年2月14日に撮ったもの。温室内栽培に切替え光線量が少なくな
  ったので、色合いはめっきり悪くなったが、その分リップの色合いが目立つ
  ようになった
イメージ 4

1.こちらから8枚は何れもNO-1個体。こちらから二枚は何れも2016年5月
  12日に撮ったもので、こちらは主茎に出来た未だロアー辺りだろうが、徐
  々に縦長になりつつある
2.こちらも主茎に出来たもので、右の嚢は出来て1ヶ月程経過、左の嚢は蓋が
  開いたばかりのもの
3.2016年7月17日、こちらは主茎に出来たもので大分縦長になってきた
  ミドル辺りだろうか。それにしてもほぼ正三角形の綺麗な口部
4.2016年9月9日、いよいよ尻ずぼみになってきた様で、蔓もカールして
  きている。ほぼアッパー辺りか
5.こちらから四枚は今朝2016年9月14日に撮ったもので、こちらは全体
  の株姿。主茎は大分伸長し、地際からは数芽腋芽が生長してきており賑やか
  になってきた
6.地際の腋芽の様子をアップしたもので、4芽程出てきている
7.主茎にできた雄花
8.地際の腋芽に出来たロアー。このコロコロとした雰囲気が何とも可愛い
イメージ 7

1.2015年8月2日に撮ったもので、こちらは嚢がやや細長くリップにスト
  ライプが入る個体。以後NO-2個体と呼称する事にした
2.2015年10月19日に撮ったNO-2個体。こちらも大分葉焼け気味だが特
  に気にしない、気にしな~い
3.こちらから二枚は今朝2016年2月14日に撮ったもので、こちらは草姿
  この個体は徒長が始まった雰囲気
4.三個体の内一番遅かったが、やっと地際から腋芽が発生してきた
5.2015年7月14日、やや細長くリップにストライプが入る補虫嚢で、出
  来たての嚢にはこの様にストライプが目立つが、時間の経過と共に目立たな
  くなる
6.2015年8月2日に撮ったもの
7.2015年9月29日、このリップが本個体の特徴で、滑らかで艶っぽい感
  じが中々良い。触るとやはりツルっツル(⌒∇⌒)
8.2016年2月14日に撮ったもの。ロアーの最後辺りの嚢かイメージ 5

1.こちらから8枚は何れもNO-2個体。こちらは2016年2月29日に撮った
  主茎にできたミドル辺りの嚢
2.2016年5月29日、主茎にできたものだがミドルからアッパーへ変身中
3.こちらから六枚は今朝2016年9月14日に撮ったもので、こちらは腋芽
  に出来た最初の頃のロアー。とっても色合いが良い感じ
4.こちらは左写真の嚢の次にできたロアー。色合いはやや薄いが、とても特徴
  のあるリップになった。
5.アッパーよりの嚢
6.こちらは腋芽に出来た最新の嚢だが、何かロアーは一瞬で既にミドルっぽい
  感じ
7.こちらは主茎に出来たアッパー
8.何時の間にか開花していた雌花。8月上旬位に開花した感じ。このNO-2個体
  は温室内で栽培しており、主茎が大分伸びて鉢を取り出せなかったので、株
  の様子を撮れなかったよ~m(_ _"m)
イメージ 8

1.2015年8月2日に撮ったもので、こちらは寸胴な個体。以後NO-3個体と
  呼称する事にした
2.2015年10月19日に撮ったNO-3個体で、こちらも大分葉焼け気味。こ
  の個体は既に最初の腋芽が大分大きくなってきている
3.こちらから二枚は2016年2月14日に撮ったもので、こちらは草姿。こ
  の個体は早くから腋芽が発生し、二株立ちになってがっちりとしてきた
4.更に地際から複数の腋芽が発生してきた。やはりN.vikingの血は争えないの
  であろうか。とても腋芽の発生し易い品種の様である
5.2015年8月2日に撮ったもので、寸胴な嚢と翼が開くのが特徴的
6.2015年9月7日、戸外栽培にしてから色合いがやや濃くなってきた
7.2015年12月26日に撮ったもので、寸胴な感じは変わらずだが、翼が
  水平に張り出した感じが目立つ
8.こちらは2016年2月14日に撮ったもので左は一つ前の、右は出来たて
  の嚢イメージ 6

1.こちらから6枚は何れもNO-3個体。こちらは2016年2月29日に撮った
  未だロアー辺りの嚢
2.こちらから五枚はおとついの2016年9月12日に撮ったもので、こちら
  は株姿。この個体は腋芽の発生が早かったせいか、大分大きくなってきてい
  る。これも気がついたらいつの間にか開花していた。頂部に花穂の枯れたも
  のが残っているが、どうも7月頃に開花した様で雄花だった
3.地際に出来たロアー群
4.出来て間もないロアーをアップしたところ。翼は未だ大きくない
5.こちらは既にミドルからアッパー寄りになった模様
6.右は出来て間もない嚢だが、翼は殆ど欠落してしまい、僅かに見てとれるだ
  けとなった。左は生長途中の嚢
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