モンゴルだるま@モンゴル語通訳・エコツーリズム普及仕掛け人兼業遊牧民です。
普段は草原暮らしですが、わけあってウランバートル滞在中です。

さて、ウランバートルといえば、今や「世界で最も大気汚染が深刻な首都」トップになってしまいました。
その要因のひとつが、自動車の排気ガス。
さらに社会主義時代にロシア人によってデザインされた都市は、今日のような「誰もが自動車を持ち、女性や若者が気軽に運転できる」環境はまったく想定されていませんでした。


現在、ウランバートル市もモンゴル国政府もこの不名誉で健康被害も深刻な「大気汚染対策」を実施しようと、かなりドラスティックな挑戦をしています。

今日発表されたのは、「10月22日から市内路線バスは平和橋を渡らないルートをとおることとする。」ということ。実施期間終了の時期は未定。


大気汚染&渋滞対策第一弾として、バトウール新ウランバートル市長(民主党からは初めての市長就任)はかなり早急な対策をバンバン打ち出し始めています。

第一弾が、8月27日から2ヶ月間という期間限定で「交通量自体を減らそう」という試験的な対策として、ナンバープレート末尾番号による交通規制。

新聞発表によると、新聞元ネタはコチラをクリック(2012年9月22日発行の首都ニュースより)




現時点では、ウランバートル市に30万7784台の自動車が登録されており、ナンバープレートの末尾ごとに登録を分類したら以下の通り。
1:29931台(9.7%)
2:30088台(9.7%)
3:30182台(9.8%)
4:29979台(9.7%)
5:30832台(10%)
6:30515台(9.9%)
7:30344台(9.8%)
8:32199台(10.5%)
9:32113台(10.4%)
0:31543台(10.2%)

これに基づき交通警察が行った調査では、
月曜日(1と6)は19.6%
火曜日(2と5)は19.5%
水曜日(3と8)は20.3%
木曜日(4と9)は20.1%
金曜日(5と10)は20.2%
それぞれ交通量が減少したとの結果。

モンゴル人は、数字による縁起担ぎをする人も結構いて、特に人気があるのが、8(横にすると無限大マーク・丸が二つくっついた形がかわいい・八は縁起もの数字とアジアでは言われているなどが理由)と9(3x3でモンゴルのラッキーナンバー3の自乗で縁起が倍増!)、3(3はバランスと進化の基本数字らしいです)とかちょっぴり偏りがありますが、まぁ、大体順当に2割前後の渋滞緩和ができた、ということですね。

土日のナンバー規制がないときの渋滞のひどさを考えると、確かにこの規制はきいています。

また、主要道路での第一レーンは市内路線バス専用レーンとすること、公務員の自家用車通勤を規制しバス通勤を奨励、お役所関係の就業時間を朝8時に前倒ししてのフレックスタイム導入などの新政権+新市役所執行部体制も、渋滞緩和に貢献しています。

10月17日に日本政府の無償援助による太陽橋(高架橋)が開通したことで、ウランバートル市内の南北ルート(鉄道と川をまたがる)が3本になったことでも、渋滞がかなり緩和されることが期待されております。

渋滞って、私は、ドライバーさんたちの交通マナーやちょっとした譲り合いなど、社会性の向上によって、かなり緩和されるものだと思っているんだけど、モンゴル人の熱き血潮では、なかなか大変なのかも。

さて、ナンバープレートによる交通規制の試験期間は10月27日まで、となっています。

そこで、多分、次なる交通規制というか渋滞対策として第二弾として本日10月19日に発表された、ウランバートル市の新たな施策が「平和橋の市内路線バスの通行禁止」。

電気ケーブルが動力源のトローリーバスは、路線変更のしようがないので、現行のままですが、それ以外の市内路線バスは路線が迂回路となります。

単に渋滞緩和というだけでなく、平和橋の老朽化(っつっても2006年中国の無償援助で改築したはずだが?)で重量制限が必要になったため。
太陽橋開通に伴ってのウランバートル市の急遽の政策。
予算が確保できれば、平和橋の補強をして、春以降は市内バスの路線も元通りになるかもしれないけれど、そのへんは、全く未定だそうです。


この措置で影響を受けるのは、私が知る限りでは、アルド映画館・バヤンゴルホテル・スフバートル広場前・教育大前等のバス停からザイサン展望台・農牧業大学・パレスホテル・ナーダムスタジアム(国立競技場)・ハンオール区・ミシェールエキスポ・チンギスハーン国際空港・ヤールマグ・工場群(ウイルドベル)行き路線です。

ウランバートル市内路線バスの路線図はこちらからチェックできる・・・はずなんだけど、まだ路線図更新されてないようです。


にほんブログ村 海外生活ブログ モンゴル情報へ
にほんブログ村