モンゴルだるま@モンゴル語通訳兼業遊牧民です。

雪害で大変なことになっていらっしゃる方々に生きていてほしいから書きます。
氷点下30℃くらいのところで満足な装備もなく野営することになっちゃったり、吹雪で羊の群とともに迷子になっちゃったり・・・が日常生活の一部である遊牧生活@モンゴルの経験から。

-30℃くらいまでだったら、2-3日のビバーグ、食料がまともになくても、雪を口に含んで溶かしながら水分補給していれば、体温と衣類で保温して命を維持することはできます。

車に閉じ込められた場合は、燃料の残存量を確認して。
暖気だけでも結構燃料くらいます。あとは排気口がふさがると危ないので、ときどき消して確認。

体を動かして。

あとじっとして。体力温存。でも、人間の体力ってあきらめなければ結構あるものです。普段、運動不足の人でも、気力があれば、大丈夫。

凍傷にご注意。凍傷は寒風にあたったらあっという間です。
そして、なったときは感覚がないから痛くないので気がつかないことが多いです。
手についた水分などはマメにふき取るように心がけて。こすったり動かしたりして血の巡りをよくしましょう。
究極の話をすると、指がなくなっても、ちゃんと暮らしている人もいます。
でも、体は一部だって失いたくないですよね。やむを得ない事情や状況でどうしても凍傷で落とすこともあるけれど、とにかく心がけと予防策で防げる凍傷はできるかぎり避けたいですね。自分の体温、腋の下とか太腿の付け根、指先、足先を温められるものはホカロン・ホッカイロ以外にもあります。

風邪をこじらせて肺炎になってしまうこともあります。すごい熱が出ます。
咳がでて辛いです。
でも、即死はしないから。

携帯電話でFBする暇あったら、孤立しちゃってたら早めに緊急電話でプロの対応をしてもらえる110なり119なりに自分で連絡して、指示をあおいだほうがよい。少なくとも自分が生きてるのか、死にそうなのか?どこにいるのか?がわかるようにしておけば、いざっていうときに救助の人にかけつけてもらえます。無理はしないで。あと楽観視しすぎて、引き際を間違えないで。
スマホの電池はわりとすぐにキレちゃいます。(特に気温が低くなるとリチウム電池の寿命は極端に短くなります)

とにかく、へこたれないで。気力さえあれば、どんな人でも生きていられます。きっと。
魂を肉体にしがみつかせるのは、気力です。
体力じゃない。

だから、もうだめだって思わないでいてほしい。
危ないって思ったら、感じたら、無理しないでほしい。

雪は太陽が出れば、そのうち融けます。
今の状況がずっと続くわけではない。
今を乗り切れば、きっときっとこれから先、まだまだずっと、思っている以上に長く生きていられます。

独りじゃないよって、自分がもうだめだ、なんて思わないで。
ダメにしちゃうのは、そういう自分の弱気です。

生きていられる、絶対生きるんだ、生き抜いてやるんだってそう信じて、自分のために生きていてください。

それにしても・・・グリッドでつながってる電気って弱いなぁ。
地下ケーブルにすればよいのに。
太陽光電でグリッドつないで売電するシステムはかなり普及しつつあるけれど、バッテリーで緊急用の充電もできるようなシステムにしておくの、大事ですね。

モンゴルも-30℃とか-40℃とか、下手すりゃ、-50℃近くまで気温は下がり、そういうところでテント暮らしって状況もありますが、でも薪でストーブたけるから、室内に入ればわりと暖かい。
でも火が消えちゃえば外の気温と一緒。そして、夜の間に火が消えてしまうこともよくあるから、結果的には-30℃くらいのところで布団で寝てることになる。
それでもわりとぐっすり眠れますから、心配しないで寝ちゃってもよいと思います。

大事なのは、火が消えて寒くなっても大丈夫って思うこと。
火があったら気持ちにも余裕出てきますけどね。
でも、物理的な火がなくても、心の火がともっていれば大丈夫。

そして、ろうそくの火でもお湯はわかせます。

自分が持ってるものすべてを総動員して、自分が生きるために使えるかどうか、考えましょう。
生きることを考えていれば、きっと人は生きていられます。

凍死しちゃったとか、車内で暖気中に一酸化炭素中毒死とか、いたたまれない訃報ニュースをいっぱい見て辛いです。

雪に閉じ込められるってすごく怖いしイライラしちゃうと思うんだけど、でも、そういうことってモンゴルでもよくあることなのです。

予定していた迎えの車が来てくれない、とか、迷子になってしまったとか、携帯電話の電池切れで使えない、電話やネットが圏外になっちゃった、道路封鎖になっちゃった、など、なんの情報もないまま、日常生活や普通のライフラインから孤立させられること、よくあることなんです。

そういうときは、「やれやれ」って状況を受け止めて、そのとき自分にできることしかできないもんなんだってこと。

自分にできることを増やせるチャンスなんだってこと。

とにかく、生きるための知恵を総動員して、とにかく雪はとけちゃえば、普通の日常だから、生きようって決めちゃって欲しいです。

そして、連絡がつけられるなら、大丈夫そうな人たちに大丈夫じゃない自分を繋げて、ささえてもらいましょう。

がんばってしかいえないけれど、がんばれるのは自分だけだから。
ファイト!
もう春はすぐそこです。

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