本日は、N.smilesii×Nanbaraの交配‐その5について紹介します。

①交配番号 :NO.39
②交配親  :N.smilesii[♀]×Nanbara[♂]
③交配日  :2013年10月30日
④採取日  :2014年2月17日
⑤播種日  :2014年2月19日
⑥発芽確認日:2014年4月1日

種子親のN.smilesiiは、東南アジアの大陸部(タイ東北部、ラオス南部、カンボジア 、ベトナム西部等)の開けた砂質の草原やサバンナなどに自生し、乾季に耐える事が出来る種で、塊根性で牛蒡根が生えています。従って、乾燥が過ぎると地上部を全て枯らし、根部だけで暫く耐え抜く事が出来る品種です。或る程度ロゼット葉が展開した後、N.tobaicaの様に急激に徒長しますが、2m程度伸長すると力尽き、自然に地際の腋芽に更新されていきます。唯、状態が良いと腋芽が複数発生しブッシュ状になり、沢山の補虫嚢が付き見応えがアップする様です。
一方花粉親のN.Nanbaraは、N.globamphoraとN.ventricosaの交配と言われており、種子親のN.ventricosaに良く似ています。あまりくびれがなく寸胴な感じです。下位補虫嚢は赤身が強くとても良い色合いですが、上位補虫嚢は殆どグリーン一色となりロート型になります。低温、高温にも強い品種です。
この2種を交配してみました。高温、低温に強く、根張りが良く、腋芽が沢山発生し鈴なりになる様な、両種の特徴を余すところなく発揮出来る品種になればと思いますが、どう育ってくれるでしょうか。
発芽期間は他種とさほど変わりませんでしたが、本葉が展開し連結ポット上げ、ビニールポット、そして縦長ブラ鉢への植替えする毎に、成長速度が上がってきたように思います。地下部も成長が早い様で、確かに根張りが良くなる印象を受けました。それに最近では、NO-1個体は徒長が始まった様です。しかも既に地際から二芽腋芽が発生してきています。NO-2個体の徒長は未だの様ですが、こちらも既に腋芽が3芽程顔を出してきています。N.smilesiiに似て株立ちになってくれそうな雰囲気を呈してきましたよ~。(o^―^o)ニコ 下段写真左から、

