あっけなかった
「癌」かもしれない、そう知るまで本当にあっけなかったな
「お帰しするわけにはいきません」
救急外来のイケメン医師はそう言った
そして一つ一つ、帰すわけにはいかない根拠を示していった
どんなに根拠を示されても、仕事に急に穴を空けてしまうことばかりが気がかりで
そんなこと絶対にありえないと、あってはならないと・・・
私の代わりなんていくらでもいる、でも急に穴を空けることで
どれほどの迷惑をかけることになるのか、取り返しがつくのか・・・
考えるのはそのことばかりだった
そして夫に、両親に、こんなことになってしまって
申し訳ない気持ちでいっぱいで、涙が止まらなかった
子供のいない人生に、孫のいない人生に
夫を、義父母を巻き込んでしまう恐怖に押しつぶされそうになった
それでも手術も治療も終わって、経過観察に入った今も
仕事は失ってしまったけれど、相変わらずのみんなに囲まれている![]()
みんなが私の人生の一部を背負ってくれたように
私もみんなの人生の一部を背負って
子供のいない、孫のいない人生に巻き込んでしまった責任を背負って
生きれるかぎり、しっかり生きていこう![]()
