モンゴルだるま@モンゴル語通訳・コーディネーター・エコツアーガイド&オペレーター兼業遊牧民です。
モンゴルで寒い、寒いとぼやいていたら、サハ共和国のオイミヤコンでは、-72℃を下回る気温となり最低気温レコード更新したとのこと。
ウランバートルの場合、寒さよりは大気汚染のほうがボヤキの種なのですが、それにしても-70℃を下回るところがあるってことも、そういうところでも人が暮らせているということにもオドロキです。
煙いぐらい文句いってはいけませんね。
さて、先週金曜日に市民集会は、平和裏に終わったようです。
オイミヤコンほどではないとはいえ、-25℃前後の屋外ではそれほど長時間じっと立ってたり、座り込みをしたりするのも限界がありますし、今回は労働者組合連合の先導だったのですから、「市民運動」なれもしています。
この市民集会は年明け前後から急にトゥグルグ安が進行し、燃料代がいきなり1ℓあたりの相場が200-300トゥグルグも値上げされたことが引き金となって急激なインフレが加速していることへの政府批判が目的でありました。
つまり、労働組合連合としては労働者の最低賃金引き上げなど労働条件、生活基盤の向上を時間をかけて交渉しているものの、その努力や妥協・譲歩だけではとてもカバーしきれない急速なインフレが引き起こされているのを、行政も国会もなんの対策もとらないことへの抗議だったわけです。
政府が変わるたびに、あるいは国会の会期ごとに、電気代などの値上げのときは国家公務員の給料は30%ぐらい一気に引き上げされるのが通例なモンゴルですが、一般労働者の賃金をこんなペースで引き上げしていては、民間企業はとても経営維持ができません。
かつガソリンなど石油系燃料の輸入・販売業は国の特別なライセンスが必要で、一応、石油燃料の相場などの調整する国家機関があります。
先日、これまた急に民主連合と人民党(モンゴル人民革命党が分裂した)による連合政権から民主連合が離脱を表明。そして、民主党側勢力が長だった、この相場調整機関をやめる寸前に石油系燃料の相場高騰が起こり、なんの政策・対策もないままにインフレとトゥグルグ安の経済混乱を巻き起こした、というのが一般庶民の見方なのです。
あと半年という任期を残し、今年6月末に行われる選挙対策的に、混乱した政局をほっぽりだして政権離脱することに、どんなメリットがあるのか、私には理解しがたいのですが、上記のような、インサイダー取引というか、価格操作に影響がある行動をしたままほっぽりだして撤退・・・というのが本当ならば民主連合は市場経済制や民主主義を誤解しているか、馬鹿にしているか、自分のことしか考えていないのか・・・と残念な気持ちです。
でも、市民運動の成果が出たのか、石油系燃料は若干安くなりました。
土曜日からの値下げは、1ℓあたり、それぞれ20-30トゥグルグ。
値上げのときは一気に200-300トゥグルグもあがったのに、値下げは、その10分の1程度かぁ。。。
とはいえ、これでも市民の声が反映された、ということでよしとすべきなのだろうか?
