本日は、N.thorelii rubra×Fukakusaの交配‐その4について紹介します。

①交配番号 :NO.30
②交配親  :N.thorelii rubra[♀]×Fukakusa[♂]
③交配日  :2013年10月20日
④採取日  :2014年3月4日
⑤播種日  :2014年3月10日
⑥発芽確認日:2014年4月12日

種子親のN.thorelii rubraは、八丈島の日の出花壇殿由来の品種で、植物体が全体的に赤くなるタイプです。特にロアーはとても美しくポチャポチャっとしています。それに比べアッパーはとても細長くなりやや色落ちしますが、襟のストライプがとても目立ち、裏蓋が真っ赤に色付く魅力的な種です。
一方花粉親のN.Fukakusaは、1964年に豊島正巳氏がN.rafflesianaとN.Dyerianaを交配して作出されたN.rafflesiana寄りの品種です。種小名は氏の居住地域名が冠されています。我が家の個体はずんぐりむっくりになる雄株ですが、ややスレンダーな独特な風貌になる雌株も存在する様です。ロゼット状の時期は成長が至って緩慢ですが、いったん徒長を始めると成長は早くなります。
この両親を交配してみましたが、N.thoreliiにN.Fukakusaのリップと大きさが上手い具合に融合したら良いなと勝手に思っていますが・・・・。徐々に暖かくなってきた3月に播種したせいか、概ね1ケ月程度で発芽しました。発芽して既に1年10ヶ月近く経ちますが、最初成長は緩慢だったものの、ある程度の大きさになってからは結構速いように思います。
やや大きくなった個体はセルトレイからビニールポットへ植替えし、昨年の4月からは縦長ブラ鉢へ鉢増ししています。我が家ではチマチマと交配していますが、私自身オリジナル交配種の中では本種をとても期待しています。果たしてどんな感じに育ってくれるのでしょうか。今の雰囲気では比較的N.Fukakusaに似ている様に思いますが、本領発揮は後1~2年後でしょうか。唯、何れの個体もあまり変わり映えがしないようですので、3個体のみ残して育てているところです。下段写真左から、

1.種子親のN.thorelii rubraで、赤みの強い日の出花壇由来の品種。成長も早
  く、挿し木も容易な強健種
2.花粉親のN.Fukakusaは、殆どN.rafflesianaと見まがうほど良く似ているが、
  リップのストライプ等はN.Dyerianaの面影がある雰囲気。結構大きくなるの
  で見応えのある秀逸種
3.蒴果と種子。種子親の花数が少なかったので、採取出来た種子も少なかった
  が、結実は思ったより良くしいなはあまりなかった
4.こちらは発芽して1ヶ月程経過した2014年5月13日に撮った実生。何
  時の間にかポツポツと発芽してきた
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1.2014年5月15日、ボチボチ本葉が展開してきたので、一部セルトレイ
  に植え替えたところ。右から3列目と4列目が本種
2.2014年7月7日、少しずつだが成長してきている様子
3.2014年8月16日、他品種と比べると成長は大分遅い様に思う
イメージ 2

1.これから3枚は2015年1月12日に撮ったもので、こちらは1ヶ月前に
  セルトレイからビニールポットへ植替えした個体
2.こちらは2015年1月10日に植替えを実施した個体
3.こちらも2015年1月10日に植替えを実施した個体で、何れも他の品種
  に比べ成長は遅い。果たしてどんな成長をしてくれるのだろうか
4.2015年4月14日、ビニールポットに植替えして気温の上昇も相まって
  か急に生長が加速してきた。
イメージ 3

1.2015年4月30日、ずっと生長が遅いと思っていたが、ビニールポット
  に植替えして加速度的に生長しているので、早速縦長ブラ鉢へと鉢増しした
  様子。この写真八枚は全て最初に植替えしたNO-1の個体
2.2015年6月7日、ブラ鉢に植替えて更に一回り大きな葉身が展開してき
  た様子
3.2015年6月30日、中々雰囲気の良い感じで着袋してきた。N.thorelii
  よりもN.Fukakusaに似た感じ
4.2015年7月10日、結構強い光線下で育てているので葉が赤味がかって
  いるが、良い感じで生長してきている様に思う
5.同7月10日に撮った補虫嚢。翼の色合いはN.thorelii似(・・?
6.こちらから二枚は2015年8月3日に撮ったもので、こちらは全体の株姿
7.最新の補虫嚢、雰囲気的にN.rafflesiana?、N.Fukakusaに似てきている様
  に思うが如何だろう。とはいっても後2年位しないと本来の姿にはなってく
  れないと思うが・・・・
8.2015年10月19日、大分良い色合いになってきたが、未だ本領発揮に
  は程遠いか
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1.2015年10月20日、NO-1の個体で、ずっと戸外の直射下で育てていた
  ため葉が大分焼けたが、特に問題なさそうなので戸外継続中。唯、ボチボチ
  温室内に取り込まないと・・・・
2.こちらから七枚は今朝2016年2月8日に撮ったもので、こちらはNO-1の
  株姿。11月からはずっと温室内で育てているので、一寸青瓢箪になってし
  まったかな。最近展開してきた新葉は約2倍位の大きさになってきた
3.NO-1の株に出来た最新の補虫嚢。気温が低下しているがボチボチ着袋してい
  る。唯、袋はこじんまりダ~
4.こちらはNO-2の個体。NO-1の個体とさほど変わりは無いように思える
5.NO-2の個体に出来た最新の補虫嚢。こちらはリップ全体がやや赤味かがって
  僅かにストライプが出現している
6.こちらはNO-3の個体。NO-1、2の個体に比べやや色合いは薄めだが、何れ化
  けるだろう。本種は何れの個体も殆ど遜色がないので、この三個体のみ残し
  て育てている。何れリップがラフレの様になってくれたらとの薄い期待・・・・
7.NO-3の個体に出来た一つ前の補虫嚢
8.NO-3の個体に出来た最新の補虫嚢。NO-1、2に比べやや色合いが薄く、リッ
  プが丹平な気がする。今後化けるとは思うが・・・・
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