
先週の日曜日に丸善オアゾで買ってきたトランプ政権の内幕暴露本「炎と怒り」を読み終えた。
この本はアメリカでは1/5に発売され、その内容からトランプが出版差し止めをしようとした事で、
逆にそれが評判になり150万部の大ベストセラーとなった。丁度25日(日)が日本語版の発売日だった。
トランプに関する本はワシントンポストの編集主幹ボブ・ウッドワードを中心に20名以上の記者の取材によって書かれ
同じくベストセラーになった「トランプ」を昨年読んだが、それとは少し毛色が違っていた。
「トランプ」
内容的には今まで新聞やTVで報じられてきたトランプ政権の混沌振りと内部対立、トランプの自分自身をコントロール出来ない性格と
道徳観の無さ、メディアからの批判に対する防御と自己正当化がこの本にも書かれている。
トランプの寝室にはテレビが3台あり毎晩それを観ているとか、本は殆ど読まないとか、ゴシップ的なエピソードを交えて
トランプの日常が描かれていて、本当かなとも思うが、年間80日のゴルフというのだから本当なのだろう。
トランプが出版差し止めを考えたくらいだから、文書誹謗にあたらないか弁護士に相談し、ファクトチェックもしたらしい。
トランプ政権が誕生して1年ちょっとだが、辞任する政権高官が後を絶たず、1日には4人目の広報部長ホープ・ヒックスも辞任した。
どんな有能な広報担当も、コントロール不能なトランプがツイッターや会見で物議を醸すからカバーしきれず、
それをトランプから叱咤されるので、(やってられないよ!)という感じなのだろう。
辞任劇エピソードで冷酷なトランプらしいのが、プリーパス首席補佐官がNYからの機中で辞任の話をトランプにすると、
(うまくやろうじゃないか)と慰留されたが、数分後、滑走路に降り立つと携帯電話が鳴り、トランプが国土安全保障長官の
ジョン・ケリーを新たな首席補佐官にし、プリーパスを解任するとツイートした事を知る。
ケリーは事前に相談を受けてなく、あまりに礼を失した解任通知にプリーパスに謝罪したという。
トランプは辞任されたという形ではなく、解任したという形にしたかったのだろう。
司法省からも既に高官3人が辞任し、司法長官も辞任・解任観測が言われ、2日前にはマクマスター安全保障担当補佐官の4月辞任説が報じられた。
後任にボルトン元国連大使の名前が上がっていたが、強硬派として知られるこの人が後任補佐官になると北朝鮮もきな臭くなる。
マティス国防長官など3人の将軍の方が実力行使には慎重なのだ。
この本でもトランプ政権内のイヴァンカ・クシュナー夫婦とバノンとの暗闘、首席補佐官などのパワーゲームが書かれているが、
最近の鉄鋼、アルミニウムへの輸入関税の話を聞くと、政権内のパワーバランスが変わり、この本には出てこない対中強硬派の
ピーター・ナヴァロが存在感を増しているのかと思う。
この人の「米中もし戦わば」を昨年読んだが、カリフォルニア大学の経済学教授としてはアンチ中国のタカ派的な本だった。
この本がアメリカで出版された1/5以降も、トランプの口あんぐり発言やツィートは止まることを知らず、ハイチへのshithole発言や、
フロリダの高校での銃乱射事件へのコメントで、教師が銃を持てば・・・や、銃を持った教師にはボーナスを・・・との発言、
この馬鹿さ加減には呆れてしまった。
今回の鉄鋼、アルミニウムへの輸入関税の話になると、呆れてばかりじゃ済まなくて、戻りかけていた株価も貿易戦争への懸念で、また急落。
既にEUや中国が報復関税などの対抗措置に言及しているが、来週の正式発表でどうなるか。
大統領就任から1年で目立った成果もなく、支持率も低迷し、ロシア疑惑で追いつめられ、中間選挙を控え焦っているのか、
自分の支持基盤に向けた政策で、政権内部や経済界にも反対意見が多いのに何故という感じだ。
こんな時こそファーストネームで呼び合う盟友関係と言われる安倍総理に(ドナルド!それはマズイよ!)と諫言してほしいものだ。