モンゴルだるま@モンゴル語通訳・エコツアーオペレーター兼業遊牧民です。
平日なのに風弱く快晴・涼しくて過ごしやすいウランバートルに、「週末もこの調子でお願いしますぜ」と願掛けしてます。
さて、今週末は日帰り乗馬です。
なーんて、いちいち言わなくても、っていうくらい多分、通訳とか取材とか翻訳とかリサーチやコーディネートがないときは、日々馬に乗ってるわけですが。
お客様がいらっしゃる乗馬はまた格別なのです。
ゆえあって、ご縁があって、先日、初対面の方から「乗馬クラブセット」を格安でお譲りいただいてしまいました。
去年、テレルジでプロトタイプで運営していた日本の乗馬クラブ式のホーストレッキングクラブがあり、アメブロでブログもやっていて、わりとメインで書いていたガイドの「トーラちゃん」の天然な爛漫さと上手な日本語と、素敵なロケーションなどに「むむむ、とんでもないライバル登場かぁ・・・」とか思いつつ、「うちはうちで地道に素朴にやってようっと」と気を取り直したり。
でも、やはり同業他社としては気になるから、結構、ブログ村ランキングで面白い記事はポチッと投票してたりしたのです。
ブリティッシュ式の馬具と日本の乗馬インストラクター、衛星電話に救急キット持参で日帰りトレッキングとは!オーバースペックじゃないの?とか思いつつも、日本の乗馬クラブ会員さんなどを相手にするなら、そのくらいの徹底した安全管理と配慮は必要なんだなぁとかね。
ひょんなことからこのクラブの運営を取り仕切ってた日本人乗馬インストラクターさんが「今年はやらない」と言っていると聞きつけ、どんな人がやってたのか会ってみたい!と共通の知り合いにお願いしてご紹介いただきました。
お会いしてみたら、あらまぁ同世代くらいの好青年ではありませんか。
8歳から乗馬クラブで馬乗ってて、ニュージーランドでも乗馬ガイドとして活動していたこともあるという筋金入りの、そして正統派の乗馬のプロの方で、意識がむっちゃ高かった。
でも、撤退の意志が硬く、状況が許せば戻ってくればいいのになぁ、とライバル!とか思ってたわりに、あまりに一生懸命だったっぽいことと、その道具や設備に対しての投資が徹底的だったことに感動し、「そんでその道具、どうするんですか?」とお伺いしたところ、(実は、頭絡とハミとヘルメットが不足していたので喉から手が出るほど欲しかった)「もう投げ売りでいいから売っちゃおうかな、って思ってるんです」というではないですか!
欲しいのは正直、ハミとヘルメット、できればプロテクターあたりで、鞍は高そうだし、モンゴルの馬にブリティッシュの鞍で鞍擦れとか大丈夫なのか?とか心配だったのと、いくらで買った、送料がどのくらいだった、というお話を伺っていると、「ほんとにモンゴルでハイクオリティの乗馬をやっている人たちのためのクラブをやりたかったんだなぁ」ということが伝わってきて、それをいろんな事情で撤退しなくちゃならなくなった、ということを聞くと気の毒で、涙が出そうだった。
起業もそうだけど、思いつきでなんか「やっちゃおう!」って意気込んでいるときは、投資も結構バンバン妥協せずにやっちゃうし、多少の赤字も「次で取り返そう、今はとにかくがんばって数をこなそう」とかって無理してでも突き進めちゃえるものです。
でも、いざ、撤退っていうときに、それまでの投資した設備とか道具とかの処分ってほんと辛いと思うのです。あと、困る。中古になると半額以下になっちゃうし、実際、引き取り手側だって難癖つけてきちゃうだろうし。
モンゴル側のパートナーが続けていくとか道具を引き取りたいっていう話も出ていないみたいだったし、実際、お会いした日の週末はあきらかに、ハミと頭絡とヘルメットが私のところのだけでは足りなくなることが明らかだったので、せめて、それだけでも譲っていただけたらいいなぁ、と思って、その時もっていた現金+銀行から引き出せる普通預金ギリギリのお金を提示したところ・・・
「じゃあ、それにプラス○○○ドルで全部お譲りしますよ」と言われてびっくり。
いや、それはいくらなんでも悪いっす。欲しいのはもちろん欲しいんだけど、それはあまりにも・・・
でも、ガナーくんも前々から「あの鞍」を欲しがっていたんだし、きっとメンテナンスが大変だろうけれど、お譲りいただけるということなら、謹んで引き取らせていただいて、いつかまた彼が「モンゴルで馬乗りたい」って思ったときに帰ってくる場所になってるようにがんばろう!と思ったのでした。
で、あとはちょこっとでも「草原の我が家」で馬乗っていただいて・・・ということで、装備一式を引き取ることになったのでした。
あらためて、引き受けてから、びっくりです。
いくつかの鞍などは乾燥でカピカピになってたり、ちょっぴりさびてたりしたけれど、それでも使える状態。
なによりもかっこいい乗馬用ヘルメットやプロテクター、ブーツなどやそれをかけておく道具(S字フックとか)などまであって。。。
で、かなり予定より遅くなってしまったけれど、我が家について、ちょこっと馬も乗っていただきました。
ほんと上手。うちの近くはいくらでも走って大丈夫な草原だから、すごく気持ちよさそうでした。
馬も適度に汗かいてて気持ちよさそうだった。鞍擦れもしてなかったし、これはよかった。
でもメンテナンスの仕方と馬装の仕方を教えていただき、ちっちゃい頃は母がブリティッシュで乗馬を習っていたから、いろいろ使ってたけど、いろんなことを完全に忘れちゃってることに気づく。あひゃー!
