本日は、N.Fukakusaです。

①人工交配 :N.rafflesiana×Dyeriana、1964年、豊島正巳氏作出
       N.Dyeriana(Mixta[northiana×maxima]×
       Dicksoniana[rafflesiana×veitchii])
②入手時期 :2011年6月
③入手元  :うつぼかずらの郷殿
④成長度合 :徒長を始めると早い
⑤栽培難度 :簡単、高温、低温に強い
⑥挿し木  :我が家での挿し木実績無し
⑦嚢の大きさ:我が家ではMax20cm程
⑧雌雄   :♂、9~10月

本種は種子親のN.rafflesianaにとても良く似ていますが、更に一回り程大きくなる様です。襟の部分はN.Dyerianaの遺伝を受け継ぎ、ストライプが入る事が多い様です。
入手して暫くはロゼット葉のままでしたが、徒長を始めると成長は早くなり、グングンと伸びます。兎に角N.rafflesianaに似て大きくなる様です。我が家では半年で60cm以上徒長しました。嚢付きも良いのですが、暫くの間は全く腋芽が発生せず頂芽をカットするわけにもいかずに、温室内の天井を這い回っていました。昨夏になって漸く、地際から40cm程上部の節から2芽腋芽が発生し生長を続けています。その腋芽も60cm、40cm程度まで生長してきましたので、最近頂芽をカットして本種では初めての挿し木に挑戦しました。無事に発根して欲しいものです。
真冬、低地性の他の種類は少し愚図り気味ですが、本種はやや小振りになるもののしっかり着袋してくれます。やはり雑種強勢、結構強健種なのだと思います。
この個体は雄株で、ややスラッとした感じの補虫嚢を付けますが、どうもスクワットな感じの雌株もある様で、実生固体が数種程流通しているのでしょうかね。本種の花粉親であるN.Dyerianaは、とても稔性が悪く中々受粉してくれませんが、このN.Fukakusaは稔性がやや良い様です。我が家ではこの交配種を2種程育種していますが、何れもN.Fukakusaが優性遺伝(顕性遺伝)している様です。
本種の種小名は、作出者である豊島氏の居住地から冠されたものだったと思います。何度も電車で通りましたが、とても良い感じの街並み、佇まいでしたね~。σ(゚ー^*) 下段写真左から、

1.入手して3ケ月程経過した2011年9月4日に撮ったもの。未だ10cm
  程度
2.2011年10月10日に撮ったロアー、中々渋い色合ではあるが、リップ
  のストライプは目立たない
3.同日に2の嚢を横から撮ったもの
4.2012年7月17日に撮った未開の嚢、この姿を見るとどうしてもロケッ
  トを想像してしまう。私自身としてはめっちゃ好きな形
5.こちらも2012年7月17日に生長点を撮ったもの。ここまではロゼット
  葉が1年近く続いたが、やっと徒長が始まった様子。これからは伸長度合い
  が早くなると思う
イメージ 1

1.2012年9月16日に撮った未開の嚢、上段7月17日の嚢と比べると随
  分色合いが濃くなった。とてもシックな感じだと思う。チョコレート色に似
  ているかな
2.1の嚢が開いて3日経った9月19日の状態。リップのストライプと色合い
  が中々良い感じ
3.2012年9月22日、掌に撮ってみた。大体これ位の大きさで、20cm
  位だった
4.2013年1月21日に撮った最新の嚢。低温でもしっかり着袋してくれる
  よゐこ。リップのストライプが鮮明だが、時間が経過すると滲んでくる
5.同日、4の嚢を掌に載せてみた。この9月22日の嚢と大きさ的に殆ど変り
  が無い様に思う
イメージ 2

1.2013年4月7日、急に形が変わってきたようで、ミドル辺りになってき
  た模様
2.2013年4月11日、いよいよミドルの嚢になった。サイド寄りから撮っ
  たもの
3.同4月11日に撮ったてもので、真正面から撮ったらこんな感じ
4.2013年4月14日、指で撮んで一寸持ち上げてみた。色合いが少し濃く
  なった感じ。概ねこれ位の大きさ
5.2013年5月14日、ミドルはアッという間で、次の嚢はアッパーになっ
  てきた様子。蔓は既にカールしている
6.2013年5月29日、左の出来かけの嚢が完成した様子。何かそのまんま
  N.rafflesianaか、リップのストライプはN.Dyeriana譲りか
イメージ 3

1.2013年7月10日、蓋が開き始めたばかりのアッパー
2.2013年7月23日、左の嚢が完成した様子。リップの前面がクチビルげ
  の雰囲気もN.rafflesianaそのもののような感じ。右奥に見える嚢も本種の
  もの
3.2013年7月24日、正面寄りから撮ったもの
4.2013年9月30日、開花し始めた雄花。花粉親のN.Dyerianaに比べると
  稔性は多少良い
5.2015年10月10日、オォ~、2年以上撮ってなかったみたい。蔓が天
  井を這っており写真が採れなかったが、やっと今夏腋芽が発生し生長してき
  ているので、来春は頂芽をカットし挿し木にしようと目論んでいる。その腋
  芽に出来つつある嚢。本種はこの様に蔓にフリルが入る場合と入らない場合
  がある
6.2015年11月7日、左の壺もが生長し蓋が開いた様子
7.こちらは2015年11月8日に撮ったもので、左の嚢のその後。既にミド
  ル辺りの嚢になっている。やはり地際から発生した腋芽ではないので、ロア
  ーにはなってくれない様子
イメージ 4

1.2016年1月10日、ミドル辺りの嚢になってきた模様
2.2016年3月9日、左側の嚢は、多分左写真のその後だと思う
3.2016年4月3日、左側の嚢はほぼアッパー寄りか、右側もミドルに近づ
  いている感じ
4.2016年5月18日、蓋が開き始めたばかりの嚢
5.2016年5月19日、既にすっかりアッパーの様子
6.こちらから三枚は今朝2016年6月1日に撮ったもので、こちらは本種の
  茎葉。奥側に二本見えるのは他品種。手前の左側の茎が主茎で、既に温室天
  井を這い廻っている。右側が大きい方の腋芽で既に60cm以上伸長、下の
  芽が小さい方の腋芽だが、こちらも40cm程度生長してきているので、最
  近になって漸く頂芽枝をカットして挿し木にした。無事に発根、活着して欲
  しいもの
7.大きい方の腋芽に出来た嚢は既にアッパーになっている様子
8.こちらは小さい方の腋芽に出来たもので、何とか未だロアーの体裁を保って
  いる感じ
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