ひたむきに続けることで乗り越えられる壁がある。

 
2019年は淘汰と激震、葛藤の1年。
この1年は、モンゴル伝統文化に、のめりこみました。
それこそ会社が傾き、プライベートが崩壊しそうになるほどに。

人生の全てを賭けて、妥協せずに突っ込まなければ、たどり着けない境地っていうのがあります。
どれだけ、挫折感や無力感に打ちのめされても、倒れた分だけ立ち上がるしかない。
のたうちまわっても、大切な人が離れて行っても、大事なものを失ったとしても、あきらめずに続けることで得られる宝物があります。
 
今年は、そういうものをゲットするために、時間もお金も使った、、、そんな一年でした。
 
兼業遊牧民のちかぽんです。2002年にモンゴル国で起業しました。
 「モンゴルで○○やりたい!」夢を叶えるお手伝いをするノマドコーチ・エコツアープロデューサーです。 
ただいま全力で冬のお仕事募集中。モンゴル語―日本語ー英語の通訳・翻訳が得意です。
 
 
実は、モンゴル伝統騎射ナムナーに取り組むにあたり、実に多くの葛藤と諍いがありました。
 

一矢報いる。四面楚歌の苦境になっても諦めない。


 

スタッフは、去年の勢いでもっと成長できる!と期待していて(実は私も、集客活動も営業努力もなしに、なんとなく期待していた)給料ベースアップでしかも半年分の前払いとか、すさまじい要求で・・・

なんとかなるさ、と思って、皆でやりたいことやって、がんばろう!とか士気は高かったのですが、先行投資や人材への投資を取り返せるほどには売り上げはなく、ウランバートルから車で1時間足らずだった移動時間が、突然の道路工事でシーズン中、走行距離2倍、かかる時間も2倍で燃料代も倍近くかかるという想定外の出費がかさみました。
 
冬から春にかけて、馬には乗らず、弓練習。
これを朝から晩まで、毎日、稽古場に通って夢中になって練習していたため、本業がおろそかになってしまい、案の定、2019年の夏の旅行シーズン稼ぎ時の売り上げが半減。

騎射教室のクラブ内で、なんだかよくわからない諍いがあり、仲の良かった女子選手が次々とやめてしまい、いくらクラブに貢献しても徒労感と虚無感が残り、さらに騎乗練習させてもらえないというジレンマ・・・

カザフスタンなどでの国際大会の招待選手選びとか、騎馬軍団ショーなど、元々の経験者や騎馬サーカスの元団員などの練習優先になり、実力の差はますます開くばかり。
せっかく稽古場行っても、レギュラー選手の食事準備や矢拾いとか裏方ばっかりで、立射(地上での練習)をちょろっとするだけでタイムオーバー。

長年やりたかった騎射(ナムナー)だからあきらめられず、しがみついて稽古に通い・・・弊社スタッフですらあきれる始末。

もう社長はツアー会社辞める気なんじゃないか?
そんな疑念で会社自体がおかしな雰囲気になっていたこともありました。

ナムナーの活動で馬が足りないと言われれば、馬を提供し、馬運車を貸せと言われれば無料でトラックを手配し、頼まれればできることは何でもやり尽くしました。
 
会社的には、そんな余裕あるなら、給料上げろよ、設備投資しろよ、だったことでしょう。
 
 

ひたむきに打ち込んでいるうちに仲間が増えた

騎射用馬の調教というのも、1月から約束していたのに、結局実現したのは7月末。
ナムナークラブ主宰で騎射インストラクターのアルタンホヤグ先生が、「ちか、馬を持ってこい」
全部で7頭の馬を騎射用馬に調教してもらいました。

騎射用馬、ということは、コース内を全力疾走でまっすぐに駆け抜け、コースが終わったら、減速し、万が一騎手が手綱をとれなかったとしても、安全に停止できる自制心があること。
バサバサした装束や観客の賑やかな歓声、突発的な事故にも暴れない冷静さと従順さを持つということ。
さらに、うちの馬っこたちは、騎馬軍団ショーでも活躍し、モンゴル全国騎射大会の優勝馬になりました。

草原の我が家にいらっしゃったお客様の中にも、騎射をやってみたい、という方も出てきて、ナムナークラブのレギュラー選手やアルタンホヤグ先生が出張指導してくれるようになりました。

 
我が家の馬っこの中でも一番のビビリーだったちび栗ちゃんを騎射馬にしてくれました。
3歳の頃から10年。ずっと私の相棒としてがんばってくれている「ちび栗ちゃん」。
国際大会にちび栗ちゃんと出たい・・・でも、もう13歳、無理はさせたくない、しかも、ビビリーだから、弓矢を持って手放しで走るなんて・・・と思っていたのですが、ナムナークラブの皆ががんばって大事に大事に調教してくれたところ、なんと、ナムナークラブ屈指のバテない駿馬となっていたのでした。
 


