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『ねぇ、マキとどうゆう関係なの?』
「なぁんも関係ねぇーよ。」
今日もいい天気だ。夏は暑いだけだが、冬の晴れはスカッとしてて気持ちがいい。
『うそだ。夜二人でこのカフェに来たの知ってんだから』
「あーあれ読んだんだ。あんときはあいつと久しぶりに会ったからココでお茶してただけ。」
『うそだ。見事なアツアツぷりだったってkehooニュースに書いてあったもん。』
「それはあいつが勝手に絡んできたんだよ。」
たしかに表現とかでなく現実引っ付いてきて熱かったが。
とある田舎町にある小さなカフェ。
前述にもあるように何回かはココにきてお茶をしている。
目の前にいる色黒の彼女は千代子(ちよこ)だ。幼稚園、小学、中学と同じ、いわゆる幼馴染。
色黒は部活のテニスでできた日焼け。もともとの肌は白いほうだった。
千代子はコーヒーは飲まない。苦いのが好きじゃない。
ただ甘いのは大好きだ。彼女はチョコケーキを頼み、オレはキリマンジャロコーヒーを頼む。
こうするとコーヒーがセットになってお得になるのは知っている。
『そんで、マキとはどうゆう関係?』
一口ケーキを食べてまたこの話題。どうしてこんなにもつっかかってくるのか。。
「別に」
とりあえず答えて、オレも一口コーヒーをすする。
『冷たい』
“冷たい”・・・そうしている気持ちは全くないのだが。。
たしかマキにも“アイスクリームみたいに冷たい人”なんて言われたっけ。
千代子の悲しそうな表情をする。
『昔はそんな人じゃなかった。高校行ってからなんか変わったよ』
千代子とは高校だけ違かった。
「そうか?じゃあ悪かったよ。まぁ強いて言うなら高校時代の“元カノ”かな」
『え!?付き合ってたの!?』
「言ってなかったっけ?」
『言ってない言ってない』
首をブンブン振る千代子。
「まぁ昔のことだし今はただの友達。。つってもあんま会ってもいないし、あいつも有名人だからな。」
『なんで別れたの??』
「・・・それは、まぁ、うん、えっと、価値観の違いってやつかな」
なんでだったっけ?別れた理由。。あー、そっか。
『ふーん。でもびっくりしたよ。あの元STOVEのMAKIとあんたが繋がってたなんて。』
「昔の話だ」
『あたし、STOVEめっちゃ好きだったんだよ!特にマキ推し!!あの元気さが心暖まるというか、、なんか好きやねん!!』
「なぜ関西弁?」
『でも、なんでだろう?あの記事見たら、なんか苦しいっていうか悲しいっていうか。。マキ超好きなのに、なんかヤダ。。』
「・・・」
『まさか昔より冷たくなってしまったのはマキと何か関係あるの?』
千代子は顔は笑っていたがどことなく悔しそうな表情をしていた。
たぶん第三者から見たら気づかないだろう。
なんてたって幼馴染だ。オレが気づかないわけがない。
「チョコケーキのアイス、溶けかけてるぞ。早く食え」
『うん。。』
溶けかけのアイスクリームにフォークで小さく切ったチョコケーキを付け口に運ぶ。
「・・・それと別れた理由、実はさ、、あいつと別れるとき千代子の顔が浮かry」『美味ーーい!!!』
「!?」
びっくりした。顔文字で表現するとまさにΣ(゚Д゚)だ。
『なにこれ!?アイスクリームだけでもチョコケーキだけでも美味しいのに両方合わさったらすげーよ!!』
『口の中でとろけるようなハーモニー。なんつーの?まさにスイーツのウィーン合唱団や!!』
まさかまさかの切換えし。
そして超絶に上手くない彦○呂風の例え。
「あの、千代子・・・さん??」
『ん?ごめん。さっきなんか言った?』
目を輝かせた千代子の顔はまったくもって先ほどの悲しい表情なんて微塵も感じられなかった。
まぁ千代子のそうゆうところを好・・・『ねぇってば、さっき何言ったの?』
「いいや、なんでもない。変わってねぇな。お前(笑)」
久しぶりに心から笑った気がした。
『お、中学の頃の無邪気な笑顔に戻ったね!!』
千代子も無邪気な笑顔でそう言った。
「そろそろ行こう。」
会計を済ませ、店の出入り口へと向かう。
『見てみて~!なんかすごい骨董品みたいのとかが色々ならんでる~』
足を止めて千代子は飾り棚とショーケースを眺めている。
「これ全部マスターのコレクションらしいよ。」
『このサインボールは誰のサインだろう?』
「これマスターが自分で書いた自分のサインボールらしいよ。」
『え・・・』
苦笑いというか失笑というか二人して何とも言えない顔をして再び出入り口に向かう。
『今度あたしに奢らせてよ!いつも奢られてばっかじゃ悪いし』
「いや、女の子に奢らせるわけにはいかないっしょ?昔からじゃん。幼馴染は幼馴染らしく甘えとけ!」
『んじゃ、ゴチ。相変わらずあたしに甘いねぇ~』
なぜかマキの顔がフラッシュバックした。
店の扉を開けると前方から声が聞こえた
“やぁ!アイスクリーム君と幼馴染ちゃん”
随分と長くはっきりとしたフラッシュバックだなぁ。最近のフラッシュバックは声まで聞こえるのか。。
・・・いや、違う!
『うそ・・・マキ・・・ちゃん・・・?』
と千代子がつぶやいて気が付いた
店を出て目の前に立っていたのは紛れでもないマジもんのマキだった。
マキはじーっと千代子を見ている。
千代子も。。。
なんかめんどくさくなりそう。。。
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チョコケーキとキリマンジャロコーヒーのセット ¥1000