モンゴルだるまです。
早くも6月も3日目です。
5月27日から28日にかけての猛吹雪は「一体なんだったんだ?」と思ってしまう気温20度超の今日このごろ。
とはいえ、まだまだ油断はできません。
その時の記憶鮮明・・・といいつつも、ちょっぴり忘れかけるほどの陽気です。
忘れる前に早くケリをつけておかねば!!
という「その1」はこちらの記事
何台もの車が横転事故や立ち往生をしているのを横目に、なんとかたどり着いた「草原の我が家」
ゲルとゲルの間に降り積もった雪は既に積雪50cmを超えています。
ウランバートルを出たあたりでは牡丹雪だったはずなのに、標高が100mほど高い「草原の我が家」はスキー場の人が買い付けに来たがるんじゃないかしら?と思うほど見事なパウダースノーです。
いつもは丸い柵のなかにひしめき合ってるはずの羊・ヤギの姿はなく、数頭の雌牛が周りにつったっているだけ。
馬つなぎには、バチカさんが確保した3頭が風雪に耐えながらうなだれていました。
肝心のバチカさんは、どこかのゲルに避難しているはず・・・なのですが、携帯電話が通じません。
バチカさんの奥さんのムギさんも呆然としているのか、ストーブの火が消えかかっていて、ゲルの中も冷え切っています。
轟轟とうなるような風の音以外は何も聞こえません。
「とにかく」とガナーくんとガナーくんの弟は、羊・ヤギたちを探しに行くことに。
「君たちは火を絶やさぬように、ゲルの明かりをつけたままでいてくれ」と女子供は待機組になりました。
それから1時間後くらいにガナーくんから電話。
「○○のところの冬営地の小屋を見てみたんだけど、羊が狼にやられて死んでいる。風下に向かっていたらうちの羊たちも多分、襲われていると思う」といやーな情報。
そして、バチカさんとは合流できていないということ。
さらに1時間後。
バチカさんがいる、と行っていた民家は声をかけても出てきてくれず。
バチカさんが乗っていたはずの馬もいないので、多分、間違えたのだろうと。
だんだん、ガナーくんたちも方向感覚がおかしくなってきているようで、谷という谷、冬営地という冬営地を廻っているうちに「ここはどこ?」状態になってきていると言われる。
GPSももともとの土地勘がないと、あんまり役に立ちません。
さらに、1時間後・・・
あと1時間くらいで夜が明けてくるはず、という頃に
「湿地帯にはまって動けなくなった」とガナーくんたちから電話。
燃料は満タンにしてあるので、明るくなるまでエンジンかけて暖房つけたまま待機しているように指示。とにかく「マフラーが雪やどろでつまらないようにしておかないと、排気ガスが車内に入って中毒死するよ」と忠告しながら、現実的に、ちょっと間違えると5月の末に凍死しちゃうかも、と怖くなりました。
風はなんとなく生暖かく、吹雪のくせになんだか変な感じ。
ガナーくんたちは車で待機ということで、新しい情報は特に入ってこないだろうということで、留守番組も薪を足して、ひとまず休むことにしました。
吹雪とはいえ、風がおさまっていたら、牛の乳搾りをしなくてはいけないから。
羊・ヤギはダメかもしれないな、という諦めの気持ちと、「とにかく今はバチカさんたちが無事であれば、それでよし、としなくては」と祈るような気持ちで、スーっと眠りに落ちちゃいました。
(つづく)

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早くも6月も3日目です。
5月27日から28日にかけての猛吹雪は「一体なんだったんだ?」と思ってしまう気温20度超の今日このごろ。
とはいえ、まだまだ油断はできません。
その時の記憶鮮明・・・といいつつも、ちょっぴり忘れかけるほどの陽気です。
忘れる前に早くケリをつけておかねば!!
という「その1」はこちらの記事
何台もの車が横転事故や立ち往生をしているのを横目に、なんとかたどり着いた「草原の我が家」
ゲルとゲルの間に降り積もった雪は既に積雪50cmを超えています。
ウランバートルを出たあたりでは牡丹雪だったはずなのに、標高が100mほど高い「草原の我が家」はスキー場の人が買い付けに来たがるんじゃないかしら?と思うほど見事なパウダースノーです。
いつもは丸い柵のなかにひしめき合ってるはずの羊・ヤギの姿はなく、数頭の雌牛が周りにつったっているだけ。
馬つなぎには、バチカさんが確保した3頭が風雪に耐えながらうなだれていました。
肝心のバチカさんは、どこかのゲルに避難しているはず・・・なのですが、携帯電話が通じません。
バチカさんの奥さんのムギさんも呆然としているのか、ストーブの火が消えかかっていて、ゲルの中も冷え切っています。
轟轟とうなるような風の音以外は何も聞こえません。
「とにかく」とガナーくんとガナーくんの弟は、羊・ヤギたちを探しに行くことに。
「君たちは火を絶やさぬように、ゲルの明かりをつけたままでいてくれ」と女子供は待機組になりました。
それから1時間後くらいにガナーくんから電話。
「○○のところの冬営地の小屋を見てみたんだけど、羊が狼にやられて死んでいる。風下に向かっていたらうちの羊たちも多分、襲われていると思う」といやーな情報。
そして、バチカさんとは合流できていないということ。
さらに1時間後。
バチカさんがいる、と行っていた民家は声をかけても出てきてくれず。
バチカさんが乗っていたはずの馬もいないので、多分、間違えたのだろうと。
だんだん、ガナーくんたちも方向感覚がおかしくなってきているようで、谷という谷、冬営地という冬営地を廻っているうちに「ここはどこ?」状態になってきていると言われる。
GPSももともとの土地勘がないと、あんまり役に立ちません。
さらに、1時間後・・・
あと1時間くらいで夜が明けてくるはず、という頃に
「湿地帯にはまって動けなくなった」とガナーくんたちから電話。
燃料は満タンにしてあるので、明るくなるまでエンジンかけて暖房つけたまま待機しているように指示。とにかく「マフラーが雪やどろでつまらないようにしておかないと、排気ガスが車内に入って中毒死するよ」と忠告しながら、現実的に、ちょっと間違えると5月の末に凍死しちゃうかも、と怖くなりました。
風はなんとなく生暖かく、吹雪のくせになんだか変な感じ。
ガナーくんたちは車で待機ということで、新しい情報は特に入ってこないだろうということで、留守番組も薪を足して、ひとまず休むことにしました。
吹雪とはいえ、風がおさまっていたら、牛の乳搾りをしなくてはいけないから。
羊・ヤギはダメかもしれないな、という諦めの気持ちと、「とにかく今はバチカさんたちが無事であれば、それでよし、としなくては」と祈るような気持ちで、スーっと眠りに落ちちゃいました。
(つづく)

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