散歩好き? ブログネタ:散歩好き? 参加中
お散歩大好き・モンゴルだるま@モンゴル語通訳・エコツーリズム普及仕掛け人兼業遊牧民です。
お散歩大好きというか、ジャーマンシェパードを飼っているので、日常的に毎日2時間(厳寒期ですら)は歩いています。

犬と一緒のお散歩目線というのは、1人でスタスタ町を歩いているときとはまた違って、周りをいろいろ見渡せるんですね。

ワンコもわりとキョロキョロ、くんくんしながら、とっても楽しそうに歩くので、お散歩は気分転換に最高です。(大型犬だから、周りの人もよけてくれるしね。危なくはないのですが、やっぱり知らない人にとっては、ジャーマンシェパードって強面らしい)

モンゴル在住10周年を迎えた私ですが、ウランバートルは相変わらず、気の抜けない町です。
酔っ払いが多いし、スリも多いし、マンホールは蓋がないから、ボーっと歩いていると落ちるし、交通ルールを守らない(サルか子供が運転してるの?ってくらい。でも私も、Parking Frenzyとかのゲームでは、すごく酷い。ルール以前にテクがないから実生活では運転しない)と危険だらけだから。

お散歩の基本は、まぁ、歩く。
そして、見る。これは観察眼を養います。ポプラの若芽がぎゅいぎゅい膨らんでるなぁ、とかモイル(初夏に白い花を咲かせ、8月ぐらいには黒くて渋甘い実をつけるバラ科の樹)の成長ぶりとか、芝生が映えてきたかな、とか。
ベニハシガラスの群が解散しつつあるのかぁ、とか、アマツバメが戻ってきたとか(今年はマダマダ)、スズメの仲間は随分スリムになってきたなぁ、とか。
カラスのおしゃべりやアパートの雨樋や穴に隠れている野良猫の鳴き声に耳を傾けたり。

バス停や道行く人の携帯電話や会話などで、「ふーん、こういうモンゴル語表現あるのか」とか世間話に、ちゃっかりフムフムなってたりして。

エコツアーっていうと、自然の中にいかないとできない、とかエコじゃないって思ってる人がいたり、自然の中にいて、遊牧民と触れ合ってさえいれば、エコツアーでしょ、みたいな人もいるけれど・・・

うーん、なんか私の中では、ちょっと違うんだなぁ。

ウランバートルでだってエコツアーを楽しむことができます。
都会は残飯なども多いので、実は野鳥が結構たくさんいます。
留鳥も多いし、渡り鳥もたくさんいます。

今はお互い引っ越して家が遠くなってしまいましたが、以前は科学アカデミーの生物学研究所の鳥類学者の先生とアパートが同じ棟だったので、早朝のお散歩がよく一緒になりました。

先生は都会でも地方出張でも草原キャンプでも早起き。
鳥のさえずりで目覚めて、双眼鏡をぶらさげ、ボイスレコーダーをポケットにしのばせて、野鳥観察のお散歩です。

そんな先生にくっついてお散歩しているうちに、私も鳥が好きになりました。
タダ、鳥の名前や個体識別ができるようになるっていうだけじゃなくて、その鳥の生態とか特徴を教えていただいたり、さえずりやしぐさから鳥のメッセージを読み取ったり、渡りの時期とか群の状態とか飛び方でその日の天気や、シーズンの気候の傾向などの気象状況を想像するとか。
モンゴル人にとって、その鳥がどんな意味を持つのか、とか。
フィールドワーク中のエピソードや、今やっている研究の話とか。

そんな朝のお散歩の経験が、今の私のエコツアー中の鳥関連の解説のネタになっています。

植物学者の先生と一緒に調査をしていたときは、薬草や毒草のお話をきいたり。
街や幹線道路沿いに生えている外来種や雑草などから植生の変化を読み解くとかね。

草原や森林に生えている野草や樹木の共存関係とかライバル関係とか。
植物のサバイバル術とかDNAのこととか。

歩きながらの情報収集って、屋内で座って、ネットや本や授業の講義から得る情報と違って、身体と心と記憶に残るんです。

ぼーっと頭を空っぽにしたいとき、クヨクヨとトコトン悩みを突き詰めたいとき。
家の中にいるより、歩きながらってほうが、どっちにしても前向きになれます。
人間って後ろ向きに歩くよりは、前向きに歩いたほうが楽チンですよね。
うつむいているより、キョロキョロしてる方が、気が晴れます。
空を見上げたり、風を感じたり、人間が本来もっている五感を活性化させると、人間ならではの悩み(つまりは人間関係とか仕事とか)は、わりと自分から引き剥がして、客観的にとらえることができるようになります。

そして、客観的にとらえた自分の悩みって、意外と
「くだらないことで悩んでるんだなぁ」って、ふーっと笑い飛ばせるもんです。

エコツアーは基本は地元の人たちとの交流だと思うのですが、地元の人って、別に人間だけじゃなくてもいい。
そして、観察するっていうのも大事な要素。

でも、その時に自分の目だけじゃなく、その土地の人の目や耳、感覚などとミックスできるとエコツアーっぽくなります。

子供と一緒に自然や街の音に耳を傾けてみるとか。

毎日の当たり前の生活をマンネリじゃない、ブランニューデイにできる。

お散歩術であります。

犬と一緒にいるとね、不思議と悪意のある人は寄ってこないし、邪気のない、好奇心とか感性が自分に似ている人がすーっとよってくるんです。

1人で歩いているときは、私、わりとダラダラ、ちんたらしてしまうのですが、犬にひきずられていると、わりとスタスタ、いいペースで歩数も時間も稼げるから、いい運動になります。

お散歩しよう!って意識するだけでも、自分の身体の感覚、目覚めますよ。

旅の第一歩はお散歩、そんなことを感じています。