本日は、N.Sanyo’Stripe’です。
①人工交配:N.ventricosa'redpatch'×Minami'Largeleaf'、
      1984年、岡村正治氏作出
②入手時期:2011年7月
③入手元:うつぼかずらの郷殿
④成長度合:早い
⑤栽培難度:簡単、低温に強い
⑥挿し木:水挿し発根で50%程度
⑦嚢の大きさ:我が家ではMax10cm程
⑧雌雄:? 開花実績無し

本種はStripeの他に兄弟株のRedがあります。6種混合の人工交配種です。N.ventricosaの血を多く引き継いでいるせいか、形質が良く似ているように感じます。特に着袋させるにはある程度の湿度を要求しますが、どうもRed程ではない様に思います。最初はRedの方が育てやすい様に思いましたが、暫く育ててみるとこのStripeの方が調子良さそうです。何れも花粉親に似て結構大きくなるようです。
本種は殆ど流通していないようですので、是非普及出来ればとの思いから、本種では初めて昨年の9月に挿し木に挑戦しました。頂芽挿し×1本、節間挿し×2本、何れも茶色の広口瓶(何時もクリープ等の空き瓶)を使用し、水に挿しておくだけで手間いらずです。時々水を足すのと、水垢がカット部分に張り付き発根を阻害しますので、1週間に一度位水を入れ替え汚れを軽くティッシュで拭きとる程度です。頂芽の挿し穂のみですが2ケ月程度で発根しましたので、ビニールポットへ鉢上げしました。無事活着して順調に成長してきましたので、里子に出てもらいました。又、今年の5月に挿し木をしましたが、時期が良かったので1ヶ月程度で発根開始、即日ビニールポットへ上げました。2株は里子に出る予定で、1株は我が家の予備を取っておくつもりですが、カルスばかり肥大して発根する気がなさそうです。(´∩`。)下段写真左から、

1.入手して約10カ月後の2012年5月16日に撮ったもので、草姿全体。
  結構嚢付きが良く、ポコポコ付いた感じ
2.こちらも5月16日に撮ったもの。ミドル当たりの嚢だと思う。名に恥じぬ
  ストライプで美しい
3.こちらは2012年8月14日に撮ったもので、入手して初めて腋芽が発生
  し、その最初に付いた超ロアーってとこ
4.これも8月14日の様子で、草姿全体を撮ったもの。親芽も腋芽も元気で何
  より
5.こちらは2012年12月20に撮ったもの。腋芽に出来たミドルで、これ
  位までは斑模様が良く目立つ
6.2012年12月27日、親芽に出来たアッパー。ストライプといい、色合
  いといい何とも良い感じ。口の形はロアーからややミドル位までは一般的だ
  が、それ以降になると逆ハート型になって中々面白い
7.2013年6月4日、独特な雰囲気のミドル。襟のストライプはこのまま発
  現するが、嚢表面の色、柄は徐々に落ちていく
イメージ 1

1.2014年1月8日、未開のアッパー
2.2014年1月12日、開いたばかりの嚢で、リップのエッヂ部は未だ丸い
  が、何れ角ばってくる
3.2014年1月16日に撮ったアッパー。嚢表面の色合、柄は殆ど無くなっ
  たが、その分襟のストライプが目立つ
4.2014年2月19日、右は出来て1ヶ月程度経過したもので、左は出来て
  間もない嚢
5.2014年8月29日、めっちゃ小さい
6.2014年12月7日に撮ったもの。夏場から今の時期にかけて出来る嚢は
  小さくなる傾向が強い。これから冬場~春にかけて大きな美しい嚢を付けて
  くれる
7.こちらも同12月7日に撮ったもので成長中の嚢。少しずつ大きくなってき
  そうな感じ
イメージ 2

1.クリープの空き瓶など広口瓶に水を入れ、その中に挿すだけ。後は穂木がぐ
  らつかない様にビニールテープで固定し、品種名と挿し木した日付を油性ペ
  ンで葉に直接書いておく。後は日当たりのよい所に置いておく。時々差し水
  と、1週間に1度程度水を入れ替えし、その時に水垢等をティッシュで優し
  く拭う。この時カット面には触れない様にする。温・湿度、光線量などの環
  境、種類などによって変わるが、概ね1~2ケ月程度から発根が始まる。我
  が家では基本的に低地性種は水挿し発根法、高地性種及び発根に時間がかか
  る品種は鹿沼土挿し法としている
2.発根が始まって2ケ月弱経過した2014年1月3日に撮った発根の様子。
  随分根が伸長してきているので、一寸遅くなったがビニールポットへ植替え
  する事にした
3.こちらは根部のアップ。これ位発根すると結構根はゴワゴワとして堅い。根
  の先端が半透明になっているのは調子が良い証拠。この穂木は頂芽挿しした
  もの
4.こちらは節間挿ししたもので、結構カルスは成長しているが発根は遅い。こ
  の画像では非常に判り辛いが、やっと1mm程度の発根が確認できる。節間
  挿しの穂木は2本ともこんな状態であった。ネペンテスに限らず一般的に発
  根する前段としてカルスが形成されそこから発根が始まるが、何らかの生理
  的要因等で異常にカルスが成長すると発根を阻害する事が知られており、こ
  の挿し穂もその良い事例。結局節間挿し2本はこの状態で発根が殆ど進まず
  枯れてしまった。今回は秋口に挿し木したが、来年は5月下旬から6月にか
  けて実施しようと思う
5.ビニールポットにミズゴケで植えつけた状態。この後しっかりと活着し成長
  してきたので里子に出てもらった
イメージ 3

1.2015年3月5日、低温期に出来る嚢は大きめで綺麗な姿を見せてくれる
2.同3月5日、左の嚢を正面寄りからややアップしたもの。名に違わずリップ
  のストライプが美しい
3.2015年4月6日、出来たての嚢なので濁りが無くストライプがくっきり
  としている
4.2015年5月7日、この頃は特に着袋が良い感じ
5.こちらから二枚は昨日の2015年7月19日に撮ったもの。一昨年の秋以
  来久しぶりに挿し木を実施した。この5月1日に水挿しした頂芽で、1ヶ月
  少々で発根、既に2ヶ月半程経過し、2cm程度まで根が伸びてきたので鉢
  上げすることにした。今回、節間枝は鹿沼土挿しにしようと思ったが、準備
  がめんどくさくて(≧∇≦)全て水挿しにした。やはり適期は5~6月かな
6.節間挿しの枝。左の挿し穂は頂芽に近い茎、右はその下の節間枝。特に本種
  は前回、今回の挿し木で思った事として、古い節間枝はカルスばかり生長し
  て中々発根しない事である。前述したようにカルスが生長し過ぎると発根阻
  害となり、駄目になる事が多い。この右の挿し穂もきっと発根せずに駄目に
  なるかも( _ _ )..........o
7.こちらから二枚は今朝2015年7月20日に撮ったもので、昨日ポット上
  げした挿し木苗で、これは頂芽挿しの固体
8.こちらは節間挿しの固体だが、節間が短く根部がぐらつき安定しないのでセ
  ロテープで固定。2ヶ月程すれば十分根が張ってぐらつかなくなるので、そ
  の時点でテープを取る。何れの挿し木苗も既に里子が決まっているので、活
  着して秋までにはしっかりとした個体にせねばならない
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