厳寒期はモンゴルのような環境下では、車両の燃費はぐーんと下がり、また暖機しなければいけないなど燃料消費量は夏に比べるとぐっと増えます。
でも、燃料が高騰したことが幸いしたのか、どうも、最近の道路交通渋滞は緩和されたような印象がありました。
また年末年始の「シンジルパーティー」での「飲酒運転」の取り締まりなどから始まった警察の交通安全キャンペーンで、ウランバートルだけでも2週間ほどで500-1000人の運転手が「一発免停」を食らっているそうです。
路肩の違法駐車や違法な方向転換、スピード違反はもちろん、シートベルトを着用してなかったってだけでも「免停」や「高額罰金」が科せられているそうです。ひょえー。
厳しすぎるー!っていう気持ちと同時に、「交通ルールを守れないドライバー」がウランバートルの街から淘汰される、ってことで歓迎したい気持ちもあります。
モンゴルの経済混乱は、一部には、誰かの私利私欲の暴走や連鎖反応による恣意的な価格操作など、「自分だけならいいじゃない」&「皆もやってることだもん」という気持ちの緩みが要因ってこともあると思うんです。
それは交通渋滞の要因にも共通している。
「自己中心的なドライバー」と「自己中心的な歩行者」がルールを守らずに道を往来している。
赤信号なのに平気で横断歩道を渡る歩行者の群。
横断歩道がないのに手を上げて堂々と道路を横切る子供連れの女性。
せっかく信号によって秩序ある車の流れができているところを平気でぶち壊す無神経さには、まるで草原の道路を横切る牛の群を連想させるのです。
人の権利を守ること、生活向上を主張し、そのために努力すること、というのはとても大事なことだけれど、でも、まずは基本的なルールってことをもっと見つめ直すべきではなかろうか、と。
悪法、非合理的なルールもたくさんありますが、そうはいっても、「決められたもの」が「気に入らない」から無視するってことが「当たり前」になっている社会は、あんまり民主的ではない。
ルールが悪いなら、皆にとって「不都合」ならば、よくよく吟味した上で正せばいい。
とはいえ・・・一般庶民にとっては「改悪」でも、お金持ちの勝ち組にとっては、「改善」なルールや相場の変更はすばやいのに、庶民にとって必要な「改革」はなんと小さく、遅いことか。
値上げの背景には別に輸入量が規制された、ってことも、ロシアが意地悪して値上げしたってこともないそうです。税が引き上げられたってこともない。
ただ「業者の談合」によって、不当に値上げされたものを是正してほしい、という主張や要求に対して、その答えがわずか「10分の1」程度の引き下げだというのは、消費者を馬鹿にしているのか、って思う。
モンゴルは鉱山開発などによって一人当たりのGDPが一気に2-3倍にあがる、経済成長の有望国だ、という評価が国際的にはあるようで、投資にもよいって巷では見られているようですが、富裕層とそれ以外の割合はイビツとしかいいようがなくなっています。
外国人投資家としてはほんの10%にも満たない富裕層を相手にビジネスしてればいいのかもしれないけれど、外国資本の流入によって、イビツなモンゴル経済がさらにイビツになっていく、という状況は顕著になりつつあり、このイビツさが、一般庶民のなかでも特に「ニッチもサッチもいかなくなっている」青年たちの「外国人への嫌悪感や憎悪感」を増幅している。
外国人で一応、起業家な私ですが、実際の収入・所得は日本の派遣村で年越しをしたフリーターさんや非正規雇用の人たちよりの半分もいってない・・・って状況なので、この「外国人への憎しみ」を私に振り向けられてもとんだトバッチリ、でしかないので、とっても迷惑です。
会社を始めたとき、大人の人たちにいわれたことのひとつに、「会社という法人組織は利益を追求すると同時に社会貢献もしていくための存在であるべき」ということがあります。
