ちかぽん@モンゴル草原ファシリテーター兼業遊牧民です。
暦の上でも、モンゴルはようやく夏。
オーダムモンゴル学校での日本語教師の仕事も無事終わって、やっと、ツアー業務に集中できるようになりました。
草原のわが家も、ほんとうに久々にゲストゲルを3軒設置。ベッドを組み立てて、シーツや布団カバーをセットしてベッドメイク。掃除もして、レストランゲルにもお客様が集えるようテーブルと椅子を用意しました。
準備は整った。あとはお客様を迎えるだけ——そう思っていたのですが。
「仕事辞めます」のチャット一本で、ワンオペに
教え子のベルグデイが手伝ってくれるかなーと思っていたのですが、想定以上に、仕事へのモチベーションとスペックがずれていて……。
わたしの力不足もあったと思います。でも、最初のお客様をお迎えした最終日に、
「仕事辞めます。他の人を探してください」
というチャットメッセージが送られてきて、それだけでバックレられました(笑)。すぐ近くにできた大きなツーリストキャンプの同業者のところに鞍替えしたようです。あららw
というわけで、越冬遊牧民ライフに続いて、夏も草原のわが家は、ほんとうに「わが家」だけのワンオペ運営に。
後片付けも引き継ぎもなく、逃げるように去られたこと。ガナー君や私が稼いだことのないくらいの固定給を求められていたと知って、彼の中で私が「稼げる人」に見えていたんだと気づいたこと。正直、かなりメンタルにきました。
お申込みフォームの返信もできないくらい落ち込んで、もう10年通ってくださっている常連のお客様にまで「今年で最後にするかも」と弱音を吐いてしまうほど、孤独と無力感でいっぱいでした。
でも、馬に乗ったら、全部吹っ切れた
ゲンキンだなーと自分でも思うのですが。
お客様と日がな一日、馬で草原を駆け巡っていたら、いろんなクヨクヨ、もやもやが、気づいたら吹っ切れていました。
目の前には立派なツーリストキャンプができて、かつてうちで働いてくれていた乗馬ガイドさんたちがそこで働き、いつも車がいっぱい止まっている。すごいなー、と素直に思います。
でも毎日毎日馬に乗っていても、私のお気に入りの乗馬コースで、同業者さんの乗馬グループと出くわすことが一度もなかった。あれ?と気づいたんです。
もしかして——ツアー商品としてしっかり整っている分、決まったコースのプログラムで提供しているのかもしれない。
それって、「草原のわが家」とはコンセプトがそもそも違うんだ、と。

草原のわが家のコンセプトって、なんだろう?
自分らしく馬遊びをすること。
自分との対話、自然との対話、馬との対話。
静かに、じっくり、ワクワクしながらインナーワールドを味わう。モンゴルの草原と風と空のポテンシャルを満喫することで、自分を解放していくワーク。
大人数でワイワイは、そもそも自分がパリピじゃないから苦手なんです。気遣いでヘトヘトになっちゃう。大人数のイベントの段取りや仕切りは楽しいタイプなのですが、安心安全を確保しながらの馬旅を考えると、人数が多いのはやっぱり怖い。
だから、もう無理するのはやめました。「自分はダメだ」って否定するのもやめです。
うちの馬っこたちは、騎射の訓練を受けていて、気立てもいいし、乗り手との対話を楽しめる、本当にいい子たちなんです。サウナもシャワーも作り切れなかったけれど、ゲルの中の蒸しタオルや足湯で、深い眠りと幸せはちゃんと作れる。愛想のいいワンズとにゃんこも待っています。
少人数なら、みんなで濃ゆく遊べて、語り合える。他と比べて自分をいじめるのは、もうやめにしました。
乗馬を「ルーティンの仕事」にしたくない
ちび栗(うちの馬っこ)の衰えは、「この夏が最後」だと覚悟させるほどでした。もう無理はさせられません。別れはいつか来る。そしてその別れは、もうすぐ。
だからこそ、馬との対話を、これまで以上に大切にしたい。そして、新しいパートナー(馬)との関係性も、もっと深めていきたい。
今年は本の執筆企画にも関わっていて、自分のアウトプットにもっと向き合いたい。考えたこと、知識、いろんな情報を整理する時間を作っていきたいんです。書くのは時間がかかるし、ロジックも大事。
でも、おしゃべりは大好き。モンゴルの文化や伝統を知りたいと言ってくださる方に情報を共有したり、体験の時間をシェアしたりするのは、本当に楽しいんです。
民族舞踊ビエルゲー、騎射ナムナー、モンゴル料理づくり、馬に乗ること、馬具を作ること——私が向き合ってきたことを、少人数のお客様とじっくり語り合いながら、一緒にやっていく。
そういう濃密な時間を、この夏はたっぷり、全力で作っていきたいと思います。
草原のわが家で過ごせること
- 騎射の訓練を受けた、気立てのいい馬たちとの乗馬トレッキング
- ビエルゲー(民族舞踊)、騎射ナムナー、モンゴル料理など、文化体験をじっくりシェア
- 少人数だからこそできる、深い対話と「濃ゆい」時間
- ゲルでの蒸しタオル・足湯など、ささやかだけど心からほっとするセルフケア
- 愛想のいいワンズとにゃんこのお出迎え
- ガンガン馬に乗りたい人にも、のんびりしたい人にも合わせられる柔軟さ
決まったコースを回るパッケージツアーとは違う、自分との対話、自然との対話、馬との対話を味わう時間。それが草原のわが家です。
午年の午の月の午の日、60年に一度のうまづくしの日に、やっと自分の軸が決まった気がしています。
今年の夏、少人数でじっくり過ごしたい方を、心からお待ちしています。
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