菅首相の長男らが接待の報道 総務省幹部が会食認める
一部週刊誌で“総務省幹部が衛星放送の関連会社に勤める菅総理の長男など会社幹部から違法な接待を受けていた”と報じられた問題について、幹部の1人が会食をしていたことを認めました。
4日の衆議院予算委員会。野党側から総務省の幹部に質問が飛びました。
「12月10日、六本木の小料理屋で、菅総理のご長男から接待を受けたのは事実ですか」(立憲民主党 黒岩宇洋 衆院議員)
「お答えいたします。会食をさせていただいたことは事実でございます」(総務省 秋本芳徳 情報流通行政局長)
4日発売の「週刊文春」は、総務省の複数の幹部が衛星放送の関連会社に勤める菅総理の長男や会社の幹部らから違法な接待を受けていたなどと報じました。国家公務員の倫理規程は利害関係者から接待を受けることを禁じています。
去年12月に接待を受けたと報じられた秋本局長は、野党側の質問に対し、会食したことを認めました。さらに・・・
「会費はご自分で支払われましたか」(立憲民主党 黒岩宇洋 衆院議員)
「当初、出席者の中に利害関係者はいないと認識していたため、自己分の負担を行っておりませんでした」(総務省 秋本芳徳 情報流通行政局長)
「要は、その日は自分では一切お金を払わず、ごちそうになったということでよろしいですね」(立憲民主党 黒岩宇洋 衆院議員)
「事後的に額、確認できる範囲での額を確認して振り込みをさせていただいたしだいです」(総務省 秋本芳徳 情報流通行政局長)
秋本局長は会食後に利害関係者と思われる人物がいることが判明したとして、返金したと説明しました。
野党側は、菅総理にも一連の会合についての認識を問いました。
「何でこの人たちは、こんなに総理のご子息とここまで会食をしたのか、思い当たる理由、目的をお答えください」(立憲民主党 黒岩宇洋 衆院議員)
「ご指摘のようなことがあったら、あったかどうかというのは、やはり、しっかり調査してもらう必要があるだろうと思います。私の長男と結びつけるのは、それはいくら何でもおかしいんじゃないでしょうか。私、完全に別人格ですからね」(菅 義偉 首相)
政府は、報じられた総務省幹部の一連の会合について、国家公務員倫理審査会で適切だったかどうか審査する予定です。
4回の接待のすべてに同席していたのは菅首相の長男で、東北新社に勤務する菅正剛氏。「週刊文春」は接待の様子を取材、違法とされる金券授受の瞬間などを撮影している。総務省は接待の事実関係を認め、その違法性について確認作業を始めた。
菅正剛氏は、菅首相が第1次安倍政権で総務大臣として初入閣(2006年)した際、総務大臣秘書官に抜擢され、翌07年まで約9カ月同職を務めた。08年に東北新社に入社し、現在はメディア事業部の趣味・エンタメコミュニティ統括部長。また東北新社グループの株式会社囲碁将棋チャンネルの取締役も兼務している。
東北新社は衛星放送チャンネルの『スターチャンネル』や『囲碁・将棋チャンネル』、『ザ・シネマ』などを持ち、それらのチャンネルは、総務省から認定を受けた上で事業運営されている。
公務員倫理に詳しい国際基督教大学の西尾隆特任教授が解説する。
「公務員が利害関係者と会食し、奢ってもらった場合、国家公務員倫理法に基づく国家公務員倫理規程第3条6が定める禁止行為『供応接待を受けること』にあたり、違法行為に該当します。利害関係者については、同規程第2条で定められており、省庁から許認可を受けている業者であれば、これにあたります」
タクシーチケットや手土産を受け取った場合、同規程第3条1が定める「利害関係者から金銭、物品又は不動産の贈与を受けること」に該当し、同じく違法行為とみなされる。