モンゴルだるま@ウランバートルです。
9.11というと、アメリカの9.11な日、という印象が10年間あったわけですが、今年から日本の3.11震災から半年後、という特別な日が加わりました。

モンゴルでNHKそのほかのテレビ中継で見た、祖国の地獄絵のような被災状況。
津波に飲み込まれていく街、人々、車や船・・・
連絡が取れない友人・知人の安否に泣きそうになったあの頃のことを振り返るだけで涙が出てきます。

モンゴルでは、日本が未曽有の被災をしたその日の午後には、支援が決まり、
2500枚ものモンゴル国内の自然災害支援用のカシミア毛布や防寒具を空っぽの定期直行便に詰め込み、被災地支援と日本からモンゴルにくる乗客のためにモンゴル航空が成田空港に向けて飛びました。
さすがに、災害当日の夜に、そのような支援物資を受け入れられるような状況に日本もなく、着陸出来ないまま、夜中にいったん戻ってきました。
翌日には、臨時閣議が開かれ、経済界の話し合いがあり、100万米ドル相当の義援金送金が決まり、再び、支援物資を持って、直行便が日本に送られました。
モンゴル国のパートナー「日本」に対する支援の心と対応は本当にすばやく、篤いものでした。

その気持ちは未だに変わっていません。
被災地である東北地方の冬の厳しさに胸を痛めています。
義援金あつめはまだまだ続いているのです。

そんな簡単に、あの大災害から立ち直ることは、いくら日本といえど難しいとわかっているのです。

モンゴル人が被災状況を見ていて何より驚いたのが、
あれだけの惨状の中で、パニックになることなく事態を収めていく日本人の整然とした態度でした。

どれだけ大変な状況であっても、女子供・老人を助け、優先する。
配給にはきちんと並ぶ。
いつくるかわからない電車を待つ間も、きた電車に乗り込むときも、実にいつもどおりであった、と。

モンゴル人は、こうした日本人から「学ぶべきことが多い。子供たちにかの国の文化・習慣・生活態度を教訓とさせたい」という気持ちも強いようです。

先月30日から9月5日まで、被災地の子供たちが元モンゴル大統領・N.エンフバヤル氏の呼びかけでモンゴルに訪れ、子供同士の国際交流の旅がありました。

「新開発基金"Шинэ хөгжлийн сан"」、「公正な革命"Шударга ёсны хувьсгал"」学生連盟、「オユンナ基金」が共催で、津波により被害を受けた日本人の子供達をモンゴルに招待したい。モンゴルの大自然の中で、傷ついた心を癒してほしいという気持ちで企画されましたが、実際には、子供達だけを招聘する、というのは、モンゴル側が想像した以上に大変だったそうです。

食べ物は大丈夫か?危ないことはしないのか?どんなところが受け入れ機関になるのか?

日本側との折衝を繰り返し、ようやく実現したのが、夏の終わり・・・。
もっと早くに実施しておけばよかったのになぁ、という気持ちもありましたが、でも、9月1日が新学期のモンゴルの学校も体験したりできたのかしら?

モンゴルでも大手となった民放TV9や新興の青少年をターゲットにしたドリームTVなどにも「がんばれニッポン」と題したテレビ番組シリーズが放映されています。

この「がんばれニッポン」は被災した日から、ほぼ継続的に毎週のように放映され、その番組を通じて、募金の呼びかけもされています。また日本の生活文化や伝統、習慣、被災地の復興の様子などやモンゴルがどんな取り組みをしているのか、モンゴルが日本の被災から学ぶことは何か、など回によってテーマは違いますが、いつまでもモンゴル人が日本の3.11被災を忘れないように、パートナー国として共に生きよう、としてくれている姿勢のようにも思えます。

被災地にボランティアに行く私の仲間達の話からも、まだまだたくさんの支援が必要であることを感じます。
日本でも、被災から半年たった今日、被災地の状況についてやボランティア同士の連携を高めるためのイベントが企画されているようです。

大切な人を失ってしまった方々、大事な財産を失った方々、当たり前だった日常を奪われた方々へのお悔やみを申し上げます。
被災当初の混乱はおさまったとはいえ、個々の人々、企業、自治体にのしかかった復興までの厳しい試練は、現実のものとしてより重く、深刻になってきていることと思います。

福島原発事故の処理もままならないまま、これからの原発、どうしていくの?ということが、見通し立たず、電力不足の懸念が続く。目に見えない放射線物質汚染への驚異へのおののきは、食べ物とかいろんなものを介して日本全国に広がっていると聞きます。

思うように復興支援が進まないこと、集まった義援金はちゃんとピンはねされることなく被災者の生活復興のお役にたっているのだろうか?いろんなことが心配です。
日本赤十字には、国内外からの大きな寄付金が集まっているそうですが、ツイッターなどを読んでいると、どうやら、結構「経緯」と称して、赤十字社の判断で、別の用途(他の諸外国支援金)に流用されちゃってる、なんて話もききます。

たくさんの人たちの善意を預かってる人たちは、きちんとそれが被災地の復興・人々の支援に使われるように責任を持つべきだと思います。

日本の皆さん、モンゴルはいつだってパートナーシップ精神に基づいて、日本の復興を祈り、そのために「がんばろう!」って呼びかけあっています。

がんばろう、ニッポン。

この言葉を口にするたびに、涙が出てきます。
それほどに「がんばろう」って言葉の意味は重く、パワーを持っています。

まだ半年です。もう半年です。
早く、復興してほしい。でも、焦らず、あきらめず、いきましょう。

辛いことがあったら、いつでもモンゴルに来て欲しい。
多くのモンゴル人たちと一緒に待ってます。ペタしてね読者登録してね
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