モンゴルホライズン代表兼業遊牧民のちかぽんです。
9頭の乗用馬が、預け先から脱走してしまい、
9頭の乗用馬が、預け先から脱走してしまい、
行方不明という事態に・・・
モンゴル乗馬の醍醐味を楽しませてくれる
貴重な戦力が一気にいなくなるというのは、
「草原のわが家」にとっても大打撃。
嘆き悲しんでいても、どうしようもないので、
モンゴルのような
完全放牧飼育の環境での
「馬がいなくなる」という事態について
どんな場合があるか、まとめてみました。
馬がいなくなる要因は大きくわけて2つあります。
*馬泥棒
*馬の自由意思による「家出」あるいは「Long way Home」
以上を踏まえたうえで、
ちび栗たち、メインキャストたちの集団消息不明についての
私の見解もまとめました。
*馬泥棒の場合
2018年7月31日、
13頭ものエース級の馬たちが盗まれました。
このときは、うちの子たちだけでなく、
周辺の遊牧民の馬も含め、
全部で58頭が一晩で盗まれ、消息不明に。
家畜泥棒の仕業で、この年の夏は
トータルで、130頭余りの馬が被害にあいました。
年明け2019年に、大捕り物ドラマで
3人の若者が逮捕されました。
こいつらが絶対犯人ってわかっていても、
結局、馬たちは、跡形もなく消されてしまっていて、
立件すらできず、私たちは泣き寝入り。
現行犯でかろうじて、屠畜される前の馬一頭が
現行犯でかろうじて、屠畜される前の馬一頭が
持ち主のところに戻ってきただけ。
馬は帰巣本能と「自分の群」意識が強いので、
盗まれた馬は、ほぼ数日で屠畜されることになります。
うっかり、家に戻ってしまったら、
そこから犯行がバレる危険があるからです。
盗難にあった場合は、
生きて再会するのは
望み薄になってしまいます。
でも、盗難以外にも
「馬が自由意思でいなくなる」
ということがあります。
*馬の自由意思による「家出」あるいは「Long way Home」
時期的には、大体春から夏にかけて。
体力がついてきたあたりです。
馬は帰巣本能があり、
その場合の戻る場所は
彼らにとっての「Home」です。
なので、馬を購入したり、
もらったりする場合は、
その馬の元の持ち主や、
どこで生まれたかなども確認しておく必要があります。
今回の9頭が行方不明になった件に関しては、
私は、この「Home」への逃走・家でだと感じています。
根拠は何もないのですが、
ただ、そう感じるってやつです。
大体、ゴールデンウィークの頃には
乗用馬たちは、「仕事」が始まります。
毎年、ちょっと無理かなって場合があっても
「草原のわが家」に連れ戻してきます。
一度だけ、2014年は、NHKの「世界遺産100」という
ミニ番組シリーズの取材で
私が3ヶ月ほど本拠地を不在にして
ロケに出かけてしまっていたため、
ナーダム後に引き取ることになったことがありました。
その時も、3頭ほどの馬がGW過ぎくらいに脱走。
2ヶ月余りも消息不明になってしまいました。
7月末くらいのお客様の案内で手許にいた子たちで
2ヶ月余りも消息不明になってしまいました。
7月末くらいのお客様の案内で手許にいた子たちで
日帰りの乗馬トレッキングをしている時に
靄の中に戻ってきた3頭を見つけたのですが、
ついでにくっついてきた2歳馬がいて
私も「帰ってきた」と認識できずスルー。
でも、なんと、3か月近く、どこをどうさまよったかはわからないけれど、
でも、なんと、3か月近く、どこをどうさまよったかはわからないけれど、
ちゃんと、「夏の草原のわが家」に戻ってきたのです。
びっくり。
ちなみに、その時、くっついてきた2歳馬が
ちなみに、その時、くっついてきた2歳馬が
今、うちの種オス馬となってます。
特に帰巣本能が強くて
「Home」に強い執着がある子が
扇動して、仲良しと家出してしまうのです。
春と秋の「本来はそろそろ移動するよね」
っていうところで移動しないでまったりしている時も
「ちょっと、俺っちの故郷、あの辺だから、ちょっと行ってみようぜ」
みたいな感じで家出しちゃう。
1-2頭ではぐれ馬がひたすら目的もなく
スタコラ走っている時は、大体家出です。
モンゴル馬の帰巣本能については、1960年代後半の
ベトナム戦争時代にソ連軍に供出された
モンゴルの軍馬が国境をひたすら超えて
モンゴルまで帰ってきた、という話があり、
新聞記事にもなっている有名な話です。
馬泥棒の場合は、あきらめるしかない。
でも、馬の自由意思の場合は、
どこかで生きてる可能性があります。
誰かの手に落ちたとしても、
生きてさえいれば、必ず帰ってきます。
*私の見解 戻ってこい、ちび栗
今、自分にとって、9頭の馬がいなくなってしまったことは、
新型コロナ禍以上のダメージです。
とはいえ、生きていれば、きっと会えるはず、
と信じています。
祈っています。
読者の皆様も一緒に信じていただけると幸いです。
いろんな辛いこと、うまくいかないことが
次から次へと起きるけれど、
私はきっと大丈夫。
何があっても、どれだけ辛いことがあっても
いろんなものを失う日々だったとしても、
アフターコロナまで生き延びます。
「草原のわが家」は必ず守り抜きます。
何があっても、
私は絶対強くなる。
絶対、あきらめない。
明るい未来を作るために
今日の涙も怒りも汗も
全てを、宝物として
受け止めます。
にしても・・・
ちびくり、早く帰ってこい。
また一緒に、旅しよう。
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