2月の終わりに治療を卒業した
普通なら、喜びの気持ちを表現するのかもしれない
でも、そこで私に生まれた感情は
黒に近い灰色で、今にも大粒の雨を降らせる雲のような重たいものだった
仕事を失っていた私は、終了と同時にただの無職になる
仕事が一番の優先順位だった私には、すでに治療がよりどころだった
治療があるうちは、再発の恐怖にさらされることもない
無職の看板を背負うこともない
でも治療は終了
「治療が終わったら、必ず声をかけて」そんな上司の言葉をうのみにして
治療後すぐに戻れるように、明るく元気に前向きな患者で
治療中のハプニングも乗り越えてきた
でも信じた言葉はとっくに排水溝から流されてた![]()
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上司から聞かされた言葉は、「再発したら・・・」
経営を考えたら、もっともな言葉だと思った
いつ再発してまた穴をあけられるかもしれない、そんなリスクを避けるのは当然だ
それだけの迷惑をかけてしまった結果だ・・・
治療が終わってキラキラしているはずの毎日は
どす黒く、どろどろした毎日に変わってしまった・・・
そんな私に残されたのは、更年期障害と右足の付け根のリンパ浮腫、
抗がん剤の副作用の手足の消えない痺れ、そして原因不明の骨の痛み・・・
眉毛もまつげも鼻毛も、毛という毛が全て抜けたつるつる頭の私
でも2ヶ月かかって、眉毛もまつげも鼻毛も髪も、毛という毛が全て生えてきた![]()
それと一緒に私自身も地表に這い上がることができてきた
不採用の通知の山を見て、また水面下にもぐる日があるかもしれない
でもそしたらまた這い上がればいいや
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