なんでも貧困対策とか孤児院対策とか最低層への「ほどこし」活動をすればいいってことじゃなくて、空洞化しつつある中流層をささえるために「庶民ができる経済活動」の一部としてリンクしていくことも大切なのかなぁ・・・
なんだかよくわからないけれど、ホテル代も値上がっちゃってるし、ドライバーさんや通訳さん達のギャラ値上げ要求も「ごもっとも」なため、どこをどうやりくりすれば、リーズナブルなツアーが作れるのか・・・あと数ヶ月後に始まるツアーシーズンのことも含め、頭が痛い今日この頃です。
円高トゥグルグ安だって言われてたけど、結局、モンゴル出発直前にきいてた相場からは、5%ほど落ちちゃってて、これまた計算外でガッカリだったりする。
市民の要求と自分の要求のズレ・・・こういうズレを上手く生かしていくのが、混乱した成長経済の中で、「儲かる」センスなんでしょうね。
文字通り、身銭を切って勉強中です。

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モンゴルで寒い、寒いとぼやいていたら、サハ共和国のオイミヤコンでは、-72℃を下回る気温となり最低気温レコード更新したとのこと。
ウランバートルの場合、寒さよりは大気汚染のほうがボヤキの種なのですが、それにしても-70℃を下回るところがあるってことも、そういうところでも人が暮らせているということにもオドロキです。
煙いぐらい文句いってはいけませんね。
さて、先週金曜日に市民集会は、平和裏に終わったようです。
オイミヤコンほどではないとはいえ、-25℃前後の屋外ではそれほど長時間じっと立ってたり、座り込みをしたりするのも限界がありますし、今回は労働者組合連合の先導だったのですから、「市民運動」なれもしています。
この市民集会は年明け前後から急にトゥグルグ安が進行し、燃料代がいきなり1ℓあたりの相場が200-300トゥグルグも値上げされたことが引き金となって急激なインフレが加速していることへの政府批判が目的でありました。
つまり、労働組合連合としては労働者の最低賃金引き上げなど労働条件、生活基盤の向上を時間をかけて交渉しているものの、その努力や妥協・譲歩だけではとてもカバーしきれない急速なインフレが引き起こされているのを、行政も国会もなんの対策もとらないことへの抗議だったわけです。
政府が変わるたびに、あるいは国会の会期ごとに、電気代などの値上げのときは国家公務員の給料は30%ぐらい一気に引き上げされるのが通例なモンゴルですが、一般労働者の賃金をこんなペースで引き上げしていては、民間企業はとても経営維持ができません。
かつガソリンなど石油系燃料の輸入・販売業は国の特別なライセンスが必要で、一応、石油燃料の相場などの調整する国家機関があります。
先日、これまた急に民主連合と人民党(モンゴル人民革命党が分裂した)による連合政権から民主連合が離脱を表明。そして、民主党側勢力が長だった、この相場調整機関をやめる寸前に石油系燃料の相場高騰が起こり、なんの政策・対策もないままにインフレとトゥグルグ安の経済混乱を巻き起こした、というのが一般庶民の見方なのです。
あと半年という任期を残し、今年6月末に行われる選挙対策的に、混乱した政局をほっぽりだして政権離脱することに、どんなメリットがあるのか、私には理解しがたいのですが、上記のような、インサイダー取引というか、価格操作に影響がある行動をしたままほっぽりだして撤退・・・というのが本当ならば民主連合は市場経済制や民主主義を誤解しているか、馬鹿にしているか、自分のことしか考えていないのか・・・と残念な気持ちです。
でも、市民運動の成果が出たのか、石油系燃料は若干安くなりました。
土曜日からの値下げは、1ℓあたり、それぞれ20-30トゥグルグ。
値上げのときは一気に200-300トゥグルグもあがったのに、値下げは、その10分の1程度かぁ。。。
とはいえ、これでも市民の声が反映された、ということでよしとすべきなのだろうか?
