モンゴルだるま@モンゴルで兼業遊牧民です。
来週末ははや旧正月=ツァガーンサルです。

週末のウランバートルは、車のナンバープレートの末尾番号の偶数・奇数で交通規制をかけております。
モンゴルも盆暮れにあたる、ナーダムとツァガーンサルは、皆さん、毎年、心ウキウキ、何やら宴会の準備をするので、市内は大渋滞になるのです。

今週は、一瞬、気温-15℃くらいまで暖かくなり、わー、もうすぐ春ですね♡って思ったけど、甘かった・・・

モンゴルでは急に気温が上がるのは低気圧発生の合図。翌日から、-30℃近くまで冷え込み、さらに地吹雪、吹雪と悪天候のオンパレードになりました。

風がおさまり、天気が回復しているときは、風で粉雪が吹き飛ばされたところは放牧地として使える草がまだ残っているので、羊、ヤギ、牛を放牧に出します。

体力が落ちている子羊・子山羊や子牛たちは、家畜小屋の前に隣接している家畜柵の中に残します。
 

 

 

 

家畜小屋からわずか10m弱西に行くと、「草原の我が家」の厨房ゲル+シェパード犬ジャックの家があります。
わずか10mの違いで、雪の吹き溜まりになります。今は私たちは、拠点がゴルドックとウランバートルという集落にあるため、草原の我が家は、主なき状態。それでも、夏に使う場所のため、風通しがよいところにあるので、ゲルそのものが埋まるようなことにはなりません。

 


厨房ゲルのテラスの下がシェパードのジャックのネグラ。
雪に覆われていると意外と暖かいみたいです。寝床には羊の毛皮が敷いてあるから、寒くないのかな?いい感じに固太りで元気いっぱい。
テラス階段部分はジャックが自分で行き来して雪かきしてくれています。

懸念されていた通り、モンゴルは全国的に「ゾド」と呼ばれる厳しい冬や春の天候が主な要因となって家畜被害が甚大になる災害が広がっています。
行政から、支援用の干し草とフスマなどの穀類飼料が格安で配給されるという連絡がありました。
我が家では、あと200束くらいの干し草が欲しいなぁと要請は出しましたが、まだもらえていません。200束申請したら20束きたらラッキー!ぐらいの感じ。
ガナー君の話だと、去年も、連絡だけはきたけれど、実際は「もう配り切っちゃった!」ともらえなかったので、あんまり期待はせずに、自己調達しようぜ、とのこと。

冬営地選びってすごく重要です。
上記の写真でもおわかりになるように、わずか10mの差でも、こんなにも積雪条件が変わってしまうのです。
風の吹き方、雪の吹き溜まりの在り方、気温、周辺の放牧用の草地、水場など複数の条件を総合的に判断しながら、冬営地を選びます。
毎年、状況は変わるから、遊牧生活10年目となっても、相変わらず試行錯誤は続きます。

 

今年の冬はかなり覚悟して、家畜の数も減らしています。(つまりは屠畜しました。)
ガナー君も私も、入院とか一時帰国とかで、頻繁には草原に戻れなくなっている事情もあり、牧民スタッフも、積極的に責任感発揮で家畜の世話にあたってくれています。
おかげ様で、この厳しいと言われている状況でも、家畜たちはよい状態で越冬しています。

とはいえ、家畜が衰弱するのは、ツァガーンサルを過ぎてから。まだまだ油断はできません。
今年は羊・山羊の出産はありませんが、先日の吹雪で、周辺の牧民さん達のところでは、随分沢山の出産間近の羊・山羊が死んでしまったり、流産してしまったとのこと。
草原の我が家も、冬営地としては、それほど条件がよいところではないので、今年は出産は諦めたのです。でも、出産がないと家畜も殖やせない。
経営判断の難しいところ。

これからのシーズンは、家畜の生きる力が生き死の分かれ目。
餌を補充したからといって、急には体力を回復することはできないのです。
夏から秋にかけて、どのように放牧してきたか、晩秋から冬にかけての世話をどうしてきたか、が問われます。家畜の世話は、年間、一生を通じての健康管理なのですね。

うちでも、12月に急に引き取ることになった子羊・子ヤギはやはり、体力的に厳しくて衰弱死する子も出てきています。

家畜を飼うのは厳しいなぁ・・・

でもね・・・やっぱり、楽しいんです。牧民スタッフの話からも、大変さと同時に、

「こんな状況でもちゃんと家畜は元気だぜ」という誇らしさが感じられる。

皆、春を無事に乗り切り、そして、夏にまたお客様をお迎えすることを楽しみにしながら、
それぞれの役割をヤリガイを持って担ってくれている。

ツァガーンサルが来れば、春はすぐそこ、です。

 



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