モンゴルだるま@兼業遊牧民です。
馬が見つかったとの連絡で一安心。

委託遊牧の難しいところは、信頼関係をいかに築くかです。
いろいろ家畜を無事に育てるために必要な餌や薬、その他装備や家畜小屋の建築資材などはオーナーである私が負担することになります。

でも、最近、ガナー君が、「どうも彼らが要求する餌は、うちの家畜用だけじゃない気がする」と言い出しています。

うちの家畜は、羊・山羊・馬です。
羊と山羊は今のところは放牧中の草だけで、フスマなどは早生まれの子羊とそのお母さんぐらいしか食べていない。
馬は燕麦とフスマをまぜた飼料なのですが、これも1日8kg程度で2頭にしか与えていません。

で、すでに干草は140束、フスマは100kg、燕麦も200kg分くらい渡してあるのに、フスマが足りない、というのです。しかも300kg分くらい。

冬の備えとして確保しておきたい、というにしても、ちょっと量が多すぎると。

で、彼らが自分たちでもっている牛や人から預かっている牛が15頭くらいいることもわかっているので、おそらく、他人の牛に与える餌までコチラに負担させようとしているらしい、というのです。

今年の冬はとても厳しく、雪も多いのでゾドになる可能性が高い、というのは巷でも言われているので、私も必要十分な餌を確保したいという気持ちがあるのですが、そういう気持ちをうまいこと利用されて余計な支出が出ちゃう、というのは、研究上も困るのです。

なかなか都会まで出ることができない彼らだから、必要なものがあれば届けるのはヤブサカではないので、正直に言ってほしいなぁと思うわけ。

私がいない間はガナー君も特に現金収入が余分に入ってくるわけでもないので、十分な備えを一時帰国前にしなければいけない。
余分な支出だ、とガナー君にけちられて、ちゃんと調達できなかったばかりに家畜が飢えて死ぬって言う最悪パターンは勘弁してほしい。

でも他人様の牛のために、決して安くはないフスマを購入するほどには私も金銭的余裕がないんですね。

難しいですね。
あんまり細かい追求をして不正を見破ったところで、冬のど真ん中に
「そんな細かいこと言うんだったら、もう辞めた!」と
家畜を放り出されても困るし。

結局、労使関係でも私は全然、モンゴル人にかなわないのです。

信頼関係と適度な人間関係の距離の作り方、まだまだ模索中。

にほんブログ村 海外生活ブログ モンゴル情報へ
にほんブログ村