厳寒期はモンゴルのような環境下では、車両の燃費はぐーんと下がり、また暖機しなければいけないなど燃料消費量は夏に比べるとぐっと増えます。
でも、燃料が高騰したことが幸いしたのか、どうも、最近の道路交通渋滞は緩和されたような印象がありました。
また年末年始の「シンジルパーティー」での「飲酒運転」の取り締まりなどから始まった警察の交通安全キャンペーンで、ウランバートルだけでも2週間ほどで500-1000人の運転手が「一発免停」を食らっているそうです。
路肩の違法駐車や違法な方向転換、スピード違反はもちろん、シートベルトを着用してなかったってだけでも「免停」や「高額罰金」が科せられているそうです。ひょえー。
厳しすぎるー!っていう気持ちと同時に、「交通ルールを守れないドライバー」がウランバートルの街から淘汰される、ってことで歓迎したい気持ちもあります。
モンゴルの経済混乱は、一部には、誰かの私利私欲の暴走や連鎖反応による恣意的な価格操作など、「自分だけならいいじゃない」&「皆もやってることだもん」という気持ちの緩みが要因ってこともあると思うんです。
それは交通渋滞の要因にも共通している。
「自己中心的なドライバー」と「自己中心的な歩行者」がルールを守らずに道を往来している。
赤信号なのに平気で横断歩道を渡る歩行者の群。
横断歩道がないのに手を上げて堂々と道路を横切る子供連れの女性。
せっかく信号によって秩序ある車の流れができているところを平気でぶち壊す無神経さには、まるで草原の道路を横切る牛の群を連想させるのです。
人の権利を守ること、生活向上を主張し、そのために努力すること、というのはとても大事なことだけれど、でも、まずは基本的なルールってことをもっと見つめ直すべきではなかろうか、と。
悪法、非合理的なルールもたくさんありますが、そうはいっても、「決められたもの」が「気に入らない」から無視するってことが「当たり前」になっている社会は、あんまり民主的ではない。
ルールが悪いなら、皆にとって「不都合」ならば、よくよく吟味した上で正せばいい。
とはいえ・・・一般庶民にとっては「改悪」でも、お金持ちの勝ち組にとっては、「改善」なルールや相場の変更はすばやいのに、庶民にとって必要な「改革」はなんと小さく、遅いことか。
値上げの背景には別に輸入量が規制された、ってことも、ロシアが意地悪して値上げしたってこともないそうです。税が引き上げられたってこともない。
ただ「業者の談合」によって、不当に値上げされたものを是正してほしい、という主張や要求に対して、その答えがわずか「10分の1」程度の引き下げだというのは、消費者を馬鹿にしているのか、って思う。
モンゴルは鉱山開発などによって一人当たりのGDPが一気に2-3倍にあがる、経済成長の有望国だ、という評価が国際的にはあるようで、投資にもよいって巷では見られているようですが、富裕層とそれ以外の割合はイビツとしかいいようがなくなっています。
外国人投資家としてはほんの10%にも満たない富裕層を相手にビジネスしてればいいのかもしれないけれど、外国資本の流入によって、イビツなモンゴル経済がさらにイビツになっていく、という状況は顕著になりつつあり、このイビツさが、一般庶民のなかでも特に「ニッチもサッチもいかなくなっている」青年たちの「外国人への嫌悪感や憎悪感」を増幅している。
外国人で一応、起業家な私ですが、実際の収入・所得は日本の派遣村で年越しをしたフリーターさんや非正規雇用の人たちよりの半分もいってない・・・って状況なので、この「外国人への憎しみ」を私に振り向けられてもとんだトバッチリ、でしかないので、とっても迷惑です。
会社を始めたとき、大人の人たちにいわれたことのひとつに、「会社という法人組織は利益を追求すると同時に社会貢献もしていくための存在であるべき」ということがあります。
なんでも貧困対策とか孤児院対策とか最低層への「ほどこし」活動をすればいいってことじゃなくて、空洞化しつつある中流層をささえるために「庶民ができる経済活動」の一部としてリンクしていくことも大切なのかなぁ・・・
なんだかよくわからないけれど、ホテル代も値上がっちゃってるし、ドライバーさんや通訳さん達のギャラ値上げ要求も「ごもっとも」なため、どこをどうやりくりすれば、リーズナブルなツアーが作れるのか・・・あと数ヶ月後に始まるツアーシーズンのことも含め、頭が痛い今日この頃です。
円高トゥグルグ安だって言われてたけど、結局、モンゴル出発直前にきいてた相場からは、5%ほど落ちちゃってて、これまた計算外でガッカリだったりする。
市民の要求と自分の要求のズレ・・・こういうズレを上手く生かしていくのが、混乱した成長経済の中で、「儲かる」センスなんでしょうね。
文字通り、身銭を切って勉強中です。

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