本日は、N.Wittei Veitch.です。

①人工交配 :N.maxima×veitchii、1897年Witte氏作出(従来はN.maximaと
       不明種若しくはN.Stenophyllaの交配種とされていたが、近年では
       N.veitchiiではないかとの見解。事実不詳?)
②入手時期 :1992年
③入手元  :一正園殿
④成長度合 :やや遅い
⑤栽培難度 :普通、低温、高温に強い
⑥挿し木  :鹿沼土で100%
⑦嚢の大きさ:我が家ではMax15cm前後
⑧雌雄   :?、我が家での開花実績無し

本種は、ヴィーチ商会の温室で採取された種子をオランダ・ライデン植物園のH.Wittei氏が育成、流布されたもので、作出されて既に100年以上愛培され続けてきた品種です。N.Mastersiana、N.Dyeriana、N.Mixta、N.Wrigleyanaなどと共に古典的な名品ですので、是非とも系統維持していきたいものです。
本種はN.mixtaと同様、阪神大震災で温室のガラスが割れ、暫く寒風にさらされ、停電中は当然無加温状態であったにも関わらず、生き延びてきた数少ない品種で、とても思い入れがあります。本種を見ているとあの震災の日を今でも思い出してしまいます。
低温にも十分耐えうる品種で、しかも夏の暑さにも結構平気な強健種ですが、強光線には苦手ですので、若干の遮光が必要でしょう。又、本種は腋芽が発生しやすくブッシュ状になります。我が家の個体も最盛期には6芽程度発生し、結構賑やかな状態でしたが、2013年の春に枯死してしまいました。( ノД`)シクシク…
いつの間にか蟻の巣窟になっており、慌てて植替えをしましたが、根がボロボロで親株は敢え無く潰えてしまいました。何んとか1本のみ挿し穂が取れる状態でしたので、早速鹿沼土に挿しダニコール1000倍希釈液で越水していましたが、無事に頂芽挿し×1、節間挿し×2の3本全てで発根、活着してくれました。ε-(´∀`*)ホッ!
これに先立つこと2012年5月に4本程挿し木をしていましたが、全て無事に発根し3株は里子に出ました。1株は保険の意味で手元に置いていたのですが、順調に生育していたのも束の間、親株の枯死と時を同じくして、頂芽が枯れこんでしまいました。唯、地際に小さな発生したばかりの腋芽が覗いていましたので、成長は無理と思いつつ潅水していましたが、今のところチマチマといった雰囲気です。何れにしても、今では殆ど入手出来ない貴重な品種ですので、何んとか無事に育て上げたいものですね。
一昨年の9月に二株里子に出て以後、残った挿し木苗二株を4号ブラ鉢に植替えしました。何とか活着し今のところ順調に成長してくれています。唯、1ヶ月程前に水やりの最中に吊り鉢を落下させてしまいえらい目に遭いました。補虫嚢が1つ潰れてしまいましたが、幸い株は大丈夫だったようで安堵しました。(´▽`) 下段写真左から、

1.2011年10月10日に撮ったもので、腋芽の最初のころに出来た未開の
  ロアー
2.2011年10月15日に撮った別の袋のロアー。縦縞模様がとてもクッキ
  リと表れていて、とても美しいと思う
3.こちらは2013年の元日のもの、2012年8月19日に、ほぼ4年ぶり
  となる植替えを実施したところ、腋芽が3芽程発生し全部で6芽程度になり
  ぐんぐんと育ってきた。やはり定期的に植替えをして、用土をリフレッシュ
  させ、根張りを良くさせる必要がある事をを大いに実感、大分ブッシュ上に
  なってきた感じ。これもロアーで後ろに見える株元が本種のもの
4.以前写真を整理していたら11年程前のものが出てきた。これは2003年
  5月10日に撮ったミドル。ロアーももミドルもさほど変わらない
5.2011年9月21日、この頃はアッパーが多かった。腋芽の成長が良くな
  かったので、ロアーが殆ど無い状態だった様に思う
6.このアッパーは2011年10月2日、1m程度伸長した茎に出来たもの。
  色彩が殆ど無くなり、漏斗型になる
7.2011年10月21日、出来かけのアッパー。中々面白い形をしている
8.親芽が随分徒長したので、2012年5月7日にカットし、鹿沼土に挿し木
  を実施した。本種では初めての挿し木であったが、すんなり100%成功。
  これは半年経過した2012年11月12日に撮った挿し穂に出来たピッチ
  ャー。既にミドル当たりの雰囲気
イメージ 1