生涯馬飼い牧民だった故ラクチャーさんが、「この馬はちかを乗せるために生まれてきたような馬だ」と譲ってくれたちび栗。
プロの目は本物でした。



春の集客活動をしなかったせいで、とにかくお客様が少なくて、日程的には埋まっていたから忙しかったけれど、売り上げは全然あげられず、冬の備えも満足にできず、馬を里子に出して干し草を使わずに越冬できるように移動させ、冬季営業は断念。
スタッフも、それぞれ冬の仕事を見つけてくれて、冬場の人件費節約に協力してくれました。
春になったら、必ず戻ってくるから、それまでに、なんとか再建のめどを立ててくれと。

草原の我が家は、遊牧民スタッフを残して、冬眠することになりました。
 
騎射のために費やした時間、そして、投資したお金・・・
弓を購入し、矢を買い集め・・・
騎射用馬は合計7頭。うち大会優勝・入賞馬は、3頭。
スタッフは全員、モンゴル弓射はできるようになりました。

「社長が忙しくて練習に参加できないからといって、クラブ内でないがしろにされるのは我慢できない」


スタッフはナムナークラブでの練習メニューを見て、的を作り、コースを作ってくれました。
子供たちは、私が練習しているときは、競い合って矢拾いをしてくれます。
近所の青年たちも、弓に興味を持って、一緒に練習してくれるようになりました。


草原の我が家は、ただの「遊牧体験ができる宿泊施設」や「乗馬ができる場所」ではなく、
モンゴル伝統騎射・弓射ができる施設になりました。

ナムナークラブの若者たちだけでなく、モンゴル騎射選手全体とも仲良くなって、お互いに切磋琢磨できる仲間になれました。
あきらめなくてよかった。

ただひたすらに練習を続け、モンゴル騎射文化の復興に尽力し続けてきた私のことを、若者たちも認めてくれてた。
騎射連盟の人達も理解して、応援してくれるようになった。

モンゴル騎射はまだまだこれから。清朝に征服支配されていた300年余、ソ連の弟分的共産主義国家だった80年間、強さ故に封じ込められていた400年弱のミッシングリンクを繋ぎ直し、伝統とは何か、を見直し、勝てる技術を磨くためには課題が沢山あります。
 
馬や道具の維持管理費はかかるし、馬の消耗も激しく、危険も伴うスポーツである騎射ナムナー。
 
蓋を開けてみたら、自分の預金はすっからかん。会社の収入すってんてん。

残ったのは、騎射・ナムナーって面白い!という選手としての自覚とやりがいと、会社再建という大きな課題。
 
 

スーパー騎射馬/ナムナーホースと駆け抜ける

 
それでもね、やっぱり、やっちゃいますよ、ナムナー。
約200mの走路を10秒から13秒で3個~5個の的を射抜きながら馬と共に駆け抜ける人馬一体のスポーツ。


馬たちにとっても、この競技は、プライドを賭けた闘いで、トレッキングとはまた違って楽しいし、遣り甲斐があるみたいです。
騎馬アクロバットショー前後の意気込みを見ているとわかります。

モンゴル馬はやっぱり、世界を制覇する機動力の末裔です。

コスプレの騎馬英雄を乗せるアイテムではなく、本気で騎馬武者を乗せて闘う、それが、騎射馬です。

パッと見、よくわかんないかもしれないけれど、乗ってみればわかります。

ただのおとなしい従順な馬ではない。
乗り手のパフォーマンスを最大限に引き出し、目的を果たすために力を尽くすメンタリティと強靭な肉体を持った騎射馬。

営業的には傾いちゃってて、偉そうなことは言えないのですが、それでも、私は、騎射馬を手に入れた。
騎射・ナムナーという勇気と騎乗技術と馬との信頼関係を併せ持って初めて可能になる乗馬スキルを身に着けた。

これは、きっときっと来年に活かされる・・・はず。

ほどほどなんてできないから、もっともっと多くの馬好き、日本好き、馬旅好きの仲間を作って、ナムナーも馬旅も、両立していきます。

これは・・・お客様が来てくださってこそ、達成できること。
千客万来が来年の目標です。

てか、、、越冬が目の前の大きな壁なんだけど。
このままだと、2月くらいに資金が尽きちゃうので、それまでに対策実行して、資金調達せねば。
 
仲間もお金も仕事もがんばって増やさなきゃね。
応援よろしくお願いします。
 
 
 

 

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