あわてて、モンゴルで乗馬トレッキングに目覚め、日本でも乗馬クラブに通ってた馬大好き在留邦人のマハさんに相談。乗馬関係の図解本をお借りして復習。
モンゴルではわりとざっくりとしていた使用後の馬具も、きっちりメンテナンスせねばならぬこといっぱい。
なので、いただいた装備については、私たちが常時「草原の我が家」暮らしになるまでは毎回、持ち帰ることにしました。
やはり半年以上、倉庫で眠っていた革製の鞍は、微妙にカチンカチンに乾いて硬くなってしまっていたので、暇さえあれば、オイル塗って磨いています。
ハミもカビかかってるところとかサビっぽいところは磨き直して、消毒したり。
そういえば、やってたなぁ、と思い出す子供時代。
といいつつ、ブリティッシュ鞍、私、まだ使ってないのです。
もうちょっと落ち着いたら、馬それぞれでチェックして、どの子がどの鞍に合ってるのかを確認することにしています。
とにかく、この手の「立派な鞍」で一番心配なのが、鞍擦れです。
腹帯のつけかたが違うし、馬のほうもつけたことのない鞍だし、モンゴル人遊牧民も全然、この手のタイプは初めてで、なのに「自己流」で勝手につけようとするから、ちゃんとお手本通りにできてるのかどうか、ってチェックしないといけません。
これがまた、モンゴル人も馬関係のことは頑固で、頭絡の顎のところは「拳一つ分の余裕が必要」って言っても、「そんなにゆるいと外れる」とか言い出すし、亀甲のところからちょっと滑らせて、背中のそりに合わせないと、といっても、鞍、前につけすぎ!亀甲のとこ当たっちゃうよとか。
図解本で説明しながら、まずガナーくんに講習。
ガナーくんが馬具管理係とかって張り切っているから。
大事なことは、安全に、馬に負担がかからないように馬装ができるようになること。
ちゃんとできるようになるまでは、まだしばらくモンゴル国産の馬具を使うことになります。
今年はちゃんとやってみよう!と気合が入っているのには、こんな「意志」をお預かりしてしまったから、だったりするのです。
そして、もうすぐ世界一周の旅をまさに、ぐるりと一周して、ふたたび、モンゴル単独乗馬紀行(去年は北から南の縦ルートで失敗。今回は東西横断を狙うそうです)にチャンレンジするというタイトくんが戻ってきます。
いろんな人の思いを引き取って、受け継いで、モンゴルだるま牧場というのが形成されているんだなぁってちょっぴり感慨深かったりするのです。
そして、道具のメンテナンスってめんどくさい、とかいいつつ、剣道のときもそうだったし、野球のグローブとかもそうだったし、私は道具を磨いたり、整えておくというのが意外と子供の頃から好きだったのだなぁと思い出しました。
そして、ちょっぴり高級な道具って、その分手間がかかります。
なので、まずは自分であれこれと日々、メンテナンスに時間をとりつつ、モンゴル人スタッフにも覚えてもらうべく、ちょっとずつトレーニングもしているのです。
馬に乗ることも大事だけど、道具と上手に付き合うこともとても大事だなぁってしみじみしています。

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平日なのに風弱く快晴・涼しくて過ごしやすいウランバートルに、「週末もこの調子でお願いしますぜ」と願掛けしてます。
さて、今週末は日帰り乗馬です。
なーんて、いちいち言わなくても、っていうくらい多分、通訳とか取材とか翻訳とかリサーチやコーディネートがないときは、日々馬に乗ってるわけですが。
お客様がいらっしゃる乗馬はまた格別なのです。
ゆえあって、ご縁があって、先日、初対面の方から「乗馬クラブセット」を格安でお譲りいただいてしまいました。
去年、テレルジでプロトタイプで運営していた日本の乗馬クラブ式のホーストレッキングクラブがあり、アメブロでブログもやっていて、わりとメインで書いていたガイドの「トーラちゃん」の天然な爛漫さと上手な日本語と、素敵なロケーションなどに「むむむ、とんでもないライバル登場かぁ・・・」とか思いつつ、「うちはうちで地道に素朴にやってようっと」と気を取り直したり。
でも、やはり同業他社としては気になるから、結構、ブログ村ランキングで面白い記事はポチッと投票してたりしたのです。
