術中迅速病理診断の結果が覆るよう祈り続けた2週間。

 

病理組織学的検査(病理診断)の結果は術中迅速病理診断の結果と全く違い、脳腫瘍の中でもかなり希少な孤立性線維性腫瘍(こりつせい せんいせい しゅよう)グレード2(1寄りの2)でした。

 

グレード3以上の悪性脳腫瘍だと思っていた私はちょっと喜び、良性腫瘍だと思っていた夫はかなり落ち込んでいました。

 

メモ病理組織診断名

 ・孤立性線維性腫瘍

 ・再発率と転移率

 

メモ病名

 ・大脳鎌血管周皮腫

 

メモ今後の治療

 ・転移の有無を調べるためPET検査

 ・放射線治療

 

メモ日常生活での注意事項

 

 

  病理組織診断名

 

ー孤立性線維性腫瘍ー

 

● Solitary Fibrous Tumor(SFT)
● 浸潤がん
● 好発部位は肺、脳に発生するのは稀
● 脳腫瘍の中では0.4%以下の発生率
● 胸膜腫瘍の5%未満、10万人あたり2.8人と極めて稀
● 悪性SFTはSFT全体の12~37%
● 原発性か転移性かの判断はPET検査結果次第
● 症例が少ないためWHOでもガイドラインが存在しない(治療法が確立していない)
● 毛細血管を取り巻く血管周皮細胞を由来とした軟部組織腫瘍で、血管周皮腫(後述)と同義語
● 孤在性線維性腫瘍、孤発性線維性腫瘍とも呼ぶらしい
 
参考サイト
 

 

孤立性線維性腫瘍は病名ではなく、腫瘍を構成している細胞の種類のため、診断書の「病理組織診断名」欄に書かれていました。

 

 

ー再発率と転移率ー

 
 • 局所再発率…約40%
 • 遠隔転移率…約20%
 • 全身のいたるところに転移する可能性がある

 

20年近く脳神経外科医をやっている主治医にとっても、夫を含め過去3例しかなかったほどの稀な脳腫瘍でした。

 

また再発率が非常に高いため造影MRI検査を頻繁に行い、再発や転移を早期発見することが重要なんだそうです。

 

 

 

  病名

 

ー大脳鎌血管周皮腫ー

 

 • 大脳鎌部分に発生した血管周皮腫の意
 • 血管周皮腫=Hemangiopericytoma(ヘマンジオペリサイトーマ)
 • 診断書の「傷病名」欄に書かれていた病名
 • 毛細血管を取り巻く血管周皮細胞を由来とした軟部組織腫瘍で、孤立性線維性腫瘍と同義語

 

 

 

  今後の治療

 

ー転移の有無を調べるためPET検査ー

 

 • 孤立性線維性腫瘍の好発部位は肺

 • 体や脳の他の部位への転移がないか調べるためPET検査を行う

 • PET検査は脳と体の検査を2日に分けて行う

 

PETの予約がいっぱいだったため、検査までの1週間は一時退院できることになりました。 

 

 

ー放射線治療ー

 

 • ガイドラインがないため現時点では五分五分だが放射線治療を受けないよりは受けた方が良い(だろう)という主治医の見解
 • 抗がん剤は効果がないらしい
 • 最初にMRI検査を受けたN病院で放射線治療を受ける
 • おそらくガンマナイフ、またはノバリスでの治療となる
 

最初に脳腫瘍を見つけてくれた近所のN病院はガンマナイフとノバリスの両方を所有している、日本でも数少ない病院でした。


治療できる病院が近くにあるのは幸運中の幸運。何か不思議な縁を感じました。

 

 

 

  日常生活での注意事項

 

 • 車等の運転は禁止

 • 仕事へ行くのはまだだめ

 • 飛行機の搭乗も禁止

 • 転倒しないように注意

 • 頭部をぶつけないよう注意

 • 痙攣やてんかん発作が起きたらすぐに救急車を呼ぶこと