1.種子親のN.smilesii、N.vikingと同様塊根性で、地際から腋芽を良く発生さ
  せる。鈴なりになると見応えがある強健種
2.花粉親のN.Nanbaraで、これはロアー~ややミドル寄りの補虫嚢。ロアーは
  とても発色が良く種子親に似る。本種も高温、低温に良く耐えうる強健種
3.蒴果と種子。N.smilesiiとしてはこの組み合わせが一番沢山種子が採れた。
  他の種子と異にして種実の両端部にある種髪は非常に短い
4.発芽確認から1.5ヶ月弱経過した2014年5月13日に撮った播種鉢内
  の様子。既に本葉も展開してきているので間もなく連結ポットへ移植を始め
  なければ・・・・
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1.2014年5月15日、植替えの為培養土から取った実生苗で、爪楊枝が大
  きく見える。未だ本葉が1枚しか展開していないが、この位の実生で根は既
  に5mm前後伸長しており、とても根張りが良い様に思う。我が家での一般
  的な実生では、これ位の苗だと発根が始まったばかりか若しくは1~2mm
  程度のものが多い。これ位の大きさの方がミズゴケに植え替える場合、一寸
  ミズゴケに穴を空け差し込むレベルで良いのでとても楽チン
2.同日の5月15日に、第一陣として連結ポット(2.5×2.5cm)に15
  株植え付けた状態
3.2014年6月12日、植え替えて1ヶ月も経過していないが、既に活着し
  順調に次葉を展開している
4.2014年8月16日に撮ったもの。結構成長が早く、既に葉身は3cm前
  後になっている。このまま順調にいけば、10月~11月頃にはビニールポ
  ットへ鉢上げが必要かもしれない
5.2014年9月7日、本種は結構成長が早い。早くビニールポットへ植替え
  を始めなければ・・・・
6.2014年9月25日、やっと思い腰を上げ撮り逢えが4株ビニールポット
  へ植え替えたところ
7.2014年10月22日、最上段と二段目それに三段目の左端1個体の9個
  体が本種
8.2015年3月1日に撮ったもので、左写真9個体のその後。冬場なので成
  長は緩慢だが、ボチボチ育ってくれている感じ。これから気温が上昇してく
  るので、今シーズンにはググっと大きくなってくれるかもしれない。未だセ
  ルトレイに大分苗があるが、置き場所が無くビニールポットに植え替えられ
  ないでいる(泣)何んとかしなければ・・・・トホホ
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1.2015年4月30日、ビニールポットから縦長ブラ鉢に植替えした様子で
  後にNO-1個体として管理することにした
2.2015年6月7日、左の植替えした株のその後。やや大きめの葉身が展開
  してきた
3.2015年6月30日、左の株のその後。未だ1ヶ月も経過していないが、
  既に葉身が二枚展開している
4.2015年8月7日、徐々に陽に鳴らしたつもりだが、一寸陽が強かった様
  で、若い葉が三枚程葉焼けした。苦笑 まあ、見てくれは悪いがこれ位大丈
  夫。(本当は良くないが・・・・)
5.こちらから四枚は2015年9月13日に撮ったもので、こちらは株姿。一
  回り位大きくなっただろうか。その後展開してきた葉は強光線にもしっかり
  と慣れてくれている
6.手前に写っているのは最新の補虫嚢
7.こちらは逆のアングルから撮ったもの。結構鈴なりに着袋してきてた感じ
8.補虫嚢をアップ。内班はN.smilesiiに、外の斑模様はN.Nanbaraに雰囲気が
  似てきた感じ。生長したらN.ventricosaのリップは再現されるのだろうか?
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1.2015年10月20日、NO-1個体の様子。これまでは順調に生長してきた
  が、これから気温が低下していくので緩慢になりそう
2.2015年11月15日、NO-1個体でこの10月から温室に取込んで栽培し
  ているせいか、光量不足で青瓢箪になってきた
3.2016年3月13日、NO-1個体に着いた嚢。気温が低くてもある程度着袋
  してくれる様だが、光線不足か色合いはイマイチ
4.こちらから三枚は今朝2016年3月31日に撮ったもので、こちらはNO-1
  個体のその後。徐々に徒長し始めた感じ
5.株元を覗くと何と腋芽が二芽発生している\(◎o◎)/! やはりN.smilesii
  の血は争えない
6.今は未だ気温が低いので大した嚢ではないが、これから気温の上昇と共にも
  う少し良い感じの嚢になってくれるだろう。又、腋芽のロアーにも注目した
  いところだ
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1.2015年11月15日、二株目の個体をビニールポットから4号ブラ鉢へ
  鉢増しした様子。この個体をNO-2とし2株残す予定
2.同11月15日に撮ったNO-2に出来たロアーで、NO-1に比べると赤味が強い
  感じ
3.こちらから三枚は今朝2016年3月31日に撮ったもので、こちらはNO-2
  個体のその後。出来はイマイチかな(・・?
4.このNO-2個体は未だ徒長が始まっていないが、何と既に腋芽が手前に2芽と
  奥側に1芽の計3芽発生しているではないか(@_@;)
5.こちらの嚢は左から二枚目写真の嚢のその後の様子。一寸ダーティーになっ
  ているが、既に出来て4.5ヶ月以上経過している。結構嚢持ちは良さそう
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おまけ画像
左写真は21日に開花した桜が、本日ほぼ満開となりました。5年前に苗木を植えたので未だあまり大きくありませんが、ボチボチ花数は増えてきている様です。
右写真は雪柳です。3年前何処からか種が飛んできたのでしょう。実生が生えてきましたので、そのまま置いていたら結構開花してきました。春を感じますね~。
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