ブリティッシュ式の馬具と日本の乗馬インストラクター、衛星電話に救急キット持参で日帰りトレッキングとは!オーバースペックじゃないの?とか思いつつも、日本の乗馬クラブ会員さんなどを相手にするなら、そのくらいの徹底した安全管理と配慮は必要なんだなぁとかね。
ひょんなことからこのクラブの運営を取り仕切ってた日本人乗馬インストラクターさんが「今年はやらない」と言っていると聞きつけ、どんな人がやってたのか会ってみたい!と共通の知り合いにお願いしてご紹介いただきました。
お会いしてみたら、あらまぁ同世代くらいの好青年ではありませんか。
8歳から乗馬クラブで馬乗ってて、ニュージーランドでも乗馬ガイドとして活動していたこともあるという筋金入りの、そして正統派の乗馬のプロの方で、意識がむっちゃ高かった。
でも、撤退の意志が硬く、状況が許せば戻ってくればいいのになぁ、とライバル!とか思ってたわりに、あまりに一生懸命だったっぽいことと、その道具や設備に対しての投資が徹底的だったことに感動し、「そんでその道具、どうするんですか?」とお伺いしたところ、(実は、頭絡とハミとヘルメットが不足していたので喉から手が出るほど欲しかった)「もう投げ売りでいいから売っちゃおうかな、って思ってるんです」というではないですか!
欲しいのは正直、ハミとヘルメット、できればプロテクターあたりで、鞍は高そうだし、モンゴルの馬にブリティッシュの鞍で鞍擦れとか大丈夫なのか?とか心配だったのと、いくらで買った、送料がどのくらいだった、というお話を伺っていると、「ほんとにモンゴルでハイクオリティの乗馬をやっている人たちのためのクラブをやりたかったんだなぁ」ということが伝わってきて、それをいろんな事情で撤退しなくちゃならなくなった、ということを聞くと気の毒で、涙が出そうだった。
起業もそうだけど、思いつきでなんか「やっちゃおう!」って意気込んでいるときは、投資も結構バンバン妥協せずにやっちゃうし、多少の赤字も「次で取り返そう、今はとにかくがんばって数をこなそう」とかって無理してでも突き進めちゃえるものです。
でも、いざ、撤退っていうときに、それまでの投資した設備とか道具とかの処分ってほんと辛いと思うのです。あと、困る。中古になると半額以下になっちゃうし、実際、引き取り手側だって難癖つけてきちゃうだろうし。
モンゴル側のパートナーが続けていくとか道具を引き取りたいっていう話も出ていないみたいだったし、実際、お会いした日の週末はあきらかに、ハミと頭絡とヘルメットが私のところのだけでは足りなくなることが明らかだったので、せめて、それだけでも譲っていただけたらいいなぁ、と思って、その時もっていた現金+銀行から引き出せる普通預金ギリギリのお金を提示したところ・・・
「じゃあ、それにプラス○○○ドルで全部お譲りしますよ」と言われてびっくり。
いや、それはいくらなんでも悪いっす。欲しいのはもちろん欲しいんだけど、それはあまりにも・・・
でも、ガナーくんも前々から「あの鞍」を欲しがっていたんだし、きっとメンテナンスが大変だろうけれど、お譲りいただけるということなら、謹んで引き取らせていただいて、いつかまた彼が「モンゴルで馬乗りたい」って思ったときに帰ってくる場所になってるようにがんばろう!と思ったのでした。
で、あとはちょこっとでも「草原の我が家」で馬乗っていただいて・・・ということで、装備一式を引き取ることになったのでした。
あらためて、引き受けてから、びっくりです。
いくつかの鞍などは乾燥でカピカピになってたり、ちょっぴりさびてたりしたけれど、それでも使える状態。
なによりもかっこいい乗馬用ヘルメットやプロテクター、ブーツなどやそれをかけておく道具(S字フックとか)などまであって。。。
で、かなり予定より遅くなってしまったけれど、我が家について、ちょこっと馬も乗っていただきました。
ほんと上手。うちの近くはいくらでも走って大丈夫な草原だから、すごく気持ちよさそうでした。
馬も適度に汗かいてて気持ちよさそうだった。鞍擦れもしてなかったし、これはよかった。
でもメンテナンスの仕方と馬装の仕方を教えていただき、ちっちゃい頃は母がブリティッシュで乗馬を習っていたから、いろいろ使ってたけど、いろんなことを完全に忘れちゃってることに気づく。あひゃー!