1.2013年7月2日に撮ったもので、2012年5月に挿し木をした下部に
  出来たミドル辺りの嚢
2.2013年10月5日、左の下部とは別の挿し木苗に出来たミドル辺りの嚢
  この後、挿した3株は里子へ
3.2014年11月30日に撮ったもので、2012年5月に挿し木した1株
  を手元で育てていたが、この春に頂芽が急に枯れこんでしまい枯死寸前だっ
  たが、ちいさな腋芽が発生していたものが少し大きくなった。何んとか持ち
  直してくれるかも知れない
4.同11月30日に撮った挿し木苗の状態。今年の5月に親株が枯死してしま
  ったが、何んとか1本挿し穂が残ったので、頂芽挿し×1、節間挿し×2を
  鹿沼土挿ししたが、何んとか全てで発根してくれた。奥の株が頂芽挿し、手
  前の2株が節間挿し。何んとか無事に育て上げ、系統維持に努めたい
5.こちらから二枚は2015年7月28日に撮ったもの。左から三枚目写真の
  腋芽のその後の様子で、主茎は既に枯れている。この腋芽は中々大きくなら
  ない様で、辛うじて生きているって感じ
6.左から四枚目写真の挿し木苗のその後の様子。ボチボチ着嚢ししっかりとし
  た感じになってきたので、秋口になったら砂利系混合用土で植替えをしよう
  と思う
イメージ 2

1.2015年6月27日、挿し木苗に出来た嚢で、ミドル辺りの雰囲気
2.こちらから四枚は2015年7月25日に撮ったもので、こちらは何となく
  ロアーな感じ
3.蓋が開いたばかりの嚢
4.こちらも挿し木苗に出来た嚢だが、ロアーの雰囲気
5.こっちの嚢は既にアッパーって感じ。何れも昨年の5月に挿し木した苗に出
  来た嚢。今秋になったら砂利系混合用土で一回り大きな鉢に植替えよう。早
  く以前の親株の様にブッシュ状になって貰いたいものだ
イメージ 3

1.2015年9月6日、鹿沼土に挿し木した大きい方の苗で、植替えを実施す
  る前の様子。この個体をNO-1として管理
2.こちらは同9月6日、NO-1個体を4号ブラ鉢に砂利系混合用土で植替えした
  状態
3.2016年1月10日に撮ったもので、活着してボチボチ着袋とてくれてい
  る。株も少しずつがっちりとしてきたような感じ
4.2016年5月7日、少しずつだが大きくなってきている感じ
5.こちらは今朝2016年7月28日に撮ったもので、1ヶ月程前にこのNO-1
  個体の吊り鉢を誤って落下させてしまい散々な目に遭ったが、何とか株は大
  丈夫であった!(^^)!イメージ 4

1.こちらから六枚の写真は何れもNO-1個体。こちらから二枚は2016年1月
  10日に撮ったもので、一寸判り辛いが蓋が開き始めた嚢
2.こちらは一つ前にできた嚢で、本種はN.vogeliiと良く似た煙管状の細長い
  嚢を付けてくれる
3.2016年5月6日に撮ったもので、出来たての補虫嚢
4.こちらから三枚は今朝2016年7月28日に撮ったもので、こちらは二つ
  前に出来た補虫嚢
5.こちらは一つ前の補虫嚢
6.こちらは最新の補虫嚢。徐々に柄色合い共に掠れてきた。ボチボチミドル辺
  りになってくるのだろうか。もう少ししたら徒長して欲しいものである
イメージ 5

1.2015年9月6日、鹿沼土に挿し木したヒョロヒョロっとした苗で、植替
  えを実施する前の様子。株元の茎が異常に細い。こちらの個体をNO-2として
  管理する
2.こちらは同9月6日、NO-2個体を4号ブラ鉢に砂利系混合用土で植替えした
  状態。茎が細いのでビニ帯で三ヶ所固定
3.2016年1月10日に撮ったもので、活着してやっと着袋してきた。株は
  相変わらず細いが、少しずつ茎がしっかりしてきている雰囲気
4.2016年5月7日、こちらの個体も少しずつだが大きくなってきている
5.こちらは今朝2016年7月28日に撮ったもので、やっと本種らしい株姿
  になりつつある
6.このNO-2個体の株元をよく見ると\(◎o◎)/!、腋芽が発生してきている
  ではないか。(*^^)v
7.そう言えば小さな個体がもう一鉢あったよ~!(^^)!、それがこれ!
イメージ 6

1.こちらから六枚の写真は何れもNO-2個体。こちらは2016年1月10日に
  撮ったもので、最新の補虫嚢。細くて色合いも薄い
2.2016年5月7日に撮った補虫嚢
3.2016年6月6日、ボチボチ本種らしい嚢になってきたかな~
4.こちらから四枚は今朝2016年7月28日に撮ったもので、こちらは三つ
  前にできた補虫嚢。右奥に見えるのはこの嚢の一つ前にできたもの
5.二つ前に出来た補虫嚢
6.こちらは一つ前にできた補虫嚢だが、結構湾曲しておりまるでバナナみたい
7.最新の補虫嚢。柄色合い共に掠れてきた
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