モンゴルだるま@モンゴル語通訳・翻訳・エコツーリズム普及仕掛け人兼業遊牧民です。
一時帰国前に、友達から食料(高級食材の鳥の胸肉とかイカとか豚肉等)をわけていただいたのですが、さすがにモンゴル復帰後10日を過ぎると、食料も底をつきました。

今回、一時帰国から戻ってきてから、報酬は「後ほど」でひたすら作業先行(翻訳の場合、まぁそうですよね・・・)で現金が手薄なところに追い討ちをかけるように、「草原の我が家」紛争で、燃料代とか後任の委託遊牧民用の食料だの越冬用の服だの靴だのを購入するだの、石炭や水の調達だので、すさまじい勢いでの出費が続いています。

生まれて初めて、文字通り、「財布がすっからかん」というのを経験しました。
絞り出せば銀行の普通預金にわずかばかりの残高はあるんだけど、そこに手をつけたら、「理性の財布の紐決壊」の危険が始まるのは目に見えているので、今は、ただひたすら耐えるしかない、というのが本音。

とはいえ、人間動いたらお腹がすきます。
最後の最後の、ほんとに最後の現金をかきあつめ、本日、食料を購入しに「フチットションホル(通称デンジンミャンガ)食料市場」へ行きました。この食料市場はウランバートルで唯一ゲル地区のど真ん中にある、モンゴル人庶民にとっての必須食料が比較的安価で手に入ることで有名です。

珍しく、買い物に運転手(今は草原の我が家紛争火消し交渉人としても活躍中)のガナーくんがくっついてきてくれたのですが、、、
これは助かるようで意外と危険信号。
「ついでにこれも買って」という欲しいものがあるときに彼はくっついてきて荷物もちをしてくれるからです。

さて、真っ先に入ったのが肉コーナー。
珍しく平日の夕方だというのに肉が残っています。

羊肉が骨なしで6800MTG/kg 一頭まるごとで180,000-450,000MTG/kg
馬肉とラクダ肉が5500MTG/kg
牛肉が骨なしで7800-8000MTG/kg 骨付きで7500MTG/kg
鶏胸肉が6500MTG/kg(2kg入りで13,000MTG/kg)
豚肉が9,000MTG/kg~
夏はよく出ていた一番やすいヤギ肉がこの日は出ていませんでした。ヤギ肉は「体を冷やす肉」とモンゴル人は言っていて、春の終わりから夏にかけてよく食べますが、冬に積極的に食べる人はいないのかな?


食料市場でまとめて肉を買うのがとっても久しぶりだから、どのくらいの値上がりだか、よくわからないのですが、羊まるごと1頭は、ナーダムのときでも150,000-200,000MTGだったからやっぱり値上がってるといえましょう。(といっても夏に比べて今の時期に出回る羊は、脂肪たっぷり体重も重いから単純に比較はできないけど)


自分たちが「売るはずだった去勢羊がいたら今頃・・・」と皮算用をすると、悔しい気持ちもムクムク。特に、今、欲しいと思ったものをまとめて買えない不自由でイライラしやすいから。

私は都会にいるから、まあ、それほど肉の必要はないけれど、家畜の世話をしたりする「草原の我が家」チームはモンゴル人だし「肉なし生活なんかありえない」人たちだし、そう何回もウランバートルに買い出しにはこれないから、とにかくギリギリのお金を吐き出して、馬肉とラクダ肉を遊牧チーム用に購入。私は鶏胸肉と牛肉を購入。

そして、気がつきました。野菜を調達するお金、おわったー・・・orz
そして米も買えなかった・・・けど、去年購入した「日本からの無償援助米」ひと袋がまだオフィスに残っていたはず。そして根菜野菜もたしかまだオフィスに・・・

とまぁ、そう考えればちょっと安心。

肉に全てをかける女・・・
ああ、完全に肉食系決定だ。

生きてるのはそれなりにたくさんいるのに、食べられるのは一頭もいない私の家畜たち。
そして、この家畜たちを無事越冬させて、出産してもらうために、今使えるすべての資金を投入している感じの私の生活。

あたま悪いなーって自分でも思うんですが、こういうヘンテコな苦労というのも経験っていうことか、と。ネタにはなるよねーって思ってしまいます。

一般的に遊牧民1世帯(4人家族ぐらいとして)が冬から春にかけての自分たちの食料用につぶす家畜は、3-4歳の若い去勢雄牛が1頭+4-5頭の去勢羊くらいだそうです。
羊だけだったら、6-10頭くらい。あるいは馬1頭。

今回、私たちは自分たちの食料用として屠殺ができませんでした。
なぜなら、委託遊牧民たちが先にぜーんぶ屠殺してうっぱらい食べちゃってたから。
このことを考えると、「売るはずが買うことになった残念な気持ち」が肉を市場でまとめ買いするときにヒシヒシと私の心にのしかかってくるのです。
次の冬は絶対こんな思いをしたくない。というか、もうとっととこのめんどくさーい紛争、すっぱり解決してほしい。

でもウヤムヤにするのではなく、ちゃんとしかるべき筋を通して解決します。
ここはどんだけお腹がすいても、どれだけ資金的に不安になったとしても、譲れないギリギリラインです。

今はちょっとお金でこまってしまってるけれど、でも、このゴタゴタ、そんなに長引いたりしないような気が・・・(希望的観測?まぁ、いいんです、でもそんな気がする)

たぶん、冷蔵庫とか冷凍庫とかベランダに「食べられるもの=肉」が貯蓄されてることで心に余裕が生まれたからかな?

あー、やっぱりこういう心理状態がまた「肉食系」っぽい。

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