本日は、Nepenthesの挿し木について。
 
我が家ではつい最近までは低地性種が殆どでしたので、以前からミズゴケ挿しを良くやっていました。唯、最近のこの15年位は水挿しを主にしてきました。低地性のNepenthesは総じて水挿しが容易で、藻菌/真菌類等による水カビ等が発生しても、カビに負けることなくしっかり根を出し成長する種が多い様です。
我が家では、水差し用にクリープの空き瓶等茶色瓶を使用しています。透明瓶の方が発根状況を良く観察できますが、藻が生えやすくその都度水を替える必要があるのと、根は暗い環境を好む事等によるものです。光をあまり通さず藻の発生を抑える茶色瓶を使用し、ほったらかしの状態で時々水を追加する位で済みます。結構めんどくさがりでずぼらな私にはうってつけです。=*^-^*= 本当は数日に一度水を入れ替える事と、最低1ヶ月に一度は瓶内部を洗浄する事をお勧めします。
我が家では、基本的に低地性種は水挿し。高地性種と低地性種でも発根の難しいもの、時間を要するものは鹿沼土挿しで、何れも5月頃に実施。唯、種によっては9月頃に実施しているものもあります。又、冬場に茎を誤って折ったりしたものは、その時点で挿す事もありますが、やや時間を要すものの発根してくれる様です。下段写真左から、
 
・水挿し発根法
クリープの空き瓶等茶色瓶に水を入れ、挿し穂を数本挿して穂木がぐらつかないようにセロテープ等で固定する。親株から切り取った挿し穂は、出来れば水中に穂木を入れた状態で鋭利なカッターナイフなどで再度綺麗にカットする。これは挿し穂の断面を潰さない為で、水の流通経路を確保する事にある。水切りは一般の切り花と同じ理屈で、茎の中に空気が入るのを防ぐためと、水圧で水あげの効果を高める事で発根し易くなる。
我が家では瓶内の水はRO水を使用しているが、細菌の発生を防ぐためにダニコール1000倍希釈液を使用する事も有効。水挿しした挿し穂の一部品種を紹介。上段左から右、下段左から右、
 
 1.N.Nanbara(N.globamphora×ventricosa)茶色の広口瓶に挿し穂を挿し
   ているところ。既に2cm以上根が伸びているので、今週末辺りポット上げ
   しようと思う。昨年末に挿したもので、N.ventricosaの交配種は冬場でも良
   く発根するがやや時間がかかる。発根率はほぼ100%
 2.N.Attractive Fuso(N.thorelii ikeda×ventricosa)本種は強健でほぼ10
   0%発根する
 3.N.Sanyo Stripe(N.ventricosa redpatch×Minami Largeleaf)発根率は3
   0%程度
 4.N.thorelii Lecomte. forma rubra 発根率はほぼ100% 
 5.N.Dainty Koto(N.thorelii×merrilliana)発根率はほぼ100%
 6.N.tobaica Danser.発根率は100%。1ヶ月前後で発根する
 7.N.trichocarpa Miq.(N.ampullaria×gracilis)発根率はほぼ100%
 8.N.Noboriryu【N.Balmy Koto(thorelii×maxima)×khasiana】発根率は
   100%
 9.N.Facile Koto【N.Mastersiana'Purpurea'(sanguinea×khasiana)×
   thorelii】発根率は100%
10.N.Prosperity【N.Lecouflei(mirabilis×thorelii)×Dyeriana
   (Mixta×northiana×maxima]×Dicksoniana[rafflesiana×veitchii]) 発根
   率は100%
11.N.Ventrata(N.ventricosa×alata)発根率は100%。水挿しして1年程
   そのままにしていたもので、カルスがめっちゃ肥大している
12.N.Rebecca soper(N.ramispina×ventricosa)発根率は100%
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・鹿沼土挿し発根法
穂木のカットは水挿し発根法に準ずる。砂利系用土に挿し木にする場合の鉢は、ビニールポット等器が柔らかいものは避け、堅めの鉢がお勧め。これは穂木を安定させる為である。穂木の先端は越水の位置よりも若干上の当たりに挿す。挿したらセロテープで穂木が動かないようにセロテープで固定。越水は1cm程度のダニコール1000倍希釈液を使用

 
 1.ピンクのトレイに入っているものは、N.ampullaria Brunei RedとN.×hoo
   keriana Lindl.vittata山本で、N.ampullariaは発根に時間を要するので鹿沼
   土に挿し、ダニコール1000倍希釈液に越水とした。左下の3株はN.tob
   aicaで、水挿し発根した穂木を鉢上げしたもの。既に花茎が上がっている
 2.高地性交配種のN.WitteiとN.Mastersiana var.purpurea、N.Ville de Roue
   nを挿したもの
 3.挿し木して3ヶ月程度経過したもので、新芽が展開してきており十分発根し
   ていると思われる
 4.N.Dyerianaは従来から水挿ししていたが、今回は鹿沼土に挿してみたとこ
   ろ全く問題なく発根した様で、新芽が展開してきている様子。セロテープで
   穂木を固定しておかないと、一寸触った拍子で穂木が動くと発根部分が摺れ
   てしまい失敗の原因となる
 5.これもN.Dyerianaの挿し穂で、1年以上経過したので植替えの為鹿沼土を
   洗い落としているところ。用土挿しの場合は、根がグチャグチャに絡み合う
   どちらかというと水挿しのストレート根が好み?
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・水挿し及び鹿沼土挿しを実施し、発根後数ヶ月から1年程度経過した苗を、ビニールポットや鉢に植替えしたもの。これから2~3ヶ月経過後しっかりと活着すれば、我が家よりもずっと環境の良いお宅へ里子に出る予定。挿し木苗の一部品種を紹介。上段左から右、下段左から右、
 
 1.N.Attractive Fuso(N.thorelii ikeda×ventricosa)
 2.N.Ile de France(N.Lecouflei×Mixta Sanguinea
 3.N.Wittei(N.maxima×veitchii)
 4.N.Kihachijo(N.alataひょうたん種×maxima)
 5.N.gracilis sport
 6.N.Dyeriana(N.Mixta×Dicksoniana)
 7.N.×trichocarpa Miq(N.ampullaria×gracilis)
 8.N.Ville de Rouen(N.Superba×N.Mastersiana)
 9.N.×hookeriana Lindl green嚢丸型(N.rafflesiana×ampullaria)
10.N.Rebecca soper(N.ramispina×ventricosa)
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