あわてて、モンゴルで乗馬トレッキングに目覚め、日本でも乗馬クラブに通ってた馬大好き在留邦人のマハさんに相談。乗馬関係の図解本をお借りして復習。
モンゴルではわりとざっくりとしていた使用後の馬具も、きっちりメンテナンスせねばならぬこといっぱい。
なので、いただいた装備については、私たちが常時「草原の我が家」暮らしになるまでは毎回、持ち帰ることにしました。
やはり半年以上、倉庫で眠っていた革製の鞍は、微妙にカチンカチンに乾いて硬くなってしまっていたので、暇さえあれば、オイル塗って磨いています。
ハミもカビかかってるところとかサビっぽいところは磨き直して、消毒したり。
そういえば、やってたなぁ、と思い出す子供時代。
といいつつ、ブリティッシュ鞍、私、まだ使ってないのです。
もうちょっと落ち着いたら、馬それぞれでチェックして、どの子がどの鞍に合ってるのかを確認することにしています。
とにかく、この手の「立派な鞍」で一番心配なのが、鞍擦れです。
腹帯のつけかたが違うし、馬のほうもつけたことのない鞍だし、モンゴル人遊牧民も全然、この手のタイプは初めてで、なのに「自己流」で勝手につけようとするから、ちゃんとお手本通りにできてるのかどうか、ってチェックしないといけません。
これがまた、モンゴル人も馬関係のことは頑固で、頭絡の顎のところは「拳一つ分の余裕が必要」って言っても、「そんなにゆるいと外れる」とか言い出すし、亀甲のところからちょっと滑らせて、背中のそりに合わせないと、といっても、鞍、前につけすぎ!亀甲のとこ当たっちゃうよとか。
図解本で説明しながら、まずガナーくんに講習。
ガナーくんが馬具管理係とかって張り切っているから。
大事なことは、安全に、馬に負担がかからないように馬装ができるようになること。
ちゃんとできるようになるまでは、まだしばらくモンゴル国産の馬具を使うことになります。
今年はちゃんとやってみよう!と気合が入っているのには、こんな「意志」をお預かりしてしまったから、だったりするのです。
そして、もうすぐ世界一周の旅をまさに、ぐるりと一周して、ふたたび、モンゴル単独乗馬紀行(去年は北から南の縦ルートで失敗。今回は東西横断を狙うそうです)にチャンレンジするというタイトくんが戻ってきます。
いろんな人の思いを引き取って、受け継いで、モンゴルだるま牧場というのが形成されているんだなぁってちょっぴり感慨深かったりするのです。
そして、道具のメンテナンスってめんどくさい、とかいいつつ、剣道のときもそうだったし、野球のグローブとかもそうだったし、私は道具を磨いたり、整えておくというのが意外と子供の頃から好きだったのだなぁと思い出しました。
そして、ちょっぴり高級な道具って、その分手間がかかります。
なので、まずは自分であれこれと日々、メンテナンスに時間をとりつつ、モンゴル人スタッフにも覚えてもらうべく、ちょっとずつトレーニングもしているのです。
馬に乗ることも大事だけど、道具と上手に付き合うこともとても大事だなぁってしみじみしています。

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