5km圏内の景色③ 樹木 | クローリングモンキーのたわごと

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5月小満の侯、薫風爽やかなこの季節に

紅葉している葉をもつ木に興味を抱きました。

紅葉といえばブナやカエデ等落葉広葉樹が

唯一主役の秋の風物詩という先入観で見てしまいがちで
「春の紅葉」は季節外れな感じもありながら

「春もみじ」は季語として使われることもあるとか。

そこで近所の1本の樹木に注目、

葉や幹の形から想定してこれは

常緑広葉樹のクスノキと判定。

張り出した枝が歩行往来の邪魔になる為

大胆に剪定されたと思しき個体ですが、

ところどころ赤い葉っぱをつけています。

 

近所のクスノキの紅葉

 

ズームインしてみると…春の光の中、綺麗な緑と橙と赤のグラデーション

 

ところで、

秋に赤や黄に色づきその後一斉に葉を落とす

落葉樹の紅葉のしくみは…

 

太陽光照射が減少する季節への対応として

光合成による代謝活動を抑えるため

冬越しに必要な養分のみ回収する過程で

通常の葉の緑色の素である細胞内の

葉緑体(クロロフィル(葉緑素)、カロテン等の色素成分)

は分解して減少、

この際に自己の老化をはやめる活性酸素が

特に青い光によって生まれるのに対し

抗酸化機能を持つアントシアニンが表層で作られ

青色光は吸収、赤色光は反射するように

葉の表面が変色する…

というプロセスが紅葉だと理解しています。

 

人で言うと紫外線のUVBがシミやそばかすの原因、

UVAがシワたるみ等の原因、より波長の短いUVCも

近赤外線も皮膚の奥まで侵入して

人体に有害とも聞きますが、

 

人が夏場や雪上の太陽光を防御する為に

日焼け止めクリームを塗るのと同じような対策を

植物の場合は自ら変わることで光の波長毎に

実施しているのだなぁ…(^_^;)

人より凄い驚くべき生体維持システム(^_^;)

人にとってメラニン色素の黒さが過剰な太陽光

の防御になっているとう話も似たようなものか。

 

このように

秋に一斉に葉が変色する落葉樹の紅葉は

外部環境が影響しているのに対し、

今回注目した春先のクスノキの紅葉は何故…

 

常緑広葉樹の場合、
1~5年くらい毎に季節に関係なく繰り返している

新葉発生と老化した葉が入れ替わるサイクルがあり

役目を果たし終えつつある古い葉が

光合成による代謝のパフォマンスを減少させるため

葉緑体を減らしてアントシアニンを

表出しているのではないかという説に納得、

ガッテン・ガッテン。

 

紅葉の仕組みについては学術的には

まだ解き明かされていない点も多いようですが

自分の命を持続するための防御という意味では

同じ手段であり目的であるとわかりました。

 

さて、次の写真も同じように真っ赤に紅葉した小立。

これはベニカナメモチと思われます。

雑木林に生えていた個体ですが

しばしば屋敷の生垣に使われているのも

見かける常緑小木です。

 

《追記》

ベニカネメモチは新葉が生える時に赤色になる種だそう。

色素成分は同じくアントシアニンのようです。

新葉が赤い原因は

抑制的な成長を意図し特定の波長の太陽光をブロックしている

また、食害する昆虫が寄り付かないように赤くしている

といった説があるが定かではないようです。

 

ベニカネメモチ…ひと際赤が目立つ春紅葉です

 

こちらは海岸沿いの松林の防砂林の

散策路に群生していた小木。名称はトベラ。

街中の街路樹や公園の小径に植わっているのも

よく見る風景です。

春の新緑が薫る中でも少し独特の香りがする印象です。

葉の左右の端が裏側に反り返っている個体も多い。

図鑑で調べたりや植物に詳しい知人に

訊きながらやっと樹木の名を確信しました。

 

一斉に開花したトベラ

 

温暖でそこそこ降雨量も多く常緑広葉樹が

一番繁栄している土地柄、

見分けがつかない似たような照葉樹木を

数多も見かけますが、

植物図鑑を眺めてその種類を調べるのも

外出自粛中の今、楽しい生物学習のひとつです。